世間はゴールデンウィークで挙って行楽地に出かけているらしいけれど、そんな性分でもないのでウナギ獲りにでも行きましょうかね~と思い立った休みの初日(笑)。
「
思えば去年の初潜りは巨大ヒラメと遭遇して引き摺られたっけ…。惜しかったなぁ。
まぁ、しょっちゅう潜っていてもあんな大物に出会えるのは5年に一度くらいだし、ましてや獲れるとなるとどれくらいの確率だろうか…」
「あんな大物に出会える訳はない」と思いつつも、大きなチヌやスズキがいることもあるので準備だけは整えます。
「初潜りだからホコを手入れしとかないと…」
と思って錆の浮かんだホコ先にヤスリ掛けし、ホコゴムを新しいものに交換します。

右がヤスリ掛けした状態。
先端は岩を付くこともあるので刃物の様に尖らせる必要はありませんが、刺した時に抵抗なく入るように軸までヤスリを入れて錆を落とします。
準備を終えて(潜るのに差し支えるので)控えめに晩御飯を食べ、夜道に車を走らせます。
現地に到着して下見。
「うん、コンディションは問題ない」
ウエットスーツに着替えて真っ暗な水の中へ!
体表に染み込んでくる冷たい水。
真っ暗な水を切り裂く水中ライトの光。
「いやぁ~、こんな事やっている人間もそうそういないだろうなぁ…」
ちょっと可笑しくなりながらも目の前を横切るアカクラゲに驚かされてパニックになりそうになり、またそんな状況を楽しんでいる自分がいて再び笑いそうになります。
ボチボチと初物のウナギを掴みます。
「ウナギが減ったなんて言うけれど、小さなウナギはたくさんいるし目で見る限りはまったくそんなことは無いぞ。自然動物の生息数なんて一部の限定的な意見だけだと真実は分からないと思うけどな…。
現にニホンシカなんかは10年ほど前までメス鹿の捕獲禁止だったのが災いして、爆発的に個体数が増えて今では手が付けられなくなっているし…」
大きめのウナギだけを獲りながら潮に流されて移動します。

「去年はここら辺りにヒラメがいたんだよな…。まあそんな美味しい話はそうそうないよぁ」
と心の中では思いつつもどこかで期待が膨らみます。
「ギョッ!」一瞬だけ水中ライトの光に浮かび上がった恐竜のような面相。
「いたよ、ホントにいた…」
バクバクと早鐘を打ち鳴らすように高鳴る心臓。
「落ち着け、オレ…。慌てるなよ…」
少し離れた場所まで移動し、金属音を立てないように静かに手にしていたウナギバサミをホコに持ち替えます。
準備が出来た事をしっかりと確認し、息を整え現場に戻ります。
水深3メートル。
ライトの光を直接当てると逃げられる可能性があるので、光の中心部を外した光源で照らしながら潜行。
「いた!まだ同じ場所にいた!!」
迷わず巨大な目玉の少し下、頭蓋と脊髄の接合部を狙ってホコを発射!
砂の中からバッタンバッタンと現れる巨大なヒラメの体。
大きなヒラメの事を「座布団級」なんて表現しますが、現れたヒラメの大きさは座布団を通り越して玄関マットくらいはありそうです。

