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食べる事と、命をいただく事について考えます。 狩猟、素潜り、釣り、採集、手作り等々

フィールドセミナー・ドキドキ講師編(その1)

2日間に渡るフィールドセミナーに講師として参加するために五木村に到着し、集合時間まで時間があったので周囲をブラブラとしていると、面白いものを発見!
2015.02.01フィールドセミナー2
道路に面したこのインターフォンで中学校と高校に連絡できます。


それから事務局スタッフの皆さんと合流し、会場に移動します。
記念すべき第1回目のフィールドセミナーの開催場所はこちら。
2015.02.01フィールドセミナー4
五木村伝統文化伝承館。

狩猟も伝統文化には間違いないので、名目的には合っているかな(笑)。
まあ、教える講師(私の事ね)がペーペーで伝統文化を語る資格が無いのは重々承知していますが・・・。

会場内には各種パンフレットなども取り揃えられ、参加者の皆さんの来場を待ちます。
2015.02.01フィールドセミナー3
「うう、人前で話をするなんて慣れていないから緊張する・・・」
ドキドキドキ。

まずは行政関係者・講師・参加者の皆さんの自己紹介とご挨拶。
2015.02.01フィールドセミナー9
(写真提供:環境省)

それからバスに乗って罠猟の実地研修のために猟場(研修のための模擬的なもの)へ移動。
2015.02.02フィールドセミナー10

罠猟講師の方は、罠猟にも銃猟にも造詣が深い若手女性ハンターの方です。
2015.02.02フィールドセミナー16
(写真提供:環境省)
写真中央の長靴の方。

獲物の足跡の見方や獣道の説明、箱罠や括り罠の設置についての実地指導が行われました。
2015.02.02フィールドセミナー11
他のハンターさんが行うこういった実技指導を初めて見せていただきましたが、素直にとても面白かったです。(←講師の一人として参加しているのに、ここら辺がダメダメ)


それから再び座学会場へと移動し、小休憩を挟んで研修再開。

参加者の皆さんはこれから狩猟免許を取得しようとする方や狩猟免許を取得して間もない方なので、ここで「日頃思っている狩猟についての疑問や悩みを解決しよう!」という全体協議に入ります。

2班に分かれてワイワイと雑談をしながら、参加者の皆さんの疑問や悩みを付箋紙に書き出したものがこちら。
2015.02.02フィールドセミナー12

さすがに皆さん真剣に狩猟を始めたい(もしくは始めている)方達ばかりなので、質問内容も具体的かつ細微ですね。

少しだけ質問内容を挙げてみると、
・どうやって狩猟をして良い場所を見つけるか
・罠の見回りや管理方法
・銃砲管理の仕方
・賃貸暮らしでも猟銃所持できるか
・初期費用はどれくらい必要か
・ダニ対策
・罠に掛かった獲物の止め刺しの方法
・解体補法について
・食肉加工について
・獲物の運搬方法
・先輩ハンターとのコネクションの作り方
・解体場所の確保の方法
・内臓や皮(残滓)の処理の仕方
・狩猟にはどんな車が適しているか
・狩猟だけで食べていけるのか
等々、多岐に渡りました。

それぞれの質問に対して、女性講師の方が罠猟、私が銃猟とお笑い、行政係員が法令に関してという風におおまかに担当して経験談を交えて回答していきます。
2015.02.02フィールドセミナー14

質問事項を見て、私が「オレはハンターにはならない」と思っていた理由や、狩猟を始めた頃のたくさんの出来事を思い出しました。

私がハンターにはならないと思っていた理由は、銃砲所持の煩雑さや野生動物と対峙する安全面以上に、狩猟における人間関係などの煩わしさからです。

イノシシや鹿が爆発的に増え、ハンター人口が激減し高齢化が進んだ今でこそその傾向は少なくなっていると言えますが、基本的に狩猟の世界は「オレがオレが!」の世界だったからです。

「あそこにいるイノシシはオレが前から目を付けていたんだ。オレが獲る!」
「ここはオレが昔から狩猟をしている場所なんだ、オレ以外の人間は猟をするな!」
「オレが猟隊の実力者なんだ、オレが一番良い待ち場について撃つ!」
「オレのやっている方法が一番なんだ、そんなやり方で獲れるもんか!」

「オレが!」「オレが!」「オレが!」と主張するばかりで、他のハンターの優れた所を認めたり交流したりもせず、他人の足の引っ張り合いをしていたというのが、私がハンターに対して持っていた印象です。

勿論真実はそうではなく、人格的にも技術的にも優れ、猟師の仁義を貫きマナー優秀なハンターが多かったのですが、一部の「オレが!オレが!」というハンターがいる事で全てのハンターがその様な「野蛮人」的な目で見られていたのも事実です。

まあそんな事を思っていても、様々な人との出会いと交流があり、また血というものは争えないもので結局は私もハンターになってしまう事になるのですが・・・(笑)。

それからはこのブログに細々と綴っている通りに、クーラーボックスにイノシシを入れてエレベーターで運搬し、賃貸マンションのお風呂場で解体したり、ゴミ袋が破れて警察に通報されたりしないだろうかとビクビクしながらも残滓をゴミ捨て場に出したりしたものです。

