本が好きで、通常の人よりは本屋さんに行く回数が多いと思う私。
(まあ、超本好きの兄貴の10分の1程度しか読んでいないのですが・・・)
今はネットでクリックするだけで気軽に本が購入できる時代だけれど、それでも本屋さんで実物の本を手に取るのが好き。
紙の手触りや本の重さ、装丁、文字やイラストや写真が踊る様。
それに書棚に無数の本が並べられている様子を見るだけでもウキウキします♪
そして時にはこんなこんな出会いがあるから。

白土三平著『カムイの食卓』『三平の食堂』。
『カムイ伝』などの忍者マンガで有名な白土三平のフォトエッセイ。
小学館発行。
1998年4月1日初版。
もう20年近く前に出版された本です。
私の持っているものは初版なので、その後何刷されたかは不明。
こんな本が出るとは知らず、たまたま書店で発見。
1冊が1,600円(税別)だけど、見た瞬間に2冊共手にしていました。
たぶん帯に書かれた言葉にすっかり心を射抜かれてしまったのだと思います(笑)。
『カムイの食卓』
【表】伝説の名作『カムイ伝』の作者が房総の小さな漁村に住みつき実践してきた、半自給自足生活の記録。
【裏】・・・あれから幾年月、ただひたすらに働いたように思う。そして今、生産と消費が切断され、飢えを知らない世代が、やはり偏向的な教育環境の中で見えない未来に向かって立ち往生している。―まえがきより
『三平の食堂』
【表】野に遊び、海に遊び、胃袋で考える。「食」を通して縦横無尽に語られる「胃袋民俗学」の結晶。
【裏】現代社会は繁栄しているように見えて、その実、脆いものである。もし何らかの理由に依って流通機構が破綻するか金が兌換の効力を失った場合、まず都市は真っ先に壊滅するだろう。―【うみようじん】より

今見てもやっぱ心躍るなぁ♪
作者である白土三平氏は少年時代に第二次大戦が起こり、まさに食料不足の中で育った世代。
この2冊の中でも色々なものを食べています。
ヒザラガイ、カジカ、ウツボ、マツバ貝、タヌキ、サバフグ、うみようじん(アメフラシ)、様々なキノコたち、モクズガニのケジャン(醤油キムチ?)、イワシの魚醤の作り方なんかもエピソードと共に載っています。
白土三平氏が狩猟免許を持っていたかどうかは分からないけれど、自分の家の鶏舎に侵入してきたタヌキをとっつかまえて、リアルに解体する写真なんかも掲載されています。
「う~ん、こんな写真を掲載していると今だったらネット社会で大炎上してしまうかも・・・。
いや、たぶんそうはならないだろうな。信念を持った大人が、しっかりとした自分の言葉で書いている文章だもの・・・」
何度かの転居の度に荷物整理の為に書籍やマンガを売り払って来たけれど、私の中で「絶対に手放さない」カテゴリーの中に入って年に何度かはパラパラと開いている本の一冊です。
今は絶版になってしまったようですが、『カムイの食卓』『三平の食堂』
名著です!!↓復活を望むっ!!と思った方はクリックプリーズ(笑)♪
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当方の採集食シーンのお気に入り本は漫画ではないのですが、矢口高雄氏のエッセイ「ボクの先生は山と川」のアザミの味噌汁のシーンでしょうか(^_^)矢口氏と母上が野良仕事の合間にその辺りで採った、最高の味、料理の真髄。
この本も当方の棚を離れる事は無いですね(^ω^)
食べる場面が多いですね。
第二部で、確か(草鬼)という人物が作ってカムイに食べ
させるスッポン鍋は美味しそうでした(笑)
釣りキチ三平ももちろん大好きでした。
この時代に読んだマンガや動物記や昆虫記なんかが、今の私を作ってくれていると思います。
まあ、今の時代にそんな事言っても笑われるだけかもしれませんが・・・。
やはり稀少なのか、高くなっていましたが、なくなる前に購入したほうが良さそうですね。
私もカムイ伝が好きで、リバイバル版ですが全巻持っていました。
なので、猟犬にアカと名づけたという(^^)
フーちゃんはまさしく忍犬のイメージです!
私も捨てられずに実家に残してあります。
兄弟が半矢の鴨(?)をどこまでも追跡する・・・ひょっとしたら、ふーちゃんに負けないかも。
一升瓶の底をがしりと持ち茶碗に注ぐ、あんな男たちは少なくなったなぁ。
白土三平さんの「カムイの食卓」「三平の食堂」も面白そうですね。
私もネットで探してみようと思います。
「なんで絶版になったんだろう?」と思うくらいですが、私みたいな人間が少ないのでしょう(笑)。
アカ!納得です♪
bonkumaさんもこの本読まれていましたか。
半矢の獲物は鴨じゃなくてオシドリ(狩猟禁止)だったのですよ。
戦後すぐとは言え、長閑な時代だったのだと思います。
写真で一升瓶を握っているのは、「遠藤ケイ」氏です。
遠藤ケイ氏の著書も大好きなんですよね♪
でもあまり売れなかったのか、それとも買った人は私と同じように「手放したくない」と思ったのか品薄のようです。
両方の理由でしょうね。
名著ですね!
いつか白土さんのエッセイシリーズコンプリートしたいなぁ。
マンガも良いけど、もっとたくさんのエッセイを書いてほしいなぁ、などと勝手に思ってしまいます(笑)。