今日の待ちはこんな感じ。

巻狩りの包囲網は待ち(射手)が獲物の逃走経路を待ち伏せるように線状に配置するのが原則ですが、この日は変則的な配置に布陣します。
というのも何度かどこからともなく獲物に逃げられて失敗していたからです。
次に繋がるように逃走経路を確認しますが、いつもはっきりせず。
「なぜ?どこから逃げたんだ!?」
そこで今回は後方に待機するメンバーの方に対して、私がずっと前方に張り出した地点に待場を構えます。
獲物の寝屋のすぐ側なので少しの物音も立てないように密やかに慎重に接近・・・。
比較的耳も足も良い私がその場所に待機した理由は、いわば斥候(見張り兼情報伝達役)。
寝屋から飛び出した獲物の情報を、状況によって自分も撃てるよう待機しつつ後方の待ち(射手)に伝える役割です。
勢子役が猟犬を放して巻き狩り開始!
「ここは小さな山だ。獲物がいたらすぐに出るはず」
気配を殺してジッと待ちますが獲物は出ず。
猟犬が近くまで来たので勢子役にそのことを伝え、勢子役は入り跡(犬を入れた場所)に引き返します。
「空山(獲物がいない山)だったか・・・」
いつも攻めている小さな山だったので、競り返しても獲物が出る確率は低く、半ば諦めムードで待機し続けます。
「足跡も新しかった。孟宗竹のタケノコを食べた稼ぎ(食べ物を食べた痕跡)もあった。どこからか逃げ出した足跡を拾えなかったのかもしれない」
そんな事を考えていると
「出たよ!啼いた!!待ちに向かっているからみんな気を付けてっ!!」
勢子役からの連絡。
いつもは寝ていない場所に寝ていたようです。
一気に高まる緊張感。
そして近付く犬の啼き声。
「来るぞ・・・」
安全装置解除。
銃を構えて音のする方向に照準を合わせます。
しかし普通なら枯れ竹や枝を踏み折るバキバキという音が聞こえるはずなのに、途中でフッと音が聞こえなくなります。
「獲物が進路を変えて引き返した!?いや猟犬の追い鳴きは続いている。集中しろ・・・」
ジャブジャブジャブ・・・。水の中を進む音。

(左下に川がある)
「川だっ!川の中を逃げてるよ!!」ドゴーンッ!直後に一発の銃声。
他のメンバーの方と事前に作戦会議をして、私が合図をしたら待機場所を移動して川を進む獲物を待ち受けられるように示し合わせていたのです。
60kgのよく太ったメスイノシシ。

「ふう、上手くいった。だけど敵ながら大したものだ」
自分の身が隠せ、逃げても物音がしない川中を逃走経路に選んでいた老獪な相手。
いつもやられていましたが、今回は人間側の知恵が上回りました。
今日も自然の恵みに感謝です。
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やつら、雪の上より走りやすい事をしっかり分かってますね~
でもkuma仙人さん達の捕獲数は凄すぎます!!
ある意味地獄ですね(笑)。
頑張ってくださいね♪