白土三平著『カムイの食卓』『三平の食堂』を取り上げたので、続いてコチラ。

同じく白土三平著『野外手帳』。
まず、タイトルがとても良いと思う。
見ただけで興味をそそられるタイトルと表紙に磯遊びの道具たちの写真。
黎明期のアウトドア雑誌『BE‐PAL』に連載されていた『白土三平フィールドノート 1 土の味』『白土三平フィールドノート 2 風の味』を文庫化したもの。
(連載当時は掲載写真もフルカラーだったと思うのだけど、文庫版になってモノクロ写真になったものが多くて残念だなぁ)
少年時代に親父が買っていた『BE‐PAL』紙面で最も楽しみにしていた記事の一つで、毎月「今月は何食べているんだろう?」とドキドキしながら紙面を開いていました(笑)♪
食べたタンパク質のものだけざっと挙げてみると、ホラ貝、エソ、ゴンズイ、イナゴ、ハブ(クロアナゴ)、カクレッケ(貝)、モクズガニ、(狩猟鳥獣の)肉、ウマズラハギ、ボラ、シビレエイ、フグ、ナマダ(ウツボ)、ハコフグ、イタドリムシ、エラコ(イソメの仲間)、ホシザメ、キハチワ等々・・・。
これ以外にたくさんのキノコや植物や野外での調理方法や遊び方が載っています。
そしてやはり信念が感じられる文章が良い。
白土三平氏の綴る文からは、食べることの本質や自然と人間のかかわり方、たくさんの先達の知恵・・・、そんなことが感じられる。
【裏表紙記載】

「饅頭でもいたんでいれば中毒をおこすし、公害食品も知らないで食べているのである。散布した農薬に汚染されたシメジを食べて倒れた例もある。まして有毒とわかっていてたばこを吸い続けている我々である。
フグにだけいわれのない憎しみと恐怖心を抱くのは自然を愛する心に反するものである。自然は風景として眺めるのではなくじかにふれ、他のものの存在を確かめ、そこから学び、己の正体を知るものである」
(本文―『フグ』より)
本著の記事は1983年~1987年に書かれたものであるが、まだ同じ地にこの当時の豊かな自然や人々の風情は残っているだろうか。
「ああ、昔はこんなことして遊んでいたんだよ」なんていう人はいるだろうが、それらはおそらくもうないだろうなぁ。
残念ながらこちらも絶版です。
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俺の本棚にも同じのがある~~
白土三平さんのエッセイ面白いですよね♪
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