食べる事と、命をいただく事について考えます。 狩猟、素潜り、釣り、採集、手作り等々

雨の日の巻狩り

私の所属している大物猟のグループでは雨の日に巻狩りは行いません。
山の中が濡れて勢子は下着までびしょ濡れになるし、待っている射撃手も同じようなものだからです。

一昔前は「待っていると銃身から雨樋のように雨水が流れ落ちた」という様な状態でも巻狩りを行っていた気合の入った猟隊も多かったようですけど・・・(笑)。


さて、この日の天気予報は曇り。
朝、準備をしていても降っていなかったので問題なく猟が出来ると思い、猟場へ向けて出発すると途中で土砂降りになります。

「こりゃ~ダメだな」
ワイパーを回しながらそんな事を思いつつ一応猟場へ向かいます。

車載無線でメンバーの方々と連絡を取り、何人かはそのまま帰宅の途に就きますが、前親方の括り罠に鹿が掛かっていたので私は解体をお手伝い。
2016.03.15雨の日の巻き狩り2


そうこうしていると雨も上がり青空が広がります。
「これだったら出来るぞ!じゃんよ、せっかく犬を連れてきているから散歩程度に競ってくれ!」
「マジっすかー!?」
と思いつつも猟期もあと僅かだし、ふじも猟犬として伸び盛りなのでもっと山を引きたかったところなのでドンと来い!です。

ということで山入り(笑)。
ちなみにこの日は勢子は私一人。


再び山へ到着し、山へ入る準備をします。
泥に足を取られることを想定し、特に足回りは入念に支度を行います。
まぁ支度と言っても、足袋のマジックテープををキツメに締め、足袋とズボンの裾をいつにも増してガムテープでグルグル巻きにするくらいなものですが(笑)。

私も猟期終盤になって体も慣れ、急斜面でも無理なく登れるようになっていたのですが、さすがにこの日はスパイク付きの足袋を履いても、酷く滑って体力を消耗します。
2016.03.15雨の日の巻き狩り3

おまけに当然ながらまだ山の中は乾いていなくて、竹や細い木の幹を少しでも掴むと頭上からジャバジャバと落ちてくる水滴。
とりあえず歩きやすい尾根道まで登り、時々連絡のために戻ってくるふじと待ち(狙撃手の待つ包囲網)に向かって競り進みます。

するとスッと山裾に向かって走り降りて行くふじ。

ヴォッ、ヴォン、ヴォンッ!
「出したよっ!」

ふじは少し追い啼きを上げて走りますが、ほどなくしたら同じ場所で吠え続けています。
「立てたな(啼き止めたな)!」

急斜面が続く場所や泥地やガレ石の山、藪が茂った場所等ではスタミナ切れや逃げにくさからイノシシが足を止め、犬と交戦状態になります。
イノシシの攻撃をかわしつつ、啼いたり噛んだりの方法でその場に釘付けにしておくのがシシ猟犬の役割の一つであり、(人によって判断基準は異なりますが)この技術に長けた犬が名犬と呼ばれます。

もちろん我が家のふじは経験も浅く、本当のイノシシの怖さを知らないので、勢子である私が一刻も早く忍び寄って撃ち取らないと、イノシシの牙によってケガをする可能性大です。

急いでふじの啼き声のする方向の急斜面を下りますが、足裏のグリップを失いズルズルと滑落。
滑る土で勢いが増し、枯れ竹を折り、岩に体を打ちつけながら斜面を落ち続けます。

