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食べる事と、命をいただく事について考えます。 狩猟、素潜り、釣り、採集、手作り等々

農家の窮状

「さて、雨は上がったけれど今日は人数も少ないしどこを競るかねぇ…」


と、オレンジベストに迷彩服を着たハンター達が集まって大物猟の作戦会議をしていると、近所で農業を営むお爺さんがやって来ます。

2012.11.16農家の窮状2

「夜な夜なイノシシが出てきて畑を荒らすんじゃ。箱罠を仕掛けても、こんな小さな子供しか入らん。親イノシシは賢くてやりたい放題じゃ」

「最初はストッパーを掛けて子供は自由に出入りさせ、親イノシシが入るようになったら罠が作動するようにしてみるといいですよ」




続いて銃を持った強面のハンター達に近付いてくるお婆ちゃんが一人。
2012.11.16農家の窮状1

「こっちの山にイノシシがたくさんいるんよ。毎晩出てきて畑や田んぼを荒らしよる…」


同じく農家の方だけど、聞けば作った作物がほとんどイノシシに食べられて、自家用の米も野菜も買わないといけない状態だそうな。

最後には涙目になって声も詰まらせ必死に事情を説明してくれます。



「うん、うん。状況は良くわかった。

だけどごめんね、今日は人数が少ないからこっちの広い山を攻めるには人数が足りないんだ。追い散らすだけで仕留めることが出来ない…」




「美味しい野生鳥獣のお肉が食べられるから」という単純で食い意地の張った理由で始めた狩猟ですが、最近ではハンターという人種の役割を考えざるを得ません。





お爺ちゃん、お婆ちゃん、来週は人数がたくさん集まってきっちりと包囲網を張り巡らせて山を競るから…。

オレみたいにへなちょこで鉄砲の腕が悪くて、イノシシが飛び出してきて撃っても弾が中らないかもしれないけれど、お爺ちゃん、お婆ちゃんの笑顔が見たいから頑張る…。

それに他の皆さんは凄腕のハンターばかりだから…。





だから、だからもう少しだけ待っててね!






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コメント
No title
野生動物がこれほどまでの被害を出しているとは・・・。
既に待った無しの状態なんですね。

自分も早く狩猟免許を取らなければと、
最近本当に思います。
2012/11/18(日) 05:44 | URL | laseeta #-[ 編集]
微力ながら、私も頑張りますのでよろしくお願いします(..)
2012/11/18(日) 06:00 | URL | カッターナイフの魔術師 #-[ 編集]
No title
うんうん、泣ける話だよね~
テッポー撃ちは、もはや天然記念物ですよ。
ボランティアで地域の守りをやってるんですからね。
これからもっと大変な時代になりそうですね。
お互い頑張りましょう!!
2012/11/18(日) 19:22 | URL | kuma仙人 #A1vz8dvw[ 編集]
No title
当事者である農家にとっては死活問題ですね。
文字通り米櫃に手を突っ込まれるようなものですから。

近年被害が増えているそうですが、何が原因でしょうか。
2012/11/18(日) 20:07 | URL | 柴田進 #-[ 編集]
laseetaさん
ええ、一般の方はご存じないだけで、実は相当に深刻な状況です。
このままでは食料自給率が下がる一方なのですが、その事に危機を抱いていない日本ってどうなんだろ~?って思います。
2012/11/18(日) 22:24 | URL | じゃん #-[ 編集]
カッターナイフの魔術師さん
何をおっしゃるカッターナイフの魔術師さん。
勢子役のあなた達がいないと巻き狩りは成り立ちませんよ。
感謝です♪

今日もありがとうございました。

2012/11/18(日) 22:27 | URL | じゃん #-[ 編集]
kuma仙人さん
そうなんですよね~、完全ボランティアですもんね。

これからもっと大変な時代になることは間違いないです。
お互い頑張りましょうね!!
2012/11/18(日) 22:33 | URL | じゃん #-[ 編集]
柴田進さん
はい、農家の方々にしてみれば実際死活問題です。

原因は色々とあるのでしょうが、「人々が自然に興味を持たなくなったこと」「ハンター人口の減少」「日本の林業の衰退」「地球温暖化」などの複合的な理由があると思います。

2012/11/18(日) 22:37 | URL | じゃん #-[ 編集]
No title
もっと農家の現状を皆さんに知ってもらいたいですよね。そうなればハンターの役割も認識されるのでは…。とりあえず私も一人前のハンターになりたいです。
2012/11/19(月) 15:25 | URL | たけ #-[ 編集]
たけさん
ええ、本当にそうですね。

