とある日の朝、勤める会社の一番偉い人が私のデスクにやって来てこう言われました。
「キミに特命を発動する!総務部との兼務を命ずる」「へ!?どういうことですか?」
私は今、社内で製品の安心安全を司るような部署にいるのですが、それが何ゆえ総務部!?
でも何となくは分かっていたんですよね。
理由はこれです。

例年の事なんですが、構内にイノシシが出没して芝生や植え込みを掘り繰り返して行くのです。
出勤するたびに
「ああ、また新しい稼ぎ(掘り返した痕跡)が出来ているなぁ・・・」
なんて片目でチラチラと眺めてきました。
人目のなくなった時間帯を見計らって少し足跡を探してみます。
「最初は40kgくらいの1頭だけだったのに、50kgくらいの別の個体が出てきている・・・」

(これは植え込みのツツジを掘り返したところ)
どうやら毎日出てきているようで、出勤するたびに稼ぎが増えているのが分かります。
しかもまだ他の人は気付いていないけれど、だんだん大胆になって来て道路に面する敷地の法面まで掘り起こしだしているので「正直マズいな、雨が降ると土が流出してくるぞ」とも思っていたのです。
ここの行政地区の有害鳥獣捕獲担当者(自分の所属する猟友会とは別の場所)も知っているし、なんとかできないこともないけれど・・・。
しかし以前、総務部の若者から聞いた話。
「会社にツバメの巣があって、糞が落ちて不衛生だから撤去したんですよ。ええ、会社の業務として。そしたらそれからず~っと『ツバメ殺し』と呼ばれているんですよ・・・」
そうだよなぁ、良いことだと思うけれど、日本社会では一般的に野生鳥獣は保護すべき対象で殺す対象ではないもんな。
仮に地域担当の有害駆除の方が捕獲しても箱罠の移動や獲物の運搬なんかは手伝わなきゃいけないだろうし、猟期になって私が獲ることになったとしても、絶対にその会社で働く限りは「イノシシ殺し」と呼ばれて、色々な人から陰でヒソヒソと眉を顰められることになるんだろうなぁ~。。。
それは避けたい!!そんな考えが一瞬で頭の中を駆け巡ります。
「あ、あの~、社長。たとえ私有地であっても野生鳥獣を勝手に捕獲することは禁止されています。野生鳥獣の被害があれば法令に従って駆除許可を得ないといけません。ここは私の所属する猟友会の行政地区と違うので、担当する地区の役所に連絡して捕獲許可を出してもらう必要があります。
それにイノシシを駆除しても侵入経路を塞がない限り、次から次へと違うイノシシが侵入してきますよ。私が侵入経路を特定しますので、まずはそこを塞いで侵入防止の対策をする方が効果的だと思います」
ちょっと裏返った声で答えます。
「おお、そうだね。それは良い考えだ!でもその前に
一頭くらい捕獲して皆で猪鍋なんてやりたいと思わないかい?」
見ると社長の目は少年のようにキラキラと輝いています(笑)。
「え、ええ。それも良いかもですね(いや、だからそれは私が嫌なんです←心の声)。
しかしこの時期は山の中の栗やドングリも落ち始めている時期です。強い個体はそれらを食べて太り始めていますが、山から外れ道路沿いのこんな場所で土の中のミミズや昆虫を食べているイノシシは弾き出された弱い個体で、良い餌場に寄りつけず間違いなくガリガリに痩せていて絶対に美味しくないですよ」
「そうかぁ~」
諦められないような顔・・・。
うう、このぶんじゃ近いうちに本当に捕獲命令が出そうだなぁ。
さあ、どうなる特命社員(笑)!?
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狩猟界で沸いてる「狩猟ブーム」とやらが本当に一般社会の常識人の間でもどのくらい浸透しているのか?リサーチも兼ねてやってますが…
「鹿ゴロシ」「リアルモンハン」「ライオン」(?)等のアダ名を頂戴した上、面白半分で話しかけてくるのは一癖も二癖もある奴等、挙げ句の果てに女性陣から白い目で見られる始末…
じゃんさんも…気を付けなはれやッツ!(つД`)・゜・
狩猟界に引きづり込みましょ!
(^ω^)
まあこのぶんでは、じゃんさんがハンターなのは、みなさんご存知なようですな。
狩人が狩り出されたといと言ったところでしょうか(笑)
でも、でも時々「ねえねえ、あの人よ・・・」と眉をひそめてヒソヒソ話をされていることがあります(笑)。
これから猟期は車や衣類に一滴の血痕もつけないように心がけます♪
スゴク嫌です(笑)!!
きっと身近にイノシシがウロウロしているなんて言うことが少し嬉しいんじゃないですかね(笑)。
餌の話や個体の大きさの話なんかすると、皆さん無茶苦茶食い入るように聞き入っておられます♪
ハンターであることは、保安上の問題などから最初隠してきていましたが、最近は少しずつカミングアウトしています。
単純に銃砲の所持許可などの関係で休みを取る時に、隠すことが面倒になっただけという理由なんですが・・・(笑)。
「捕獲してもいいけど、社長含めた数人で止めてくれるなら」
という条件を出したらどうでしょう?
やってほしいけど狩猟法違反になりますよ~。。。
「イノシシゴロシ」含めてすでに色々言われていると思います(笑)。
大切なのは「単なるウワサ話」なのか「生ける伝説」なのか?
出来れば平穏に生活するために「単なるウワサ話」に留めておきたいのです・・・(笑)。
鳥獣駆除や、屠畜をみて眉をひそめる人って、お肉はどうやってできていると思っているんでしょうね?
「眉ひそめるぐらいなら一生肉食うな」って嘯いて会社でシシ鍋ふるまわれたらカッコイイだろうなぁと思う反面、やはりいろいろと難しいですよね・・・
ええ、「お肉を食べる」って実はなかなか難しい一面を含んでいます。
一昔前はたけおさんと同じように思っていましたが、簡単に動物を殺せる社会も問題あるかなぁとも思います。
まあ、最近はそんなことを含めて「日本って優しい社会だなぁ」と考えるようになってきています。
これからもよろしくお願いします。
猟期外は手出ししない方が良いですよ
白い目で見られ、後ろ指刺されてまでやることではない
田舎だと有りがたいって思われるから良いんですけどね~
最初は面白がってはやし立てたり見に来ていたりする方も、なかなか最後までは・・・。
狩猟って一般の方に理解されるのはかなり難しそうです(笑)。