食べる事と、命をいただく事について考えます。 狩猟、素潜り、釣り、採集、手作り等々

若き勢子、奮迅!!

猟期中の休みは、とりあえず出猟(笑)。

乾燥した日が何日も続くと獲物の足跡が見つけにくく、どこの山に寝ているのかの判断が難しくなるのですが、前日の夕方までに降り止み、足跡も分かりやすいので絶好の大物猟日和です。



しかしこの日は猟隊のメンバーの皆が焦っていました。

見切りが上手いメンバーが多く空山(イノシシや鹿がお留守の山)を競る事がほとんど無いグループが、絶好のコンディションであるにも関わらず2ラウンド続けて空振りだったからです。

猟期の終盤に少なくなった獲物を「一か八か」で競るのではなく、餌を食べた跡も足跡も「間違いなくこの山にいる!」という場所を競ったのに獲物は出ませんでした。



午前中で「たくさん獲れたから」と猟を止め解体作業に入ることも多いのですが、お昼ご飯を食べて仕切り直し。



「三度目の正直」か「二度あることは三度ある」か?
静かに狙撃手が包囲網を張りめぐらせます。


3ラウンド目の私の待ちはこんな感じ。
2012.11.25奮迅5


右奥から延びてくる獣道と、これとは別に(画面には映ってないけど)左正面からの獣道を受持ちます。
2012.11.25奮迅2



2人の勢子が犬を入れるとすぐに2発の銃声。
「外れた! 今度こそイノシシが出たよ!! 50~60kgくらいのヤツが待ちの方向に向かってるから気を付けて」
勢子長の声。


緊張して待っていると、一旦は犬の追い鳴きの声が近付きますが、やがて犬の声も聞えなくなります。


「犬が匂いを落とした(見失った)か…」
と思っていたら「パキッ」っと枝を踏み折る音。

「いる…。オレの待ち場の前まで来ている。犬を撒いたからこの近辺が安全かどうかを確かめているんだ。
気配を殺せ…。注意を怠るな…。」

自分自身に言い聞かせます。


「パキッ!」
次の木の枝を折る音が聞えた時には、右前方からイノシシが飛び出していました。


しっかりと狙え3発撃つことの出来る7メートルの位置まで引き付け、初弾を発射!
2012.11.25奮迅6

反転し、逃げようとするイノシシに次弾発射!!
2012.11.25奮迅8

走り出したイノシシがバランスを崩してつんのめり、瞬時後ろ足を下に前足だけで獣道にしがみ付く様な格好。

更に後ろ足を軸に斜面を転がり落ちていくイノシシ。


落ち方が変。


「中ったな…」
すぐに銃に弾を補充し斜面を下りて追跡。



この下は深いブッシュになっていて、イノシシがガサゴソと暴れる音が聞えます。

「手負いになっている…。急いで止めないと犬が追い付いて来たら切られる」
と言うのも、私が撃ちかけたイノシシは70kg~80kgの大きな個体。しかも撃つ瞬間に、口元から突き出た牙がはっきりと見えたからです。


動けなくなったイノシシがブッシュの中ですくんで反撃してくる可能性もあるので、注意しながらおっかなびっくりのヘッピリ腰で進みますが、血の落ちた痕跡も見つかりません。


「無理をするな。一旦元の場所まで戻って待機しろ」
と親方からの連絡。



一段落して若き勢子が猟犬を連れてきて追跡にかかります。

「大きかったから気をつけて…。頼む。」



私ももう一度イノシシの足跡をゆっくりと辿ると、血痕発見。
2012.11.25奮迅2

「やっぱり中ってる…。しかも結構な出血量。」


そのことを伝えると
「犬が伸びたね。獲物に付いたみたい。」
と若き勢子。




それから時々入る連絡。

「血を引いてるけどかなり走ってるね。」

「追ってるけど、どんどん高い所に登ってる。」

抜群の運動量を誇る若き勢子の、今まで聴いたことが無いような擦れる声と荒い呼吸音。




かなりの時間が経過…。




「止めたよーっ!」




獲物を引き出すために若き勢子の場所まで向かいますが、仕留めた場所は見上げるような大きな山の山頂付近。

2012.11.25奮迅1

「オレが撃った場所からここまでどれくらい離れてるんだ…? はっきり言って無茶苦茶な距離と高低差だぞ。それを駆け抜けて来るなんて…。」



80kgのオスイノシシ。
2012.11.25奮迅3

最後は若き勢子に向かって反撃して来たところを仕留められました。



私の撃った弾は左前足を完全に飛ばしていました。
2012.11.25奮迅4

傷跡を見て、撃った直後のイノシシの行動が納得。

しかしこの状態で相当の距離を走り、一番高い山の山頂付近まで逃げ登るなんて…。



そして手負いとはいえ、それに追い付き仕留める若き勢子の凄さ。

う~ん、なんだか段々とキミは「人間以外の何か」に近付きつつあるんじゃないかい(笑)?



