私は焦っていました…。
なぜなら私の連れて来た(大物猟)新人ハンターの2人が「撃てば一発で仕留めている」のに対し、私は「撃っても撃っても獲物を一頭も倒していない」から(笑)。
「ウチのグループは新人ほど良い場所につけ、たくさん撃って経験を積んでもらおうという親方の太っ腹な考えだからチャンスが多いのも事実だけど、2人とも獲物が来れば倒しているし実際良い腕してるよな」
まあ、グループ猟は誰にでも運不運があって良い年もあれば悪い年もあるのが実情ですが、獲物は自分の場所に出て来るのに撃っても撃っても中らないとなると「自分の銃の腕が悪い」という事に他ならないからです(笑)。
「銃の照準が狂っているのか?」とか「射撃姿勢が悪くて顎が上がっているのか?」などと考えますが、自分の整備した銃と射撃の腕(←ここがイマイチ信用できない)を信じます。
そして今日も早起きをして山へ行き、待ち場はこんな感じ。

こんな風に通し(獣道)が走っています。

勢子が犬を放すまで少し時間があったので、静かに周囲の状況をチェック。
私の下にはルーキーの伊集院くん(仮名)が待機。
山裾のこの場所は竹が覆い茂り、イノシシがよく通っています。
早生のタケノコを食べた跡。

「足跡やカセギからも、獲物が出るとしたらイノシシだな…。これだけ竹が密集して倒れていると鹿は角が邪魔になって通らないはず」
勢子が猟犬を放ち巻狩りのスタート!
すぐに獲物が出て派手に猟銃の発砲音が鳴り響きます。
高い位置の待ち場から複数の鹿と子イノシシが出た模様。
「犬と勢子の気配を感じて獲物が早立ちしたな…。さぁ、これから犬が寝屋に入ってからが本当の勝負だ!」
と思っていたら伊集院くん(仮名)の待ち場から1発の銃声!
「鹿を倒しました」

(猟が終わって撮影)
「ヒュ~!上手いもんだねぇ♪」
と言いつつも、まだ一頭も倒していないこっちは超プレッシャーなんですけど~(汗)!
再び待機。
勢子役が寝屋近くまで来ると
「大きなイノシシが3頭出たぞ!」
「立ててる立ててる(鳴き止めている)、急いでそっちに回れ!」
という情報が入ってきます。
「待ちの方向に行ったぞ!気を付けろ!!」
バキッ!目の前の竹藪から枯れ竹を踏み抜く音。
「来た…、かなりの重量感。イノシシに違いない」
音を立てないように銃の安全装置を解除。
静かに銃を構え、照準越しに獲物の出現に備えます。
そして竹藪の向こうから動く黒い物体。
「???」
目を凝らします。
「なんだ?イノシシじゃないぞ。大きな鹿だ」
立派な角を持つオス鹿が、角が竹に引っ掛からないように首を振り、頭を下げて竹藪を進んできます。
「へえ、こんな渋い場所で音もなく器用に進んで来るもんだなぁ」
初めてこんな光景を見ることが出来、少し感心しますが勝負は別。

18メートル地点で1発目を発砲!
中ったことは確信できましたが、平気な顔で走り出したので2発目を追撃!!
これも胸部に中り、川底に降りる鹿に走る力は残っていませんでした。
ふらついた足取りで数メートル進むと、ドウッと倒れる鹿。
続けて獲物が出ることもよくあるので、念のために鹿が出て来た方向を見るともう一頭鹿が立っています。
銃に弾を補充する余裕もなく、薬室に残った最後の弾を発射しますが、中ったかどうか分からない状況で引き返して行きました。
更に銃に弾を装填して待機。まだイノシシが出ているから油断はできません。
銃が空になった状況で獲物に走られて、何度悔しい思いをしたことか。
少し時間が経って静まる猟場。
「一段落したな」
誤射防止のために薬室に装填してある弾1発だけを抜き、川底に向かいます。

倒した鹿にはまだ息があり、瞬きをしていました。
最後の抵抗が怖いので、しっかりと一本の角を足で踏み、もう一本を左手で確保。
右手でナイフを抜き鎖骨の付け根から心臓にナイフを入れます。
「すぐに来れなかったから苦しめちゃってごめん」
獲物を引き出すと、グループの皆さんが手を差し出してくれ、今猟期の初獲物を倒した事を喜んでくれました。
「おう、やったな。これで先輩の面目も立ったじゃないか」
「ありがとうございます、皆さんのおかげです。でも猟が始まって4日間で11発もスラッグ弾を撃っているんで、ようやく倒せてホッとしています」

なんとか今年の初獲物をいただきました~!
今日もいただいた命と山の恵みに感謝です。
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今後はこの調子でバンバンですね~
沢山捕れることを期待してますよ~ヽ(*´∀`)ノ
一発目から素晴らしい獲物をゲットしましたね。
うらやまし~(笑)
さすがじゃんさん(^^)/
同じ命ですもんね。
なんとか初日が出てホッとしています♪
去年は年末まで撃つことすら出来なかったですし、素直に嬉しいです。
なんとか倒せてホッとしましたよ。
でもこのサイズの鹿が括り罠に掛って素手で勝負だと恐ろしいですね…。
お肉はちょっと硬かったので今熟成させています。
美味しくいただくために調理法を工夫してみようと思います♪
自分の仕立て船釣りグループでも、御新規さんには早く楽しさを味わって好きになって貰うため
揺れが少なく撒き餌も良く効く船尾に乗ってもらうので、最船首で片目が開くのに時間が掛かる事も多々…。。
でもこれを機に、次々と大物を仕留めたりして。
大きな怪我なく良い猟期となりますように ^^
やっぱり楽しさを知らないと辛いことなんて耐えられる訳ないですから、経験の浅い人は楽しんでほしいと思います。
ふふふ、それから泥沼の様に苦しいことも味わってもらいますが…(笑)。
やったですね~~~
しかし、いっぱいいるんですね~~~
消費税のかからないお肉をいっぱいゲットして、官僚と議員を鼻で笑ってやりたいですなぁ~~~
立派なシカ、おめでとうございます!
僕も大学に入ったら狩猟しようかと思ってるんですが、じゃんさんのグループみたいなとこだったらいいなと思います( ¨̮ )
これから寒くなりますがお体にお気をつけてくださいね。
なんとか初日が出ました。
鹿は最近特に増えましたね。
伊集院くん(仮名)の撃った鹿も、小さな鹿だったのですが子育ての最中でした。
年に2回はお産をしているようです。
猟期は体力的にきついのですが、更新もそれなりに頑張ります(笑)♪
今は狩猟免許が取得できるのは20歳からですが、法改正の動きがあるので18歳からになるのかな(すみません、はっきりしたことは分かりません)。
最初からグループに入るのも良いと思いますが、単独で「獲れない苦労」をされるのもいいかも。
そういう苦労があると、色々な意味で先輩方の言葉が身に沁みることが多いかもしれません。
頑張ってください!
体格もですが角も見事な牡鹿ですね
自分も今年から大物猟グループに入れていただき、今週末がいよいよ初猟です
こんなすごいのにお目にかかれたらいいんですけどねぇ^^;
もっとも自分じゃこんなのに出くわしたらビックリして狙うどころじゃないかもしれませんが
あと、もしよろしかったら自分のやってる『グンマーの狩猟日誌』http://hunter-of-gunma.blog.jp/というブログと相互リンクしていただけないでしょうか?(゜‐゜;)
大物猟も楽しいですよ。
まずは安全第一ですね。
リンクの件了解いたしました。
よろしくお願いします。