「あ、いかん。一羽半矢で流れた」
流れたというのは、飛ぶ鳥に撃った弾があたって落ちるのは確認できたけれど、片羽根で飛び続け遠くに落ちてしまうことです。
地面に落ちた後も這い進んで逃げるので、こうなってしまっては猟犬がいないとほとんど見つけることはできません。
(特に足の強いキジは猛スピードで逃げる)
また、川で撃った半矢の鴨も流れに乗って潜り下るので、人力だけでは殆ど回収不能です。

(これは川で逃げた半矢のカルガモをレオが回収した時のもの)
まずは池に落とした鴨の回収をして、半矢で流れていった方向へ向かいます。
そこには丁度農作業をされているお爺さんがいて、「田んぼのあの角辺りに落ちたよ」と親切に教えていただきました。
鹿避けのフェンスを張っていたので、許可を得てレオと共に捜索。

どうやら田んぼの間の側溝に逃げ込んだ感じ。
しかしレオの様子が変!
いつもならパクっと半矢の鴨を咥えてくるのですが、
「ワンワンっ!ワンっ!!」と大きな啼き声。

側溝に茂った茅藪の周囲を啼きながらグルグルとラウンド。
「なんだ?半矢の鴨にしてはこの反応は明らかに変だぞ…」
猟犬によっては半矢の鳥が暴れたり、嘴で突かれて警戒することもあるのですが、もうそんなビギナー犬ではありません。

そしてレオが一目散に追い啼きを上げて駆け出したかと思うと、その先にはモコモコとした物体が走って逃げています。
どう見ても鴨ではありません。
「なんじゃあ? 生きている実物を見たことないけどヌートリアが側溝に潜んでいたのか?」
しかし横を向いたときにその生き物がイノシシの子供だという事が分かります。

「ようやく縞が消えたくらいだな。毛がフワフワの子供イノシシだ…」
レオがイノシシを獲物と認定すると困るので、まず車に戻ってレオをゲージに収納。
(ここで撃ったりすると「これは自分が追いかける獲物なんだ」と誤った認識をしてしまい、鳥猟犬のケガの原因になる)
しばらく鹿避けネットの外から様子を観察します。
「それにしても一体どこから入ってきたのだろう? 排水溝を通って外部から来たのか?」
いずれにせよ、獲るほどの獲物ではないし写真を何枚か撮影して終了。
ここは有害鳥獣駆除をしている場所でもないし、この日は趣味のハンティングとしてフィールドに出ていたので、子供イノシシを獲るのはあまり気が進むものではなかったのです。
すると先ほどのお爺さんが来られて
「3日ほど前、フェンスを閉め忘れて夜中に入ってきたんだ。出ていかなくて困っている…。畑の苗が荒らされるし、何とかしてくれないか?」
とのこと。
先ほど鴨の落ちた場所も教えていただいたし、田んぼに入る事も快く許可していただいたし、ハンターの出来る社会貢献という意味でも一肌脱ぐことに。
命をいただいたからには粗末にせず有難くいただきました。
今日も自然の恵みに感謝です。
↓狩猟って色々なことが起こるな!!と思った方はクリックプリーズ(笑)♪
にほんブログ村
にほんブログ村狩猟の魅力まるわかりフォーラム
- 関連記事
-
スポンサーサイト
農家の方との連携で新たなる猟法の確立が・・・<(_ _)>
面白いパターンです。
でも、仕方がないですよね。
色々あるけど頑張りましょうね!!
いつも見慣れたイノシシでした…。
このまま放置も出来ずに、まあしょうがないですよね…。
ケッコーデカいから( ゚Д゚)アラビックリ!!
猪も見事に仕留められたんですね(・∀・)
駆除した個体をいただいて食べたことがあるのですが、とても美味しかったですよ♪
尻尾と出っ歯が「完全にネズミ」という感じでしたが…(笑)。