私もまだまだレベルは「新米ハンター」クラスです…。
先は長いですが、お互いに頑張りましょうね!!
2012/11/20(火) 22:24 | URL | じゃん #-[ 編集]
No title
身につまされる話です。地元でも以前は居なかった場所に何時の間にかイノシシが増え、お年寄りが夕餉のオカズを畑に採りに行く事すらが出来ない地域もあるようです。10年程前まで居なかったのですが、じゃんさんたち猟友会の方は大変でしょうが、何卒、宜しくお願いいたします。同じ農家として他人事ではございませんからね。
2012/11/22(木) 21:13 | URL | モモジ屋 #-[ 編集]
モモジ屋さん
ええ、この20年くらいのイノシシや鹿の増え方は異常ですね。

獲っても獲っても「焼け石に水」というのが現状ですが、少しでもお役に立てるように頑張ります!
(と、言いながら美味しいお肉が食べたいだけです。笑)
2012/11/22(木) 22:24 | URL | じゃん #-[ 編集]
No title
一昨日、知り合いのお寺に温泉に行くついでに寄ると、ついに裏山にまでイノシシが出没、近くにクレー射撃場もある所なのに 世話役のオバサンが怖がってました。
2012/11/25(日) 20:47 | URL | モモジ屋 #-[ 編集]
モモジ屋さん
イノシシの学習能力は凄いもので、クレー射撃場の芝生にまで餌を探しに来ていたりもします。

昼間はうるさいけれど、夜は安全だということを知っているのでしょうね。
2012/11/27(火) 03:47 | URL | じゃん #-[ 編集]
じゃんさん
油断できませんねぇ。イノシシの機動力は凄まじいみたいですね。友人が瀬戸の小島に住んでいますが、10年程前海をイノシシが泳いでいるのを見て微笑ましく見ていたそうですが、あっと言う間に島中に増え、お年寄りが畑に野菜を採りに行くのも危ないそうです。
2012/11/28(水) 05:52 | URL | モモジ屋 #-[ 編集]
モモジ屋さん
はい、こちらでも本土にイノシシが増え、あふれたイノシシが小さな島にまで生息しています。
凄いものだと思います。

2012/11/28(水) 21:39 | URL | じゃん #-[ 編集]
じゃんさん
直ぐ側にメガマート・アミューズメントテーマパークもある場所ですが、1級河川を堰き止めたダム湖が有りジグザグに水路が走り、夜間川伝いに移動している模様。丘陵地帯には人が手入れしていない雑木林、高齢化の為に耕作放棄した果樹園が有り、イノシシの目から見れば進入路、逃走路は無限に有る訳で、見つけても捕まえにくいと思われます。住宅地が多くて禁猟区にもなってるでしょうから、銃も使えないのでは、困ったことです。
2012/12/01(土) 07:26 | URL | 名前未記入 #-[ 編集]
名前のない方
こちらでも人家の隣のちょっとした草むらや、住宅密集地の神社の林の中に住みついていたりします。
最初は珍しがって餌をあげていたりした人も、人に慣れて逃げずに威嚇してきたりで怖くなる場合が多いですね。
2012/12/01(土) 22:04 | URL | じゃん #-[ 編集]
じゃんさん
先日、瀬戸の小島で暮らしている友人と電話で話をすると、イノシシの被害はかなり酷く、若者が少なく年寄りばかりの島ではどうにもならず、四国の猟友会に頼んでいるようですが、向こうも新浜の別子銅山跡にイノシシの被害が多くて手が回らないそうです。困ったことです。
2012/12/07(金) 08:20 | URL | モモジ屋 #-[ 編集]
モモジ屋さん
ハンターの高齢化は深刻な問題で、本当に狩猟という技術は廃れる寸前です。
おかげで有害鳥獣鳥獣が増えて農家の方も栽培意欲がなくなり悪循環です。

食料自給率がこんなに低い国であることを問題視していないことが問題だと私は思うのですが…。

難しいですね。
2012/12/08(土) 00:25 | URL | じゃん #-[ 編集]
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プロフィール

じゃん

Author:じゃん
幼少時より食い意地の張った子供で、今でも野生の動植物を見る時には
「美味いか不味いか?」
が大きな判断基準を占める。

素潜り、釣り、手づかみなど様々な方法にて「タダの食料」を捕獲することに情熱を燃やしています。
2009年より狩猟界にデビュー。タンパク質自給率100%達成なるか!?

E‐mail
capturefood@yahoo.co.jp
お気軽にメールくださいね♪

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