fc2ブログ

食べる事と、命をいただく事について考えます。 狩猟、素潜り、釣り、採集、手作り等々

ふじはイノシシまっしぐら!!

今日はふじ1頭で山入り。
2023.01.11ふじ頑張る4
(前回の写真)

更にこの日は射手の参加人数も少なく、勢子役も私一人のみで競る場所も限られるので念入りに見切り。

「う~ん、判断に迷う…」
カセギ(エサを食べた痕跡)は見つからないし、ヌタ場を使ったのも1日遅れという感じ。

しかし沢山の鹿の足跡の上に一つだけ50~60kgほどのイノシシの真新しい足跡を発見。
しっかりと踏みしめられ、間違いなく生足(前の晩に踏みしめた真新しい足跡)です。

その様な場合は、周囲の地面が見えるけもの道を見て判断するのですが、今回は岩や大量の落葉に阻まれてはっきりせず。

イノシシの痕跡を探す際には
1.カセギ(エサを食べた痕跡)
2.ヌタ浴び(お風呂を使った痕跡)
3.生足(真新しい足跡)
の順番に信頼度が高くなります。

やはり腹いっぱいエサを食べた後は満腹になって近くで寝ていますし、お風呂に入った後は遠くまで行っていない感じです。(朝風呂派もいる様です)
それに対して真新しい足跡だけでは、単に通過しただけで遠くまで行って寝ている場合も多々あるのです。


一旦メンバーの皆さんと合流して作戦会議。
かなり冷え込んでどこも獲物の動きが芳しくない感じ。
2023.01.24シマシマイノシシ1

「じゃ、オレが見た場所を競りましょう!
イノシシがいる確率は50%という感じだけど鹿は足跡がたくさんあったし、見切りの時にピイィという警戒音が何度も聞こえたから、間違いなく群れで入っています。


位置取りを決めて包囲網を張り巡らせ、ふじを放ちます。

すぐに鳴り響く銃声。
「お!始まったな」

更に山の上からはガサゴソと動物の動く気配。
「まだまだ出るよ! 弾の装填をお願いします!!」
待ち役に連絡を入れます。

「ふじはどこだ?」
と思って確認すると、私から鈴の音が聞こえる範囲を捜索中。
銃声が鳴るとモリとカヤは倒した獲物を噛むためにその方向にぶっ飛んで行くことが多いのです。(少し噛むと猟欲が治まる)

しかしふじは時々連絡のために顔を見せては、何かを訴えかけています。
「明らかに鹿を追い出しているのになぜ啼かない?」

不思議に思いながら移動。
次々と鹿を追い出し、山間に銃声が木霊します。

ふじはやはり銃声の方向へ走ることなく、しきりに何かを訴えています。
急斜面でガラガラ石の山だったので滑ったり転んだりとヒーヒー言いながらふじに付いて行くと、そこは最終的に目指していたイノシシの寝屋。

ふじの表情が険しくなり、枯れ竹が倒れ込んだ寝屋に突入!
「いるな…」

何度も寝屋の周囲をうろつき、今にも吠えてイノシシを起こしそうでしたが啼かず。
「おかしい…」


不思議に思って寝屋の側で待機していると、「50キロくらいのイノシシを仕留めた」との連絡が入りました。
2023.01.30イノシシ命1
ふじの接近に気付いて早抜けしようとしていたイノシシが射手に仕留められました。

65kgのオス。
2023.01.30イノシシ命3

鼻先に塞がりかけた銃創があり、少し前に私たちの猟隊が半矢で仕留め損なったイノシシでした。
2023.01.30イノシシ命4

それにしても鹿とイノシシが混在する猟場でふじの猟芸を久しぶりに間近で見ましたが、鹿は追い散らすだけで相手にせず、完全にイノシシだけを獲物として認定していることがとてもよく分かりました。

