私のブログのプロフィールは以下の通りです。
幼少時より食い意地の張った子供で、今でも野生の動植物を見る時には「美味いか不味いか?」が大きな判断基準を占める。それは狩猟を始めた今でも変わっていませんし、狩猟を始めてその傾向に拍車がかかっていると言ってもいいでしょう(笑)。
しかし苦手な分野というのは誰にでもあるのでしょうが、私もほとんど未知の世界があります。
それは「昆虫食」です。
国際連合食糧農業機関(FAO)では食糧難を救う貴重な資源として昆虫食を推奨したりしていますが、今まで食べる機会がほとんどありませんでした。
しかしそんな私ですが、とある方からこんなものをいただきました~!!

イナゴとカイコとザザムシです。
イナゴは草原にいるバッタの一種。
カイコは絹糸をとった後のカイコガの蛹。
ザザムシは清流の石の下に住むヒゲナガカワトビゲラ。
昆虫食文化のある長野県なんかではどれもメジャーな食材です。
いやぁ~、一度食べてみたかったんですよね。
なぜなら私の生まれ育った場所や、今住んでいる場所は昆虫食の文化が全くと言っていいほど無かったからです。
これはもう単純に「海が近くにあるかないか」ということに尽きると思います。
戦後の食糧難の時代に少年時代を過ごし、何でも食べてきた親父に聞いても
「テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)くらいは食べた経験があるけど他はないな。少し遠出して海に行けば貝はたくさん獲れたし、近所の池でもライギョやフナやコイや食用ガエルなんかは子供でも獲れていたから、そんなにタンパク質に困ったという訳ではない。
ただ米は無かったなぁ。毎日毎日サツマイモか小麦粉を練って茹でたすいとんか、稗や粟や麦に少量の米を混ぜたものが主食だった。だから今でもそれらは食べたくない。
親父(私の祖父)に初めて闇市に連れて行ってもらって、銀シャリ(白米100%)の握り飯を食べた時は、この世にこんな美味いものがあるのか!と感動した」
とのこと。
少し日本の飢饉(死者が出るような食糧危機)のことを調べてみました。
四方を海で囲まれた日本では、飢饉が起こると内陸部の人間は挙って海岸に押し寄せて食料を求めたというけれど、海が遠く離れているような場所だったら・・・。
そんな場所では必要に迫られ、タンパク質摂取のために昆虫食が発達したのは想像に難くありません。
初めてのイナゴとカイコとザザムシにドキドキしながら少し小皿に取り分けます。

「おお、本当に虫だ…」
なんか造形美というか、白い皿に並んだそのフォルムに感動♪
まずはイナゴ。

これは普通に見慣れたバッタの形状ですし、「たぶん食べても美味いだろう」と直感的に感じました。
実際に食べても小エビの佃煮のような味です。
続いてザザムシ。

大学時代はずいぶん渓流釣りにのめり込んでいたので、ザザムシの生きた姿は良く知っています。
「う~ん、あの当時は釣り餌としての認識しかなかったけれど、食べる日が来るとは・・・」
結構苦手なイモムシチックなザザムシを口の中に放り込んでみます。
「モグモグ。これは少し磯の香りがする…。何だろう、何かに似ているけれど」
思い出せないまま食べ続けます。
「あ!これは磯にいるビナ貝のはらわたの味だ!! 味が濃くて磯の香りがする所なんか雰囲気が似てる」
見た目の偏見さえ捨てればとても美味しかったです♪
そして最後がカイコのサナギ。

「いやぁ~、これははっきり言って抵抗あるなぁ…。」
まず見た目が羽を毟ったゴキブリのようだし、イモムシ感もかなり強烈。
少年時代に鯉釣りに瓶詰めのカイコのサナギを使ったりしていたけれど、その当時から針に付けるのさえ苦手だったんだよね~。
粉末にしたサナギ粉は強烈な匂いで食べ物とは程遠い感じだったし…。
だけど調べてみると、昔の養蚕工場で働く女工さんが片っ端から食べてしまうので、配給制にしたのだとか。
「うら若き女性工員さんが争って食べるくらいだ…」と思い、3個ほどまとめて口に放り込んでみます。
モグモグ…。
「あ、ほんの少しサナギ粉の香りがするけれど、これは歯応えが良い! イナゴもザザムシもシャリシャリとした外骨格が口に残る感じだったけど、カイコはジューシーでしっかりと肉感があって栄養になりそうだ♪」
なんだかんだと言いながらどれも美味しくいただきました。
これらをいただいた方から教えてもらいました。
「少数ですがまだ長野県の一部では夕方になると酒のツマミを求めてザザムシ獲りに川に入るご老人がいるんですよ」
一仕事済んで夕方になると酒のツマミをほんのちょっぴり川からいただく生活かぁ。
いいなぁ。
「しかしほんの数十年か数百年前には日本にも死者が出るほどの食糧難の時代が何度もあり、昆虫食によって助かった命や繋がった命があったんだよなぁ。
そんな人たちにはこの飽食の時代がどう映るんだろう?」
美しい山と川とザザムシを獲るおじいさんの姿を想像しながら、虫たちをつまんでお酒を飲み、心地良く酔っぱらってそんなことを思ったのでした。
貴重なものをありがとうございました。
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じゃんさんは初めてと知って、逆に私も勉強になりましたw
子供の頃は、稲刈り間近の田んぼに入り、競い合って獲ったものです。
後ろ足や羽根を取ってサッと湯がいたイナゴを一升瓶に詰めて
売っていたりもしましたよ。
それぞれの家庭で佃煮にして食べるために。
今はもう貴重な食材になってしまいましたけれどね。
まだ幼かったころには、家で養蚕もやっていまして
夜になると、蚕が葉っぱを食べる音が凄かった
そして、糸を取るのもやっていましたから
残った蛹は・・・池の鯉の餌だった
ざざ虫はたぶんこちらでは「ガイムシ」って言って
これも釣の餌でしたね~
イナゴは食べなかったな~
そのかわり、地蜂(へぼ)は今でも食べますよ~ご馳走です!!
こちらではほとんど食べる習慣が無いんですよね。
しかし偏見さえ捨てればとても美味しいものだと思いました。
私も産まれた場所が違えば一生懸命昆虫採集をしていたのでしょうね~♪
私もそのイメージしかありません。。。
でもカイコの食べる音が聞こえるって想像したら怖いですね!
地蜂は我が家の庭に小さな巣を作っています。今度食べてみようかな~♪
お体の具合はいかがですか?
ゴ、ゴキブリ…。私にとって毛虫よりは抵抗が無いと思いますが躊躇いますね(笑)。
機会があればチャレンジしたいと思います。
(でもブログを読んでいる皆さん、わざわざ送っていただかなくて結構ですから。笑)