キミと一緒のグループで猟ができて良かったよ。

ありがとね♪





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コメント
No title
素晴らしい!!!
自分もこんなメンバーと一緒に猟をやりたい・・・。
2012/11/27(火) 08:24 | URL | えーちゃん #-[ 編集]
No title
私もこんな猟隊なら巻き狩りを続けていたでしょうに。凄い!
それにしても毎回じゃんさんの所に猪が来るというのは人間の匂いを持っていないという事でしょうか?これも凄い!(笑)
もう少し頬付けの練習をしたほうが良さそうですね。弾が上下にぶれているようです。これは残念(笑)
2012/11/27(火) 09:16 | URL | 川ガニ #AilrZkwc[ 編集]
No title
左前足が無くなっても走れるなんて、、、。野生鳥獣はパワフルですね。
2012/11/27(火) 10:31 | URL | たけ #-[ 編集]
えーちゃん
うん、オレも今まではずっと団体競技とかチームプレーが苦手だった。
だけど今は「本当に仲間っていいな」と思うよ♪
2012/11/27(火) 20:36 | URL | じゃん #-[ 編集]
川ガニさん
実はブログには書けていないけれど、1ヶ月も経たないのに15発スラッグを撃っています(爆)!
「それにしてもお前さんは運が良過ぎ!!」と皆さんに言われはしますが…。

>人間の匂いを持っていないという事でしょうか?
はい、猟から帰って来ると汗と血で野生動物のような匂いがしています(笑)。

そうなんですよね、特に至近距離だと頬付けが甘く下を撃っているようです。
返って遠距離の方が中っていますね。
がんばりまっす!
2012/11/27(火) 20:45 | URL | じゃん #-[ 編集]
たけさん
そうですね、野生動物の強さにはちょっとビックリします。
他にももっと凄い話があったりしますが、ボチボチ書いていきたいと思います♪
2012/11/27(火) 20:47 | URL | じゃん #-[ 編集]
パチパチパチ
じゃんさんも勢子さんにも拍手です。
勢子さんの前の猪が小さくみえます、完全に手の内に入ってますね。

2012/11/28(水) 10:46 | URL | kurosibahanako #-[ 編集]
No title
いやはやこんなアクティブな猟はおいらにはムリですな。タツに着くだけできっと息が上がっているでしょう(笑)
2012/11/28(水) 13:28 | URL | しぇふ #-[ 編集]
先日はお疲れ様でした(^-^)

ボウズかと思って半ば諦めてましたが、じゃんさんのおかげで良いシシが捕れました(^-^)

僕も一段落してから自分がどこにいるのか分からずにプチパニックになってました(・・;)

シシを追いかけるよりも、仕留めてから引きずり出す方がくたびれましたね(^-^)
2012/11/28(水) 17:18 | URL | カッターナイフの魔術師 #-[ 編集]
kurosibahanakoさん
ありがとうございます。
しかしこれは完全に若き勢子の力です。

私が一発で仕留めていたらこんな苦労はかけずに済んだのですが…。
精進します。
2012/11/28(水) 21:48 | URL | じゃん #-[ 編集]
しぇふさま
アクティブなしぇふが何をおっしゃる(笑)。
きっとしぇふなら今でも勢子役ができますよ♪
2012/11/28(水) 21:52 | URL | じゃん #-[ 編集]
カッターナイフの魔術師さん
先日は本当にお疲れ様でした。

いや、キミは本当に凄いよ!
そろそろ蹄とか牙とか角とかが生えてきていない(笑)!?
2012/11/28(水) 21:57 | URL | じゃん #-[ 編集]
じゃんさん(-.-)
それは無いけど、尻尾がはえてるよ(゜o゜)\(-_-)
2012/11/29(木) 06:57 | URL | カッターナイフの魔術師 #-[ 編集]
カッターナイフの魔術師さん
そっか~、追いかけるほうだから犬の嗅覚と尻尾と牙かな(笑)。
2012/11/30(金) 01:29 | URL | じゃん #-[ 編集]
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プロフィール

じゃん

Author:じゃん
幼少時より食い意地の張った子供で、今でも野生の動植物を見る時には
「美味いか不味いか?」
が大きな判断基準を占める。

素潜り、釣り、手づかみなど様々な方法にて「タダの食料」を捕獲することに情熱を燃やしています。
2009年より狩猟界にデビュー。タンパク質自給率100%達成なるか!?

E‐mail
capturefood@yahoo.co.jp
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