私が初めてイノシシ猟犬として仕込むふじを育てる時に、先輩の勢子役の皆さんに口を酸っぱくして言われたことがあります。
「いいか、シシ犬に鹿を追わせるなよ。
鹿は山に入っただけでも勝手にピョンピョン駆け回るから、犬が獲物を探して捜索することを覚えない。
それに鹿を追いかける犬になってしまうとイノシシとの駆け引きが雑になって切られるし、怖い思いをしてまでイノシシに向かって行かなくなる。
シシ犬を仕込む時は徹底してイノシシにあてろ」

なのでふじが若犬の時には徹底してイノシシにあてて猟を仕込みました。
それが今もキチンとふじの中で根付いていて、今回も鹿をまったく相手にせずにイノシシの匂いだけを辿って、まっしぐらにイノシシの寝屋まで来たというわけです。

先輩方の経験って凄いな、と改めて思った次第です。


このイノシシも撃ちかけられた経験があるのに、ふじが接近するギリギリまで寝屋に籠って猟犬とハンターをやり過ごそうとしていたのでしょう。
モリとカヤのコンビだったら、鹿に付いて行ってイノシシの寝屋まで辿り着けていなかった可能性が高かったけど、鹿を相手にしないふじだから仕留めることが出来た感じ。

「ふじ、よく頑張った♪」
ふじはちょっと誇らしげな顔をしていました。


この日は他に小イノシシが1頭獲れました。
鹿は相当数が出て何発も射かけたのですが、何頭か当たったけど半矢で走られ仕留められず。

まあ、少ない人数で事故もケガも無く、2頭も仕留めたから上出来です。

それから「ゾロゾロ出て来てどれ撃っていいのか目移りした」とか「鹿も手強くて、きちんとこちらの事を確認して手薄な包囲網の間を抜けられた」とか、本日の失敗談義を面白おかしく話しながら解体作業を行ったのでした。


今日も自然の恵みに感謝です。


↓ふじはイノシシの脂身が食べたいだけじゃないのか!?と思った方はクリックプリーズ(笑)♪
にほんブログ村 アウトドアブログ 狩猟・ハンティングへ
にほんブログ村
にほんブログ村 アウトドアブログへ
にほんブログ村
狩猟の魅力まるわかりフォーラム
関連記事
スポンサーサイト



コメント
撃ちかけられても寝屋に戻ってきて、ハンターの裏をかいて逃げようとする老獪な猪。そんな猪を鹿の動きに惑わされずしっかり立てるフジ。その猟芸に脱帽です。
1犬2足3鉄砲、優秀な猟犬はまさに猟隊の宝ですね!
3番目の私は犬の働きに報いるべく、鉄砲の腕を磨きたいと思います。
2023/01/31(火) 21:28 | URL | ゲストハンター #HfMzn2gY[ 編集]
新しくブログ開設しました(・∀・)
ふじさん、お手柄ですな(・∀・)

新しくブログ開設しました(・∀・)

また暇な時にお立ち寄りくださいm(_ _)m
2023/02/01(水) 04:00 | URL | rossi #-[ 編集]
ゲストハンターさん
結果論ですが、一番良い獲物が獲れて良かったです。
まあしかし、事故もケガも無く皆で楽しくワイワイと狩猟を楽しめることが一番だと思います。
でもやっぱり自分が撃って獲れると喜びもひとしおですよね♪
2023/02/01(水) 21:48 | URL | じゃん #-[ 編集]
rossiさん
ありがとうございます。
また寄らせてもらいますね~♪
2023/02/01(水) 21:49 | URL | じゃん #-[ 編集]
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
カレンダー
08 | 2023/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール

じゃん

Author:じゃん
幼少時より食い意地の張った子供で、今でも野生の動植物を見る時には
「美味いか不味いか?」
が大きな判断基準を占める。

素潜り、釣り、手づかみなど様々な方法にて「タダの食料」を捕獲することに情熱を燃やしています。
2009年より狩猟界にデビュー。タンパク質自給率100%達成なるか!?

E‐mail
capturefood@yahoo.co.jp
お気軽にメールくださいね♪

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード