「お!こんなところに丸々としたアナグマが転がっているぞ」
「朝はなかったんじゃない?」
「立派な大きさだなぁ」
「え!?どこどこ?」
時間はちょうど正午。
猟を終え解体作業場に向かう途中、そんな無線交信が飛び交います。
ちらりと外気温計を見る私。
「10℃。朝方は結構冷え込んだし山は寒かった。それに曇って陽も差していない…。一応見るだけ見てみるか」
現場に到着。

「おお、本当に立派な大きさだ。パッと見た感じでは、損傷が非常に少ない…」
車を降りて実況見分。
「きれいなもんだ。撥ね飛ばされただけで潰されているわけではないな。ふむふむ、すでに死後硬直しているけれど腹腔にガスが溜まって膨らんでもいない…」
「(久しぶりにロードキルアニマルとして)
合格っ!!」ポイッと軽トラの荷台に積み込み、何食わぬ顔で発進。
「今日の山の神様祭りの食材拾ってきたよ~」
と、皆に連絡。
「ええぇ~!病気とか寄生虫で死んだんじゃないの?」
「新型コロナ以上の未知のウイルスに侵されてるとか」
「毒エサを食べて、フラフラと彷徨った挙句にそこで死んだ可能性もあるよ」
「なにも道路に落ちている動物まで拾ってこなくても…」
ワイワイガヤガヤと様々な意見で一気に賑やかに(笑)。
拾って来た者の責任で私が解体・精肉。
「骨盤が割れているけど他に大きな損傷は無いし消化器官も無傷。肺に血液が溜まっているから、死因は肺の破裂だろうな」
一部を精肉してみますが、脂ものっているし肉の状態も問題なし。

「今日は美味い焼き肉が食べられますよ♪」
そして山の神様祭り。
肉を焼くと脂身から盛大な煙が上がります。
「さ、焼けましたよ!」
しかしなかなか箸は進まないようで、拾って来た者の責任で私が毒見役で最初の一切れを食べます。
「うん、美味い! 全然問題ありません♪」
と言って皆さんに勧めても、「キミが食べた体調に変化がないか観察して食べるよ」という人もボチボチ。
「いや、ウソじゃなく本当に美味しいですよ♪」
まあでも、山の神様祭りは色々な話で盛り上がりました。
精肉したお肉の一部を持ち帰り、その日の晩ご飯はアナグマうどんすき焼き。

いや~、美味かった♪

今日も自然の恵みに感謝です。
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私も年に1~2回ほどアナグマを拾います。車に轢かれたばかりで生温かい物もいますね!
今の時期の脂は赤身の三分の二以上ありますね😃すき焼きは絶品の味です!
冷凍庫にあるのを思い出しました❗️
明日は、アナグマのすき焼きにしょ~う!
(^ω^)
そしてkotaroさんや、坪ちゃんさんも、同じ穴の狢なんだと。
確かに坪ちゃんさんの言われるとおりだと思います。
「これでなくっちゃ!」って記事です。
私は猟師はスゴイと思いますが、コワイです(^O^)/
それだけ状態が良かったら、私も拾ってしまうかも…(笑)
アナグマにしては程良い脂肪。
こんな個体をいつの日かゲットしたいです。
初めて見た時はムーミンかと思いました(実話)。
でも丸い身体が幸いしてか、状態の良いものが多いですよね♪
この日もすき焼き堪能しましたよ。
原点回帰して初心を忘れないように頑張りたいと思います!!
無線でも実際に「おとろしいね~、肉を拾ってくるなんて」という話が飛び交いました。
でも「ゴミ収集車に回収されるよりはましだと思ったのです」と、適当なそれらしいウソをついてみたりして…。
イノシシも鹿も少なかったですし、四つ足(哺乳類)は超が付くほど貴重品でした。
今では自宅の裏庭に出るくらいで、ありがたみも無いのですが美味しかったです(笑)♪
真冬でもウロウロしているのを見かけます。
脂身が多過ぎるのも困りものですが、脂身の付いた個体の方が肉の旨味も良い感じです♪
アナグマは道端に転がっているのを見たことがありますがさすがに持ち帰れませんでした(^^;
アナグマはかなり美味しい野生獣です。
一昔前は個体数が少なくて「幻の獲物」でした。
今はかなり数が増えていますよ。
さ、$有銭$さんも一歩勇気を出してっ!!
美味しいロードキルアニマルたちの世界が広がっていますよ~(笑)。