持っているものが実包の入った猟銃なだけに、片手で銃だけは庇いながら、残った片手と両足でなんとか木の枝や蔓草を掴んでようやく停止。

「まだふじが頑張って啼き止めている。急いで行ってやらないと」
薬室に弾を装填しふじの吠え声の方向に忍び寄りますが、近付くと共に啼き声が遠ざかります。

「ちくしょう、失敗した。滑落してバキバキと音を立ててしまって逃げられた・・・」
その後、待ち(狙撃手)の手薄な場所を3頭のイノシシが逃げて行ったとのこと。

「ああ、ふじが頑張ってくれたのにオレが未熟なばっかりに・・・」
天を仰ぎ泥だらけになった衣服の泥や木の枝を払います。


それから薬室に装填した弾を脱砲しようと装填レバーをスライドさせて薬室を開放しますが、何故か弾が出てきません。
確かに薬室に弾は見えているのに・・・。

銃身を振ったり、銃床をトントンと叩いてみますが出てくる気配なし。
「泥が入って噛み込んだな」
先程の滑落の時に、気をつけていたとはいえ猟銃の機関部に泥が入ってしまい、銃弾を装填した時に弾と銃身の内側に入った泥が接着剤の様になってしまったのです。

「これだけ足元が悪いと薬室に実包を込めたまま行動するのは恐ろしいし、仮に銃身に泥が詰まっていたりしたら撃った時に暴発してしまう・・・」
どうしようかと迷いましたが、安全第一と考え山の中で銃を分解する羽目に。
2016.03.15雨の日の巻狩り1

オレンジベストを脱いで地面に敷き、部品の紛失に気を付けながら分解清掃。
幸いすぐに弾は脱け、無事に泥や木の枝を取り除いて組み上げることが出来ました。


その後、もう一頭小イノシシが走り去りましたが逃げられてこの日は終猟。


「ウキュ~、せっかく私が頑張ってイノシシを止めていたのに・・・」
と不満そうなふじ。
2016.03.15雨の日の巻き狩り4


うう、せっかくのふじの頑張りに応えることが出来ずにごめんよ(涙)。


狩猟の魅力まるわかりフォーラムHP
↑会場でパネル展示していただいています。

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コメント
勢子になると自動より、上下のほうが良いのでは?
と思ってしまいますが、
どうなんでしょ?
フジが無事でなによりです。
2016/03/16(水) 13:14 | URL | 坪ちゃん #JalddpaA[ 編集]
No title
室内でくつろぐふーちゃん 可愛い~
2016/03/16(水) 19:12 | URL | 小倉の人 #-[ 編集]
No title
1度、勢子の方と一緒に途中~途中まで歩きましたが、
付いていくのが精一杯でとても周囲の獲物に注意を払う余裕はありませんでした(汗)
やはり、勢子の方は凄い・・・と改めて思いました。

ちなみに、弾倉に2発装填で薬室は空のまま、
獲物を見つけてからスライドする姿勢でした。
2016/03/16(水) 21:11 | URL | EYW #6GgKOieI[ 編集]
坪ちゃんさん
そうなんですよ。
少し重たいけれど、銃身二本に撃針が二本ありますし銃身の中も覗けるしで、勢子には向いていると思います。
実際に新親方(若き勢子)は上下を勢子筒に使っています♪

考えようかなぁ。。。
2016/03/19(土) 22:42 | URL | じゃん #-[ 編集]
小倉の人さん
ありがとうございます♪

はい、親バカながら可愛いのです(笑)。
2016/03/19(土) 22:43 | URL | じゃん #-[ 編集]
EYWさん
ええ、私も狩猟を始めた時は「勢子ってすごい!」と素直に思いました。
勢子役を始めた今では、一層その思いは強くなっています。

>弾倉に2発装填で薬室は空のまま、
>獲物を見つけてからスライド
私もこのスタイルですが、安全装置を外し忘れたりで、射撃場で練習が必要なようです。
2016/03/19(土) 22:47 | URL | じゃん #-[ 編集]
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プロフィール

じゃん

Author:じゃん
幼少時より食い意地の張った子供で、今でも野生の動植物を見る時には
「美味いか不味いか?」
が大きな判断基準を占める。

素潜り、釣り、手づかみなど様々な方法にて「タダの食料」を捕獲することに情熱を燃やしています。
2009年より狩猟界にデビュー。タンパク質自給率100%達成なるか!?

E‐mail
capturefood@yahoo.co.jp
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