私達の猟隊には4人の勢子役がいて、攻める山の広さや犬の特性に合わせ、臨機応変にフォーメーションを変えて巻狩りを行います。
獲物が多数入っているような広い場所では4方向から犬を放ち、様々な方向から攻めることで獲物に考える時間を与えず半ばパニック状態にさせます。
例えば人間だって、火事や地震等の緊急時はいつも通っている通路を逃げ、緊急避難通路なんて中々使えないものです。
そうするとほぼいつも使っている本命の通し(けものみち)を通って逃げ、そこを待機した待ち(狙撃手)が狙い撃ちにします。
逆に狭い小山に確実に入っているような場合は、勢子役を減らして待ちに付いて水も漏らさぬ包囲網を張り巡らせます。
今回はそんな攻め方で、新親方(若き勢子)が一人勢子役として山に入り、私は久しぶりに待ち場に付きます。
今日の待ち場はこんな感じ。

山の向こうが寝屋になっていて、通し(けものみち)はこんな感じ。

この場所の左側は急斜面になっていて、山裾を走って逃げる場合があるのでそちらは親父が担当。

孟宗竹にあたっての跳弾の危険性を避けるために、親父は30メートルほど後方へ下がって待機。
待ち(狙撃手)の配置も終わり、猟犬が解き放たれます。
小さな山なので、ものの10分ほどで「出たよ!」の連絡。
「うう、久しぶりの待ち役なんで緊張する・・・。
勢子は獲物が出て撃ち外しても『行ったよ!』と連絡すれば誰かが撃ち取ってくれるけど、待ち役は最終防衛ラインでもあるし外したら終わりだもんな。
頼むからオレの待ち場には来るなよ・・・」(←この考えがヘナチョコ過ぎる)
そんな事を思っていたら近付いて来る猟犬の追い鳴き。
「(来るなよと思っていたのに)来る・・・」
静かに銃の安全装置を解除して銃を構えます。
「バキッ」という枯れ竹を踏み折る音。
孟宗竹の間を走るイノシシの姿が銃の照準越しに僅かに確認できますが、私の待機場所から遠ざかって山の斜面を登って行きます。
「ダメか・・・」

と思ったら急に方向を変えて私の待機場所へ一直線!

「もらった!」
7メートルまで引き付け一発目を発射!!
撃ったのと同時にイノシシが僅かに方向転換したのが見えましたが、自分の頭の中では一発目で即倒するイメージしかなく、元気に走り去るイノシシに慌てて2発目、3発目を撃ちかけます。
しかし銃を構えたフォームは崩れ、顎は上がり銃身は振り遅れています。
目線だけでイノシシを追っているので、3発ともカスリもせず。
だけど結果的に斜面下の親父が待ち構える通しに追い落せました。
「親父っ、行ったぞ!!」直後に2発の銃声。
上手く倒してくれたようです。
ホッ♪

止めの血抜きをするとワンコも追い付いてきました。
良く脂の乗った60kgのメスイノシシ。

久しぶりの待ち役は緊張しました。(そして外した)
しかし結果的に(親父が)仕留めることが出来て本当に良かったです。
解体しながら
「親父も後何年猟が出来るか分からないからな。ワザと外して華を持たせてやったんだよ!」
な~んてうそぶいていましたが(笑)。
くそっ!
今日も自然の恵みに感謝です。
狩猟の魅力まるわかりフォーラムHP↑会場でパネル展示していただいています。
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邪心があると、当たりませんねぇ。
(≧∇≦)
僕もこんなのを狙ったのですが、
後ろの子供に当たってしまいました。(^_^;)
やっぱ獲りたい欲が強過ぎですかね(笑)♪
互いに「なにやってんだよ!」なんて言葉で夜は反省会の毎日です(笑)。
100kg級なら中っていたかも(笑)。
という事にしておいてください(笑)。