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食べる事と、命をいただく事について考えます。 狩猟、素潜り、釣り、採集、手作り等々

大切なもの

先日の有害鳥獣捕獲の時のお話。


2時を過ぎても猟犬が戻って来ず、3時の出港の時刻が迫っているために勢子である有害鳥獣捕獲隊の隊長が犬探しに山に入ります。

「すぐに帰ってくるから」
とのことで私は山頂に近い場所で待機。
2010.12.02大切なもの3




程なくして銃声。
「100kg級の大物。逃げられた!まだ犬が追っている」

犬の声が遠くから聞こえ始め、だんだんと近づいています。


他のメンバーは下山していたし、100kg級の大物イノシシだとその鋭い牙で犬が切られることも多いので、すぐに銃を持ち犬の鳴き声のほうに登ります。
2010.12.02大切なもの1
(この写真は別の時の写真です)


誤射を防ぐため、勢子にも「今、犬に寄っています」と無線で伝えます。

どうやら鳴き止めているようなので、銃に弾を込め忍び足で犬の鳴き声のする山頂方向に急ぎます。


しかしなにせ大きなイノシシを崖下から引き上げたばかり。
走って山を駆け上ると限界が近く、もう足が攣りそう…。


もう少しで山頂という時に、犬の鳴き声が遠ざかり、マーカーも途絶えてしまいます。
「どっちに逃げた?」
と思い山頂部の開けた場所に出て、犬が向かった方角を探していたら隊長から
「犬が切られた!」
との連絡。


港で待つ他のメンバーに犬が切られたこととおおよその場所を伝え、急いで現場に向かいます。

声を出しながら現場に急行するけど、もう足が限界。
一足踏み出すたびに痙攣する足をごまかしながら、転げ落ちるように坂を下ります。


「やられた。出血が止まらん」
ワンコはあごの下を突かれて、ポタポタと血が落ちています。
更に体にも数箇所傷が…。

「ホッチキス持ってないかい?一刻も早く出血を止めたい」
と言われて装備を見るけどそんなものは持っていません。

かろうじて持っていたタオルで圧迫し止血しますが、太い血管が切れているようでちっとも止まりません。
イノシシの牙は刃物で刺すように入るので、傷口は小さくても深い傷が多いのです。


そこへ先ほど一緒にイノシシを引き上げた若手の腹口くん(仮名)が到着。
「切られた」という連絡を受け、止血鉗子と縫合針を持って現場に駆け付けてくれたのです。
テキパキと破れた血管を探し出して止血・縫合、さらに皮膚も縫い合わせます。

血は止まりましたが肺を2箇所、太腿の付け根を1箇所やられています。


そうしているうちにワンコは立っている事もできなくなり、震えながら寝そべって目の焦点が合わなくなってきます。
「ダメかもしれん…」
と、飼い主である隊長。


応急処置を終えるとベストで担架を作り、隊長と腹口くん(仮名)が運びます。
(私は情けないことに足が攣った)



すぐに港から病院へ搬送。
2010.12.02大切なもの2


肋骨1本骨折。何針縫ったかはわかりません。
1週間の入院(の予定)で、幸いなんとか一命を取り留めました。


島から帰って腹口くん(仮名)からもらった手術用の縫合針。
2010.12.04鹿のカルパッチョ

彼はイノシシ犬を飼っているので、いつも携行している自分のものを分けてくれました。

こんな時のために、これから猟行時はいつも携帯しておこう。
大切なキミ達を救えるように…。


そしてもっと体を鍛えよう。
大切なキミ達を守れるように…。





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コメント
なるほど
確かに
そういった治療やアクシデントもあるんですねぇ

犬達は ご主人の喜ぶ事がしたいと必死ですもんね
猟果はなくとも
人・犬
お互いに無事で帰る事を一番の良い事と思うべきかもですね
2010/12/02(木) 21:00 | URL | 魔王 #-[ 編集]
良かった!
(>_<) うう、こういう話は泣けてきます。
北海道の猟って、内地から来たハンターさんが猟犬を連れてくるんですけど、帰る時は犬を捨てて行っちゃうことも多いんですよ。本当に大切なものって分かってるのか?って思って腹が立ちます。助かって良かったですね。
2010/12/02(木) 21:06 | URL | 小隊長 #-[ 編集]
No title
よかった~助かったんですね!
縫合針どころか、救急箱も用意していなかった。。
用意しよう。。。そういえば、止血が必要なときなどアロンアルファがいいと聞きましたが、血管じゃあ無理ですね。犬用の救急セットってあるんでしょうかね?
2010/12/02(木) 22:05 | URL | ニライパパ #w3qlSsm2[ 編集]
魔王さん
そうですね~。
山でも海でもそうですけれど
「無事に帰って来ること!」
これが一番ですね。
2010/12/02(木) 23:01 | URL | じゃん #-[ 編集]
小隊長殿
えー、それは本当に腹が立つな!
そういう人間は犬を飼う資格はないですね(キッパシ)!!

2010/12/02(木) 23:02 | URL | じゃん #-[ 編集]
ニライパパさま
鳥犬の場合はそんなに大きなケガはないので、それほどの物は必要ないと思います。
シシ犬はケガが付きものだからですね~。

人間用で充分だと思いますが、本格的な救急セットは獣医さんに相談されろと良いかと思います。
2010/12/02(木) 23:06 | URL | じゃん #-[ 編集]
No title
私も自分用に麻酔薬や縫合針のセットを持っています。
2010/12/03(金) 09:16 | URL | しぇふ #-[ 編集]
リスク大きいのですね。
話には聞いていましたが、猪猟の場合犬が切られる話を読むと実感として感じられます。
助かって本当に良かった!
2010/12/03(金) 13:36 | URL | ナイトハンター #x/IKyGhk[ 編集]
しぇふさま
自分用ですか(笑)?
しかも麻酔薬まで。

でも確かに必要かも…。
今回、現場での処置がいかに大切かわかりました。
2010/12/03(金) 20:11 | URL | じゃん #-[ 編集]
ナイトハンターさん
そうですね、イノシシ犬が切られることは日常茶飯事です。
今回初めて記事にしましたが、記事にできないようなことも多いのです…。
2010/12/03(金) 20:13 | URL | じゃん #-[ 編集]
No title
大きなラブっぽい犬ですね。助かって良かった!


2010/12/03(金) 23:10 | URL | seravi #plLqP/YM[ 編集]
seraviさん
この子は猪犬と思えないくらいとてもラブリーなんですよ。
助かってよかったです♪
2010/12/04(土) 16:12 | URL | じゃん #-[ 編集]
No title
猪猟ってやっぱ醍醐味が違いますよね。
腹口くんて凄い!
2010/12/09(木) 10:51 | URL | 川ガニ #AilrZkwc[ 編集]
川ガニさん
いやー、本当に犬が切られると大変ですね。
良い先輩がいてくれて良かったですよ。

2010/12/09(木) 22:33 | URL | じゃん #-[ 編集]
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プロフィール

じゃん

Author:じゃん
幼少時より食い意地の張った子供で、今でも野生の動植物を見る時には
「美味いか不味いか?」
が大きな判断基準を占める。

素潜り、釣り、手づかみなど様々な方法にて「タダの食料」を捕獲することに情熱を燃やしています。
2009年より狩猟界にデビュー。タンパク質自給率100%達成なるか!?

E‐mail
capturefood@yahoo.co.jp
お気軽にメールくださいね♪

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