その様な体験談を通じて私が参加者の皆さんに伝えたかったことは「一般の方とハンターの感覚はかなりかけ離れているので、気を使っても使い過ぎることは無い」という事です。
実際に私の知人が軽トラにイノシシを積んで走っていると、包んでいたブルーシートから血が落ちてパトカーが追っかけて来たという人もいます。
血を見て驚いた善良な一般市民の方から通報されたのでしょう。(当然と言えば当然なのですが)
それくらい「生き物を殺すこと」や「血痕」などについての意識は、一般市民とハンターの間で隔たりがあるという事です。


そしてもう一つ真剣な話を少しさせてもらうと、会場で様々な質問が出たのですが、
「うっ、これは解釈次第では違法とも合法とも取れるぞ・・・」
と戸惑うことがしばしば有りました。
そんな場合はすかさず行政担当者から明確な回答をしていただけたので有難かったですね。
自分の勉強不足を痛感すると共に、それくらい狩猟にはグレーな部分も多いのだなと再確認したのでした。

そういった意味でも今回の様に行政主導のフィールドセミナーはとても有意義なものだったと思います。


まあ、ちょっと狩猟のイヤな部分ばかりを書き連ねたような文章になりましたが、狩猟という志を同じくする皆さんとの話は大いに盛り上がり楽しい時間でした。

そしてイノシシ肉・鹿肉料理も出された夜の懇親会ではまた大いに盛り上がり、一日目のフィールドセミナーの夜は更けて行ったのでした。


フィールドセミナー・ドキドキ講師編(その2)へ続く。


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コメント
講師お疲れ様です。
何年も前に球磨川へ鮎釣りに行ったとき、川辺川ダム問題で五木村まで見に行ったことがありますが、
立ち退きでえらい上のほうに移転させられてましたね。
セミナー盛況だったようですね。
なぜ山のほうでと思ってたら現場実習だったのですね。
続き、楽しみにしてます。
アナグマの解体実習とか?
(^ω^)
2015/02/03(火) 08:49 | URL | 坪ちゃん #JalddpaA[ 編集]
No title
じゃんさんがベストを新調した理由はこれだったんですね。
猟を初めて10数年経ちましたが、このようなセミナーが有れば参加したいと思っています。
それと、法律がもっと分かりやすければ良いのですが、何度読んでもすっきりしません。
2015/02/03(火) 09:33 | URL | debira #mQop/nM.[ 編集]
No title
血痕についての感覚は相当一般市民とズレがあるのを感じています。漁業の町ですが魚の血は平気だが動物の血はダメなんてのも多く、雪の上に血があろうものなら苦情がすぐきますね!
2015/02/03(火) 15:12 | URL | 桜井 #-[ 編集]
No title
おいらが狩猟を始めた20年前は大先輩メンバーがやっぱり“オレがオレが”という気質もありましたね(゚д゚)(。_。)_。)
特に熊猟は熊胆が凄い金額で取引されてた時期があり特にそうでした
今はみんな考えが変わり『なんとかしよう』と考えるメンバーが多いです
でも 実際は急な有害駆除などフットワークが軽いメンバーは米沢で30人ぐらいでしょうかね・・・・
高齢化がネックですわ(´・_・`)
2015/02/03(火) 19:14 | URL | がちゃぴん #SFo5/nok[ 編集]
坪ちゃんさん
五木村は随分と様変わりしていましたよ。
良いのか悪いのかは分かりませんが、渓流はきれいでした。

ええ、実技も含めた研修会だったので山間地域で行われました。
楽しかったですよ♪
2015/02/05(木) 01:37 | URL | じゃん #-[ 編集]
debiraさん
見事正解です(笑)!

狩猟に関する法令は分かりにくいですよね。
だからハンターも減少するような気がするので、判例などを示して欲しいです。
2015/02/05(木) 01:40 | URL | じゃん #-[ 編集]
桜井さん
同感です!
有害鳥獣捕獲で漁業の町に行ったことがありますが、四足動物を捌くところは皆さんドン引きでした。
慣れでしょうねぇ。。。
2015/02/05(木) 01:43 | URL | じゃん #-[ 編集]
がちゃぴんさん
やっぱりそうですか(笑)。
こちらでも昔はそうだったのですが、今は「若い人に伝えなきゃ」と思っているベテランハンターの方が多いようです。
中堅どころも頑張りましょうね!!
2015/02/05(木) 01:45 | URL | じゃん #-[ 編集]
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プロフィール

じゃん

Author:じゃん
幼少時より食い意地の張った子供で、今でも野生の動植物を見る時には
「美味いか不味いか?」
が大きな判断基準を占める。

素潜り、釣り、手づかみなど様々な方法にて「タダの食料」を捕獲することに情熱を燃やしています。
2009年より狩猟界にデビュー。タンパク質自給率100%達成なるか!?

E‐mail
capturefood@yahoo.co.jp
お気軽にメールくださいね♪

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