「今猟期はイトの仕込みの年だから気合入れて山を引かないとな…」
猟期が始まる前からそんな事を思っていました。

(ちょっとは防牙ベストも様になって来たかな)
去年イトはまだ1才にもなってなく骨格が固まる前だったので、必要以上に山を引きすぎるとフレームが歪な形で固まる(高校野球児の野球肘の様なもの)のを防ぐため遊び程度に山へ連れていき、山の楽しさを覚えさせた年だったのです。
車酔いも酷かったので、車に乗ることを嫌がってもいけませんしね。
そんなイトと一緒に山入りしたのは、ダイエットが必要なふじさん(笑)。

イトとのスピード差はずいぶんありますが、主人とのコンタクトの良さは抜群ですし、何よりもイノシシが主目的の獲物であることを充分に分かっている事をふじから学んでほしかったのです。
まあこの日の反省点は多々あったのですが、子イノシシが1頭と大きな鹿が獲れました。

その鹿を解体していた時のこと。
私は鹿の胃袋(グリーントライプという名の犬の栄養食として売られています)をワンコ用のエサとして毎回持ち帰るのですが、この日胃袋を切り裂くといつもと様子が異なりました。
いつもは大量の青草が出て来るのですが、この日出てきたのは大量のドングリ類。
「え!?鹿ってドングリ食べるの?しかもこんなにドングリばかり食べて消化できるのか?」

(実はこの時のドングリしか入っていない胃袋の内容物の写真撮影を忘れたため、これは後日捕獲した別の鹿の胃袋の中身。青草に混じってやはりドングリが見られます)
鹿や牛などの「反芻(はんすう)動物」は4つの胃袋を持ち、食べた植物などを何度も4つの胃袋の中で移動(はんすうのこと)させて消化するのですが、硬いドングリの殻を消化できるとは思えなかったのです。
そこでちょっと調べると、鹿がドングリを食べることは割と普通のことと分かりました。
「へえぇ~、そうなんだ。知らなかったなぁ。じゃあこの鹿は(ドングリを食べさせて肥育する)イベリコ豚ならぬイベリコ鹿だな!!」
しかしこの鹿は老成したオスの個体で、解体する時に皮も肉もとても硬かったので味は期待できず。

(ステーキにして食べましたが普通に美味しかったです♪)
「若いメス鹿だったりしたら最高に美味しかったかもしれないな~」
そんな話で盛り上がりながら皆でワイワイと解体を行ったのでした。
そんなことを話しながら解体したのですが、実は解体場所の上には大きな椎の木が生えていて、今の時期だと解体しながらコロコロとたくさんドングリ(椎の実)が落ちてきます。
その音を聞きながら今日入った山中の事を思います。
「あの山では秋になるとドングリがたくさんの実を付け、落ちたドングリは多くの森の生き物たちの胃袋を満たし、次の世代への養分として命を繋いでいるのだなぁ…」
そんな事を考えたのでした。
今日も自然の恵みに感謝です。
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イノシシもどんぐり好きですよねぇ(・∀・)
シカの餌集め
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