この記事の内容についてはあくまでも私一個人の見解であり、当然ながらその他様々な意見があることをご了承ください。
地域の猟法や個人のポリシーもあり、それらがすべて尊重されるものであるからです。
また、記事には私の親父が作成したナイフが出てきますが、高齢のため現在は作成が出来ないことをご了承ください。「イノシシ猟でどんなナイフを使うのか?」と、割とよく聞かれます。
私の場合はこの二本です。

どちらも親父作成のもの。
鋼材は共にATS34。
大型ナイフと小型ナイフを携行します。
大きなナイフは主に倒した獲物の血抜きや止め刺し用、待ちに着くときに邪魔な枝を払ったりする鉈代わりとしても使用します。
そして半矢の獲物に猟犬が絡んで銃が使えない時など、特殊な条件での止め刺し用として使用。
小さなナイフは子イノシシを猟犬が咥えた時(大きなナイフだとブレードが犬に触れそうになる)や、ちょっとした細工用など万能的に使用。
大型ナイフは自作のサスペンダーに装備、写真では見えませんが小型ナイフは腰のベルトに通しています。

長く重量のある大型ナイフは、高い位置に取り付けると重さも長さも気になりにくいです。
両方のナイフ共にフルタングと呼ばれる、グリップの先まで鋼材が入った構造のものになっています。

小型ナイフはこんな感じで鋼材が見えています。

重さはありますが、非常時に石で叩いてナイフをタガネ代わりに使ったり最もハードに使える構造です。
実際にそういった使い方をしたのは、山奥のかなり高い場所で大物イノシシを倒した時に、どうやっても動かずに現場で腹出しをして骨盤を割った時くらいです。
手にするとこんな感じ。

ブレードの長さなんかは記載しませんが、私はかなり手が大きい方だと思います。

大型ナイフはブレードとグリップの間に「ヒルト」と呼ばれる日本刀の鍔にあたるパーツがあり、ナイフを刺して血が噴き出た場合に指が刃先のある前方に滑ってケガをしないために必要なものです。
そしてこのナイフには「サブヒルト」と呼ばれる人差し指を掛けるパーツがあり、握った時に安定感があります。
更にサブヒルトの重要な役目として、血が付着した場合などでもナイフを容易に引き抜くことができるのです。
このことは先輩の猟師から
「いいか、ナイフを使う時は刺すことよりも抜くことを考えて使え。
半矢の大物イノシシにナイフを刺したのはいいが、その瞬間に血が吹き出した上にイノシシに走られてナイフから手が離れたことがある。獲物にナイフが刺さったまま丸腰になってなあ。ただでさえ銃が使えないから怖い思いをしてナイフを使うのに、それさえも無くなったら呆然とするしかない。本当に泣きたくなったよ」
という話を聞いて、サブヒルトのありがたみを実感したことがあります。
まあそんな話を聞いて、結果としてビビリの私は二本のナイフを携行するようにしています。
いずれにせよナイフで鋭い牙を持ったイノシシを刺し止めるという事は本当に危険が伴いますし、最後の最後の手段であって全くお勧めできません。
倒したイノシシが少しでも動いていたら、(銃が撃てる条件であれば)迷わず頭蓋に止め矢を撃つことが鉄則であること強く念押ししておきます。
明日から大物猟が解禁。
今年もケガなく事故なく、安全第一で狩猟を楽しみたいと思います。
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手入れも素晴らしい。
柄は鹿でしょうか?
刃の部分は元は何から作られたのでしょうか?
装備しているナイフから、その猟師の真剣味が伝わってきますよね。
また長い猟期が始まりますが、お互いに安全第一で頑張りましょう!
ATS34鋼材。調べましたが日立金属が特許を持つナイフにもってこいのバランスの鋼材と書かれてました。それだけオヤジさんが如何に実用的なナイフを作ってたかが判る気がします。
見た目だけ美しいモノではなく実力がある美って感じですね。
あぁ、博多美人を例える『ごりょんさん』見たいかもw
『ごりょんさん』は有能な夫はたてるけどツマラン夫は即三行半・・・
まぁ、冗談(多分冗談w)はさて置き、怪我無く猟期をこなして下さい^^
でも使わなくてもお父さんのナイフは欲しいと思う逸品だと 思います
まだ、腰痛が治り切っていないので先の話だったのですが、家内も狩猟をすることに反対はありませんでした(身内でスッポンとか取る人がいたようです)。義父の住む地域ではイノシシが出没するようになり、孫の為にと収穫せずにおいた野菜を猪にやられた、と落ち込んでいたのが印象的でした。
そうですか、お父様のナイフはもう手に入らないのですね、寂しいです。
僕は罠のみ時代にトヨクニの尺剣鉈、銃猟に携わってからは色気出してランドールM5とファルクニーベンA1です
ウエストポーチに弾帯付けてるのでポーチのポケットに折りたたみ式の小型ナイフと許可証諸々いれてます。ランドールは軽くて薄くて良いのですが、バシバシ使うのを躊躇うので重いけどA1ですね(笑)
俺なんかは安物のバックの薄くてしなる骨スキナイフしか持ち歩きません
他にノコギリ持ち歩きますが
そのナイフ1本で皮剥ぎから分解までしちゃいます
イノシシにナイフで止め刺しなんて・・・・怖くてワタクシには絶対無理です
クマとナイフで戦うなんて・・・考えた事もないし
実際、見た目、クマよりイノシシの方が怖い顔してます
動き早いし~~~
ブレードの鋼材は「ATS34」というナイフ専用の鋼材を使用しています。
えへへ、実用ナイフなので手入れはある程度「適当」かもしれません。
これは実用で使って初めて分かることなのだと実感しています。
早くもくたびれていますが(笑)、今年も互いに安全第一で頑張りましょうね!!
今年も安全第一で頑張りたいと思います。
ATS34が現在は終売になったようなので、本当に凄くガッカリしています。
出来ればこんな大きなナイフは持ちたくないのですが、時には命を守るために必要なことが何度かありました。
無理はしたくないですね。
私は「職人の仕事」が好きです。
量産することも大切なことだと思いますが、こだわった仕事が好きです。
身内ながらそんなナイフを使えて幸せだと思っています。
サブヒルト、実はそういう役目があったのです。
私も実際に使ってみて重要性が分かりました。
血が吹き出すとヌルヌルに滑るのです。
人差し指を穴に通して使うナイフもありますが、逆に抜けなくなって危険な時もあるので、私の使い方にはこの形が良いのかなと思います。
クマと対峙したことはありませんが、しなやかさと力強さの同居した筋肉だと感じます。
私も熊相手になんてとても無理です…。
どうぞお気をつけて♪