食べる事と、命をいただく事について考えます。 狩猟、素潜り、釣り、採集、手作り等々

逃走!追跡!!そして脂汗!!!

日の出とともに山へ行き、大物猟の見切り(獲物がどこに潜んでいるかを探ること)のために地面と睨めっこをしていると、前親方から緊急連絡!

「100kgを軽く超える巨大イノシシを狙っていた括り罠に獲物が掛かったのはいいけど、括り木を掘り起こされて逃げられたぞ!急いで応援に来てくれ!!」

括り罠と呼ばれるワイヤーで足首を締めて獲物を捕獲する罠は、獲物が掛かるワイヤーの反対側の端は木の幹などに結んで固定していますが、固定した木ごと掘り起こされて逃げられるとは・・・。

現場に急行するとこんな感じ。
2016.01.09追跡1

まだ薄暗い山の中の谷向こうを見ると、遠くからでもはっきりと爆弾を落としたように巨大なクレーターが開いています。
2016.01.09追跡2

「う~ん、こりゃすごいや!」
掘り起こした土砂の量から見てもかなりの大物に間違いなさそうです。

イノシシは括り罠に掛かると逃げようと必死になり、地形が変わるくらいに周囲の土を掘り繰り返してしまいます。
「近くに手ごろな木が無くて、ちょっと小振りの木に固定していたけど逃げられた。失敗した!」

この様な状態のイノシシは、大抵括り木を引っ張って行って周囲の木に引っ掛かりその近くに潜んでいる場合が多いのですが、逃げようにも逃げられずに苛立っていて、いきなり襲ってくる危険性も高いので要注意です。
大勢で行ってイノシシを驚かせて反撃にあってもいけないし、少数で探るようにします。
「新親方(若き勢子)は猟犬一頭だけを準備して待機!じゃんはワシと一緒に来い!!」

前親方と共に山へ入りますが、百戦錬磨の前親方がいつもと違う緊張感。
「いいか、すぐ周囲に潜んでいていきなり捲ってくる(こちらに向かって突進してくる)かもしれん。すぐ撃てるように薬室に弾を込めておけ。デカいからな!気を付けろ!!」
こんな事を言われたのは初めてで、背中に流れる冷や汗・・・。

2人で獲物が掘り起こしていた場所まで行き、周囲の状況を探ります。
「括り木ごと引っ張って行ってるから、獲物が向かった方向は土の表面が乱れているはずだ。それを探してくれ」

周囲を丁寧に探すと地表の乱れは山の上へと向かい、更に小さな尾根を越えています。
その間にも胸ほどの高さに繁ったアオキの中からいきなりイノシシが捲って来るんじゃないだろうか?と恐怖心が頭の中を過ります。
「地面だけではなく周囲の茂みにも神経を集中しろ。視覚、聴覚、嗅覚、そして自分の野生の勘・・・」

特殊部隊が突入する時の様に銃を半構えにし、すぐに撃てるように安全装置に指を掛けたまま進みますが、しかしある程度追跡すると突然地面の乱れが無くなります。
「もしかするとワイヤーが切れたり括り木が折れたりして、一目散に逃げ去ったのかもしれない・・・」
そんなことを前親方と話し、怪しい方向を探るために二手に分かれますが、手掛かりは掴めず。
そうだよなぁ、岩場もあれば川もあるし、そんな場所を通れば痕跡を残さずに逃げるよなぁ。

「ダメか・・・。あきらめようか?犬を掛ければ一発で発見できるだろうけど、ワイヤーに括り木が付いていたら潜んで待ち受けられて犬がケガをする危険性が高い。新親方(若き勢子)よ、判断は任せる」
「いいですよ。犬を放しましょうか」

「いくら経験豊富な新親方(若き勢子)のワンコと言えども、こんな危険な状況では放したくないのが本音だ・・・。前親方も自分で長年勢子役をしてきてそれが分かっているから判断を新親方(若き勢子)に任せたんだ。うう、人間だけでなんとか見付け出したい」

すると下方向の竹藪で何やら動く音。
「あれ?もう犬放した?」
「いや、まだここに繋いだままだよ」

見付けた!
足音を忍ばせて近付くと一気にバリバリと音を立てて何かが走り出します。
「下の孟宗竹の中に向かってるよ!」
連絡をすると、すぐに前親方が他のメンバーに待ち(包囲網)を張るように伝えます。

