先日の話を少し詳しく…。
競る山を決めて配置に付く狙撃手達。
まあ、私もその狙撃手部隊の一人なのですが、ヘナチョコなのでたいして役には立っていません(笑)。
前方からの獣道。

左手に流れる川も受け持ちます。

老練なイノシシだと川の中を走って自分の匂いを消し、猟犬をまいて包囲網を突破することがあるのです。
更に右手の山の斜面を走る獣道も受け持ちます。

勢子の2人が5頭の犬を放って巻き狩りスタート!
先日の記事に書いた通り、まずは37kgの雄鹿をゲット。

それから少し経って私の待ち場の前方の竹藪で枯れ竹を踏み割る音。
「来た…。音の重量感からしてイノシシに違いない」
銃を少し下げた状態で構えて視界を広く保ち、どこから飛び出してきても良いように五感を働かせます。
視覚、聴覚、臭覚、獲物を探す体感覚…、それらを総動員してジッと気配を殺します。
すぐに猟犬の吠え立てる声が私の待ち場に近付きますが、現れたのは猟犬のみ。
その事を勢子に報告すると「獲物が違ったのかもしれない」とのこと。
猟犬が見つけた獲物がイノシシや鹿ではなくノウサギやタヌキだった場合、最初は獣臭に反応して吠え立てるのですがすぐに追跡を止めます。
「イノシシだった気がするんだけどなぁ…」
と疑問を拭えぬままにいると、
「何頭獲物が入っていても一頭も獲れないことも多いし、とりあえず一頭いただいたから上出来だよ」
と先輩ハンターからの連絡が来ます。
「それもそうだね」と、ちょっと安堵感が漂った頃に
「イノシシが走った! 犬をまいて犬が付いていないから気をつけろ!!」
との連絡。
犬が付いていない時のイノシシは、それは見事な逃げ足です。
枯れ竹や木の枝がたくさんある場所ならそれらを踏み折った音がしますが、余程のことがない限り枯草の上や土の上を音もなく走り逃げ去るのです。
再度集中し、気配を殺して待機していると右手上方に僅かな気配。
「来たっ!」

チラチラとしか確認できませんが、孟宗竹の間を縫って走る真っ黒な影。
私の待ち場からは遠過ぎるし、この場所を走ると先輩ハンターの受け持つ獣道に続いています。
「そっちにイノシシが向かいました。素抜け(犬を振り切って逃走すること)しているんで気を付けてください!」
すぐに報告。
間もなく一発の銃声。
上手く仕留められたようです。
猟が一旦終わり「待ちを解け!」の号令で脱砲確認。
「2頭仕留めることが出来たんで上出来だな」
獲物を運び出す段取りをしますが、話はここで終わりかというとそうではなく、
若き勢子が大きな雄鹿をもう一頭仕留めていたとのこと。
この場所はゴルフ場に隣接した猟場(ゴルフ場の許可は取っています)なのですが、この鹿は張り巡らせたフェンスを飛び越えゴルフ場を横切って走り去ろうとしていたそうです。
ところが鹿の出現に驚いたゴルファーの悲鳴に逆に鹿が驚き、再度フェンスを飛び越えて猟場内に入り込んできたところを猟犬に見つかって足止めされてしまったのです。
それに若き勢子が追い付き猟銃を構えようとしたところ、背後からの熱い視線。
遠くから大勢のゴルファーの方がその様子を見守っていたそうで、
「いやいや、この状況じゃ撃てないよな…」
と銃に弾を込めるのを止め、ナイフを取り出します。
しかしその頃には更にギャラリーの数も増えていて
「いやいや、この状況ではナイフを使うのもまずいよね…」
と判断し、暴れる大きな鹿を引き摺って物陰まで移動し刺止め。
54kgもある大きな鹿なのに銃も使わず仕留めてしまいました。
(残念ながらこの鹿の写真を撮り忘れてしまった)
解体場所では興味津々のお子様たちに囲まれます。

「でっかい~!!これ何~!?」
「イノシシと鹿だよ。山で獲ってきたんだ」
笑顔で答えていますが、そのお兄ちゃんは実は凄い人なんだよ。
今でも「鉄砲を置いていけ~」なんて言われている若き勢子ですが、「鉄砲もナイフも両方とも置いていけ~」と言われる日もそう遠くない感じです(笑)。
↓キミなら素手でも獲れる!!と思ったらクリックプリーズ(笑)
にほんブログ村
にほんブログ村
- 関連記事
-
スポンサーサイト
それ以外だと跳弾の危険性もあり撃ちません。(スラッグのみ使用で6粒なんかは危険なので使用しません)
と言っても今猟期はまだ鉄砲を撃っていないんですけどね(笑)。
いや~~凄いですよ いったいどんなゴリラみたいな人なんだろうか
いや~~
是非モザイク顔&プロフィールだけでも紹介してくださいよ~~(笑)
って、そっちに目がいってしまった(笑)
久しぶりに鹿のステーキ食べたいな~
かなりハンサムですし、漢気があります。
しかも筋肉質だけどスリムです。
例えるならkuma仙人さんと同じくらいいい男と言っておきましょうか(笑)。
私の子供のことはいつも同じ洋服を着ていたような気がします。
ゴルフ場の人たちも素手で鹿を引きずっていく猟師に度肝を抜かれたでしょうね。てか、それが普通だと思われたりして…九州の猟師は素手で鹿を仕留めるんだぜ、なんて。(笑)
そういやこっちにも数年前に素手で鹿を止め刺しして角をへし折った大工がいたの思い出しました。ちなみにその角もらいました。(笑)
それにしてもこの日ゴルフをしに来ていた人は、いい土産話が出来たのではないかと思います♪
私も現場を見てみたかったです♪
怖くてうちのグループは6粒弾などは使用禁止にしています。