「こっちに続いているな…」
雨が降った直後だったので、水滴で滲んだ鹿の血痕を苦労しながらトレース。

蹄で蹴って荒れた地面と、点々と落ちる血を探して鹿の逃げた方向を追います。
「結構な出血量で、もうそろそろ息絶えていてもおかしくないくらいだぞ。なんとか回収したい…」
この鹿はゲスト参加したハンターさんが撃った鹿だったし、何よりも半矢(手傷を追わせた状態)で回収できないことが忍びなかったからです。
しかし小さな尾根を2つほど越えた頃、落とす血も無くなったのか、血痕がどうしても見つからずに追跡を断念。
2ラウンド目は我が家のワンコ達の出番。
「ふう、気持ち切り替えよう」
孟宗竹の枯竹を乗り越えながら進みますが、筍を食べた痕跡があちこちにあり、イノシシの気配濃厚。

「そろそろイノシシを出すんじゃないか?」
なんて思っていた所へ、先輩ハンターさんから連絡。
「おぉ~い、子犬達が車に戻ってきているぞ」
あれ?どおりでさっきからモリとカヤの姿が見えないと思ってたんだ。
「1ラウンド目が長かったから喉が乾いて戻ったんでしょう。そこに小川があったから、水飲んだらすぐに戻って来ると思います」
「了~解!」
そしてふじが啼き、竹林を抜けた葛藪の中からイノシシを起こします。
葛とセイタカアワダチソウと野バラの中をガサガサと走る音。
私はといえば、野バラの棘と葛カズラに行く手を遮られ、まともに近づけずにイノシシには逃げられてしまいました。
やがてモリとカヤも合流。
3頭で広範囲に捜索を続けますが、待ち(包囲網を張る狙撃手)に近付いて終了。
「もう待ちの人の前まで来たんで弓を解いてください。脱砲確認お願いします!」
脱砲確認の連絡を行って、弓(包囲網)を解いてもらいます。(←基礎的なことですがこれは大切)
残念!
車に戻ってワンコ達を車に載せる準備をします。
が、ふじの様子が変。

耳がピンと立ち臨戦態勢!
ああ、そこの上に待ちの人がいるからガサゴソ音がしているんだろうな。

「ふじ、それは人が山から降りてきているんだ。行かなくていい」
と呼び戻しをかけてリードに繋いで車に載せます。
渋々と機嫌悪そうに車に乗り込むふじ。
「せっかくふじがイノシシ追い出してくれたけど仕留める事ができなくてゴメンゴメン」
山の中から最後の待ちの人が降りてくるのを待っていると、驚いたような声で連絡が入ります。
「うわっ!こんなところに大きなイノシシが寝てた!! 藪の中から走って行った!!」そしてその場所は車を停めていた場所のすぐ前の藪。
そう、先ほどふじが飛び込もうとしていた藪です。
「あちゃ~、まさかこんな所に寝てるとは思いもしなかった。ふじを信じてやるべきだった。
それに最初、モリとカヤは水を飲みに車に戻ったんじゃなくて、イノシシの匂いがあったから車に戻って来ていたんだ…。
匂いが強すぎて、怖くて藪の中に入れなかったんだな…。モリとカヤのことももっと信じてやるべきだった。」
もう本当に大失敗!!結局この日は1ラウンド目に獲った40kg弱のオスイノシシが1頭のみ。

上手く歯車が噛み合えば、もう2~3頭は獲れていた感じでしたが残念!
まあそれでもボウズじゃなかったから良しとしましょう。
今日も自然の恵みに感謝です。
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えらいねえ(ノ_<。)
親子3頭で心強い相棒に・・・この先も楽しみですね♪
(^_^;)
開始5分で獲れてたかも〜。
ふじに対しても…。
本当に心強くて、山へ行くのが楽しみですね~♪
舐められたものです…。
本当に私がもっとワンコさん達を信じてあげていれば、1分で終わっていましたね。
精進します!
怪我が無かったので良し、次獲れますよ。
雪の地方だと、人が通り抜けた直後、姿を隠してたやつが、音を立てずに、俺たちの足跡を逆戻り~~
2人で50m離れて歩いてりゃ獲れたのに~~なんてのがしょっちゅうです(笑)
ワンコの能力と自分の経験や感覚と、どちらを優先するかというのが、狩猟の難しいところのような気がしました。
そしてここで見てる限りでは、そんな迷いの無いワンコの方が、一枚上手な感じですね(^^;)ゴメンナサイ…
少しずつ野生動物の怖さを学んでいって欲しいと思います。
いつも野生動物との知恵比べですね♪
あ、おめでとうございます(^^)♪
今はまだ、野生動物とワンコ達の生命力の勝負に人間がほんの少しだけお手伝いをしている感じですね。
これが「犬と人間の能力が対等」くらいになったら「名犬と名猟師」と言われるようになるのでしょうが、道は程遠いです(汗)!!