「皆さん、箱に入れて携行している弾は弾帯に装着して、ありったけの弾をすぐ使えるようにして待場についてください。
そして弾を撃ち終わってもすぐに次弾の装填をお願いしま~す」
今回は大きな山を競るので、鹿の群れが出た場合はたくさん弾を撃つことになるので事前確認して山へと入ります。
待ち(射撃手)の人数が少ないため、山頂から片面は私がすべて担当。
猟犬がイノシシを立てた(啼き止めること)場合、山頂から山裾まで走り回ることになります。
まずは尾根を目指し山の中を進みますが、地面がかなりイノシシに掘り返されています。
「シシが稼いでいる(エサを食べている)。イノシシが出るかもしれないから気を付けてください」
とメンバーの方に伝えます。
尾根筋の待場はこんな感じ。

たくさんのけもの道が交差する場所です。
まずは入念に足場慣らし。

自分の立ち位置を決め、落ち葉を払いのけて枯葉の音が出ないようにします。
鹿やイノシシなどの野生動物が逃走する際には、頻繁に耳を動かして周囲の状況を確認している様子が見られます。
逆にハンター側は、動物の枝や枯葉を踏む音を頼りに気配を察することも多いので、この作業はとても大切です。
勢子役が猟犬を放つと、すぐに下の待場から発砲音!
「猟犬を放ったことに気付いて鹿が早立ちしてるな…」
カサッ…。わずかに枯葉の音。
小さめの鹿が進んで来ています。
その後ろにも何頭かいる感じ。
ドカッ!「よし、中った! 次!!」
小鹿、メス、メス、メス、オス、オス、メス、オス…
ゾロゾロと出て来て目移りしますが、撃ちやすい場所の大きめのオスに照準を合わせます。
その時驚くようなことが起こり、一瞬ギョッとして注意を奪われます。
確かに倒した小鹿が立ち上がってこちらに向かって走ってきたのです。
「どうする!?小さな鹿だからこちらにぶつかるようなことがあっても危険はない。だけど犬が付いていないから半矢で走られると逃げられるぞ…」
止め矢を撃つか一瞬躊躇しましたが、近付く小鹿が確かに致命傷を負っていることを目視確認。
再度鹿の群れに狙いを付け直して残弾2発を発射。
近付いてきた小鹿は、近くまで来て再度下へと走っていきました。
すぐに弾を充填し、獲物が来ないことを確かめてから状況確認。
最初の小鹿はやはり致命傷を負っていて、近くに倒れていました。

もう1頭半矢で僅かに血を引いていましたが、100メートルも付けて行くと出血が確認できなくなりました。
「こっちは致命傷じゃないな。犬がいないと無理か…」
再度待場に戻って待機。
下の通しを5~6頭の鹿が通過。

「バックストップOK! しかし距離が50メートル以上。中る気がせんけど撃たなきゃはじまらん!!」
ドガドガッと2発発射しますがハズレ。
残念!
再度待場に付いていると遠くから銃声。
犬の追い啼きがわずかに聞こえ、それが山裾で止まります。
「こちら側の山裾でイノシシを立てたなっ!!」
動くことをメンバーに伝え、ダッシュで山を駆け下ります。
半分ほど降りたヒノキ林まで来ると
「バキ!」と枯れ枝が折れる音。
「ん?なんだ!? 確かに音がした…」
と思っていると谷向こうに大きなイノシシ出現!!

急いで銃に弾を装填し安全装置解除。
銃を構え照星越しにイノシシを見ると、全くこちらには気付いていない感じ。
「よし、そのままこっち(赤線)に降りて来い…。降りてきたら可能な限り引き付けて撃っちゃる!」
「楽に100kgは超えているな。体格も良いけどよく太っている。
本当に谷越しに地響きが聞こえてくるようだ…。
それに猟犬を振り切って来たからもうバテバテで肩で息をしているな…。
これ以上斜面を上がるのはきついはずだ。さあ、下に降りて来い…」
照星越しにそんなことを考えます。
しかしイノシシは降りずにそのまま斜面を上っていきます(ピンク色の線)。
「ダメか…。これ以上は遠ざかるだけだ」
射線を確保し、しっかりと狙いをつけて2発発射。
中らず!
結局このイノシシには逃げられてしまいました。
超残念!!
私だけでスラッグ弾を7発撃ち、メンバーの皆で14発撃ちました。

(薬莢の匂いに興味津々の左カヤさん、右モリさん)
獲物は小さな鹿が1頭のみ。
贅沢言っちゃいけないけれど、獲物の数と発砲数を考えたら残念な結果だなぁ。
特に最後の大きなイノシシは本当に残念…(涙)。
今日も自然の恵みに感謝です。
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本当に夢に出てきましたよ(笑)♪