私はそのまま逃げた方向へ追跡。
竹林の中でついにイノシシの後姿発見。
括り木が竹に絡まって動けなくなったようですが、私が近付いたことが分かると瞬時に反転!
こちらに向かって足を踏み出したようにも見えましたが、その前に私の撃った銃弾が頭蓋に命中!!
倒れると同時にイノシシが斜面を転がり落ちます。
2016.01.09追跡3

撃った瞬間はたいして大きく見えませんでしたが、倒れた姿を見ると結構な大きさ。
2016.01.09追跡4

そこに前親方も到着。
2016.01.09追跡5
「この括り木を掘り起こして逃げたんだよね。ちょっと細すぎた・・・」
あの~、前親方。100kg級の獲物を狙っているのにそれは完全に無理でしょ(笑)。

そして明るい場所まで引き出すと、犬を放さなくて良かったと心底思いました。
2016.01.09追跡6

牙が長い!
2016.01.09追跡7
「この長さの牙で捲られていたら」と思うと、変な脇汗が出てきました。。。

計量すると丁度100kg。
しかし前親方は渋い顔。
「違うな、狙っていたのはこの足じゃない。もう一回り大きなヤツがいる」

あの~、前親方。大きなイノシシを狙うなら、お願いですから次回はちゃんとした括り木を見付けてください。
もう変な脇汗はイヤ(笑)!


今日も自然の恵みに感謝です。


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コメント
ドキドキしながら読まさせてもらいました!猪自体を生で見たことないのでわかりませんが、あの牙はやばいですね。まさに命と命のぶつかり合いですね。命をかけての戦いってなかなかないと思います。
2016/01/10(日) 08:39 | URL | ミラーマン #L1x6umnE[ 編集]
ミラーマンさん
ありがとうございます。
そうですね~。狩猟は趣味の世界なので「そこまでしてやらなくてもいいのでは?」とも思います。
だけどハンターの性でそうしてしまうんですよねぇ。
気を付けます!
2016/01/10(日) 22:47 | URL | じゃん #-[ 編集]
じゃんさんかっこえ~!
(^^)/
それにしても、前親方その木はいかんやろ!(笑)お茶目すぎる。
2016/01/10(日) 23:30 | URL | オイノコ #-[ 編集]
オイノコさん
ありがとうございます♪
そうやろ~、この括り木はいかんやろ。もっと言ってやって(笑)!
2016/01/10(日) 23:38 | URL | じゃん #-[ 編集]
No title
あちゃー!私もそんなんにくくってるわ、でも獲れないから良いけど(笑)
2016/01/10(日) 23:52 | URL | 川ガニ #AilrZkwc[ 編集]
川ガニさん
あちゃ!ここにも同じような人が(笑)。
やっぱ凄腕の人はそれくらいのいい加減さが必要なのかしら!?
2016/01/11(月) 00:00 | URL | じゃん #-[ 編集]
No title
頼りになる兄貴たちには、こういう感じの人が多いです(-_-;)
クマの入った穴をまたいで木を切ってたミーアンチャンと言う兄貴の股めがけて、怒り狂ったクマがキンタマを食い千切ろうと・・・・・
なぜ~~~(-_-;)そんなところで木を切るのだぁ~~
これが、熟練百戦錬磨の面白いところ
これだから大物量は漫才みたいで楽しくてやめられません~~(^^♪
2016/01/11(月) 09:24 | URL | kuma仙人 #A1vz8dvw[ 編集]
これ位の太さのほうが、しなっていい感じかな?って?
抜けるとは思ってもみなかった?
(≧∇≦)
次はもうちょっと太い木に!
2016/01/11(月) 21:36 | URL | 坪ちゃん #JalddpaA[ 編集]
kuma仙人さん
そうですよね~。頼りになる達人たちはどこか抜けた所がありますよね(笑)。
そのうち「ハンター列伝」カテゴリー作ろうと思っています。
すごくおもろい話ばかりになりますよ(笑)♪
2016/01/11(月) 22:51 | URL | じゃん #-[ 編集]
坪ちゃんさん
ええ、前親方もそう思ったみたいです。
でも見事に根っこごと持っていかれてしまいました(笑)。

まあ、滅多にできない貴重な経験でした。
2016/01/11(月) 22:54 | URL | じゃん #-[ 編集]
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プロフィール

じゃん

Author:じゃん
幼少時より食い意地の張った子供で、今でも野生の動植物を見る時には
「美味いか不味いか?」
が大きな判断基準を占める。

素潜り、釣り、手づかみなど様々な方法にて「タダの食料」を捕獲することに情熱を燃やしています。
2009年より狩猟界にデビュー。タンパク質自給率100%達成なるか!?

E‐mail
capturefood@yahoo.co.jp
お気軽にメールくださいね♪

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