今日は久しぶりにふじ一頭での出動。

モリとカヤは5歳になって猟犬として円熟期に入り、更にバリバリと山を引きたいところですが、発情期が来ていた為に出猟させることが出来なかったのです。
発情期にメス犬を山へ放つと、一緒に連れて来ていたオス犬がそちらに気を取られ、猟にならなくなります。
また、発情期の終盤は交配適期になり、メス犬にとって異物であるオス犬の精子を受け入れやすくするために体の免疫力が下がります。
するとヌタ場で体を冷やした際などに雑菌が体内に入り、子宮蓄膿症などの危険性が高くなるのです。
(実際に
ふじが子宮蓄膿症の緊急手術を受けました)
ふじは現在9歳。
まだまだ現役の猟犬ですが、あまり山を引くことが出来ていないので少しぽっちゃり体型。
あまり山へ連れて行けない理由ははっきりしています。
育ち盛り、いたずら盛りのイトを一頭で留守番させておくことがとても不安だからです。
(脱走したり大規模破壊工作の危険性高し!)
なのでふじには悪いのですが、イトが大好きなふじに残ってもらって子守をお願いしているのです(笑)。
今回は猟犬がふじ一頭だけなので、小さめの山を攻めます。
一旦高い場所まで登って上方向から攻め、尾根向こうの射手方向に追い出す作戦。
弓を張り(狙撃手による待ち役を配置しての包囲網を張ること)、ふじを山へ放ちます。
嬉しそうに駆け回るふじ。
「さ、まずは尾根を越えて隣の谷へ向かおう」
尾根向こうのイノシシの寝屋を攻めるために、ふじと共に山を登ります。

高い位置からイノシシの寝屋へ向かおうとすると、ふじがスルスルとさらに上方へ登って行きます。
「ん?鹿でもいたのか」
と思っていると、
ギャンギャンという野太い吠え声が山中に響き渡ります。
「待ちの外側でイノシシが寝ていたな。立てている(啼き止めている)から急がないと…」
ゼイゼイと息を切らせて登って行く途中で、藪中の枯れ竹をバキバキと踏み折って遠ざかる音。
再度ふじがイノシシを立てないかと、気取られないように待機。
しかし振り切られたようで、ふじが帰って来ました。
「姿は見えなかったけどかなりの重量感だったなぁ。残念!!」
次は包囲網を張っている本命ポイント。
「大きなイノシシが近くに寝ていたし、鹿が出て何発か発砲していたし、山の中の異変を感じてもう逃げちゃったかもしれないな…」
しかし再度ふじとの距離が伸びたと思ったら
ギャンギャンと啼き止めています。
「うお!ホントにいたっ」
銃身の薬室にスラッグ弾を装填し、啼き声方向へと急ぎます。
山間に響くふじの立て吠え。
ゼイゼイと思いっきり呼吸をしたいところですが、精いっぱい息を殺し啼き声方向へ接近。
「ふじが見えた。しかし場所が悪くて肝心のイノシシが見えない」
吠え立てる藪の中が何度も揺れ、イノシシとふじが交戦状態であることが分かります。
「少しでもイノシシが見えたら撃っちゃる!!」
場所取りが悪かったので、ジワジワと位置を変えながら距離を詰めます。
いつでも撃てる態勢でしたが、イノシシの姿が見えずにしばらく続く膠着状態。
流れ落ちる汗の音ですら気取られそうな気がして気配を殺します。
やがてスッとイノシシの気配が消えると、待ちの方向から何発もの銃声が鳴り響きます。
40kgほどのイノシシが2頭出ますが、撃ち獲ったのは1頭のみ。

よく脂の乗った産まずのメス。
1頭でも獲れたので、久しぶりに出猟したふじの為にも良かったかな。

それにしても久しぶりにふじと出猟したけれど、ふじは自分の役割や待ち役の位置取りをよく理解している事が再確認できました。
そして常にこちらの動向を意識し、私の指先の動き一つでハンドリングできたことは楽しかったですね。
なによりふじの表情が豊かで、獲物を獲った時に「やった!」という感じで自慢げな笑顔を見せてくれたことが嬉しかったです♪
うん、良い働きだった。
まだまだずっと現役でいてね、ふじ!
今日も自然の恵みに感謝です。
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なんか胸一杯です。