私の所属する大物猟の猟隊では、通常10人前後で巻狩りを行います。
巻狩りの方法は、早朝から獲物の足跡やカセギ(餌を食べた跡)などの痕跡を探し、獲物の潜んでいる山を突き止めて山を巻くのです。

(けもの道に着いた真新しい足跡)
猟犬を使役し獲物を追い立てる勢子役が、私を入れて1人~4人。
残りは獲物を待ち受ける待ち(射手)として包囲網を張ってもらいます。
一概にそうとばかりは言えないけれど、狙うのは逃走経路が少なく少人数で包囲網を張り巡らせ易い小さな山。
獲物の痕跡が濃い場所を小さく巻く方が包囲網を密に出来るし、場合によっては仕留めそこなった場合にも2重3重の構えを取ることが出来ます。
獲物が通って来て餌が豊富にある上に潜む寝屋があるような小さな山は、獲りやすい場所なので猟師にとって貴重な財産でもあるのです。
しかしそうは言っても広い山を少人数で待ち受けるには限界があります。
野生動物は基本的に身を晒すことを嫌うので、池や川があったり、開けた道路や田畑がある場合はそんな場所を逃げることは殆どありません。

なので逃走経路にそんな障害物となるようなものがある場合は、射手の人数も少なくて済むのでハンターに有利に働きます。
今回猟を行ったのはそんな池のある場所。
獲物の生足(夜中の内に通った真新しい足跡)もドカドカと付いているし、猟犬を放てば確実に獲物が出そう・・・。
勢子長と私の2人が勢子役として山入りします。
それぞれの猟犬を放すとすぐにウォンウォンと追い鳴き!
遠くを鹿が走る姿が見えます。
「鹿が出たよ!待ちに向かっているよっ!!」
何発かの銃声。
「どうなりました?」
「おい、鹿が2頭来たけど池を泳いで逃げたぞ・・・。遠くて中らんかった」

とのこと。
私も待ちに付いていた時に、猟犬に追われ射撃手から逃げて池や川に飛び込んで逃げたイノシシや鹿は知っていますが、いきなり池に飛び込んで逃げた獲物は初めてです。
そんな事をしていると続いて何発かの銃声。
「いきなり鹿が池の中を泳いで行った!!逃げられた」
別の方からの連絡。
なんてこったい!完全に見破られ裏をかかれましたね。
う~ん、今までの常識が全く通用しなくなっているな・・・。
やるなぁ~。
今までと同じ方法で狩猟を行っていると
「うわ、まだ山の中で待ち受けるなんていう前時代的な狩猟をしているの?新しい狩猟スタイルは水際だよ!」
なんて言われる日がそう遠くない未来に来るかもしれませんね(笑)。
でも池を泳いでいる獲物を撃ったら沈んでしまうよなぁ・・・。
はっ!
また潜って獲物を引き揚げろっていう事か!?はい、完敗です。
狩猟の魅力まるわかりフォーラムHP↑会場でパネル展示していただいています。
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要りますね!(^ω^)
あれから今でもウエットスーツは常備しています(笑)♪
比較的おおきな河を泳いで逃げる鹿がちょくちょくいますね・・・
明らかに、撃てないところを知っているような方向へ逃げますね~
追われて追われて、行き場がなくなって水の中に飛び込むというのは有りましたが、今回はいきなり水に飛び込んだので驚きました!
負けずにこちらも進化しないといけませんね♪