(砂の中に埋まって、黄色の部分くらいしか見えてなかった)
しかも大きさを見誤り、突き立てたホコ先は頭蓋骨に中って昨年と同じく切っ先だけが刺さった状態。
「だああぁ!狙いすぎてまた失敗したよ(涙)」どうしようもないのでホコ先を押し込むために全体重を掛けながら、やはり去年と同じ様に引き摺られます。
「なんとかエラを切断することが出来たら…」
右手でホコ先を押え付けながら左手をエラブタの間に捻じ込ませようとしますが、ガッチリと閉じて開きそうにない感じ。
しかしホコ先が頭蓋を貫通していない以上は、エラを切断するしか方法はありません。
「もうこれ以上は息が続かない」
水中で体内に残った酸素を消費しながら、必死にエラブタの隙間をこじ開けます。
「お前も苦しいはずだ!一瞬だけでもいいから呼吸をしろ!!」
執念が実ったのか、ほんの僅かに緩むエラブタ。
すかさず指を滑り込ませ、中のエラを引き千切ります。
「切った!!」その瞬間にヒラメに弾き飛ばされ、ホコごと逃走!
あっと言う間に見えなくなります。
「逃げられた…。ホコが外れていたら終わりだな。
確かにエラを切断したから致命傷だけれど、砂の中に隠れられたらどうしようもない」
私は狩猟や潜りにおいて「獲物に執着しない」ということを大切にしています。
命に関わる事故に直結しますから…。
しかしこの時は無理をし過ぎたと反省。
ゼイゼイと息を整えながらヒラメが逃げた方向へ向かいます。
ほとんど諦め気分でホコだけでも回収するつもりでした。
少し泳ぐと水中ライトに照らされてホコに取り付けたゴムが見え、それがブルブルと震えている様子。
その先を見ると水面近くをバシャバシャと暴れてもがくヒラメ。
幸いにも直前に尖らせておいたおかげで、抜けることなくホコ先の返しの部分まで入っていたのです。
すぐにヒラメを抱きかかえ、切り損ねた反対側のエラを引き千切ります。
魚のエラには大きな血管が通っていて、ここを破壊されるとどんな魚も致命傷になります。
水中に滲む血液。
血にぼやけた水面に浮かんで、暴れるヒラメをしっかりと確保。
「一番近い陸地はどこだ?」
とてもエントリーした場所まで泳いで帰る体力は残っておらず、最短距離を目指して水から上がります。
ウナギを入れたスカリ、ウナギバサミ、水中ライト、ホコを突き立てたままのヒラメ、フィンとマスク。
体力と海の状況によってはそれらを捨ててくることになったかもしれませんが、なんとか全部を持って岩場を這い上がり、逃げられる可能性の無い場所まで行ってヒラメを地面に置きます。
2回ほど跳ね上がるヒラメ。
「やった…」
歩きやすい地形の所まで移動し、車を置いた場所までテクテクと歩きますが、なにせ持っている荷物が重い。
最初は両腕に抱えていた荷物も、背中に担いだり頭に載せたりしてウエットスーツも魚の粘液でベトベト(笑)。
終いにはヒラメのエラから口の中に腕を通して運んだりします。

エラブタが広がっているのが分かりますか?
ゴールデンウィーク中の深夜ドライブに来たであろうカップルの自動車が近くを通り、停車した窓が開き驚いた表情で尋ねられます。
「それ、なんですかっ!?」
「新作のハンドバックだよ。今年の流行はこんな多きめのヤツなんだ。お姉ちゃんも彼氏に買ってもらいな(笑)」
「フェイスブックに『新作のハンドバックを持った人』としてアップしていいですか?」
「場所が分からないようにしてくれるならね」
という事で写真を撮ってもらいました。
今頃どこかで間抜けな写真がアップされていることでしょう(笑)。
とりあえず巨大ヒラメゲットしました♪

これは帰宅して一眠りしてから撮影したもの。
88cm、7.8kg。
自己記録更新です♪
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にしてもデカイ!!
ウナギとヒラメ
豊かですねー!
かなり汽水エリアなんですかねー?
エラを指で切る機転がきくのは
やはりじゃんさんらしいです!
しかし、カップルもよく声をかける勇気がありましたね。(^ω^)
でも、ゴムが手首に絡んだまま、
引きずられる危険性もあるわけですから、怖いですね。
無事生還おめでとうございます。
えんがわで襟巻きできるよね~
刺身だと すごい人数分できるよね~
食べても食べても減らなそう♪
じゃんさんがご無事で何より。
美味しそうです。
北海道で秋味(鮭)もお願いします。(ウチの分も)
市場に流したらおいくらなのかしら?
デカいお魚を突いた時は、いつもエラを切るようにしています。
何度も口惜しい思いをして編み出した技です(笑)。
最近突いていませんね。
美味しいけど食べても食べても無くならないお肉の量に辟易して…(笑)。
いや、とっても美味しいお魚なんですけどね。
ビックリして停まった感じでした。
水中ではヒモや絡まる要因があるものをなるべく持たないようにしています。
それでもホコゴムや釣り人のラインがあったりするので危険は拭えませんね。
縁側も身も特大でしたよ!
もう無くなってしまったけれど…(笑)。
それがですねぇ、驚いたことにもう食べ尽くしてしまったのですよ(笑)。
また頑張ります!!
秋味も良いですね~!
法律さえなかったら一度はゲットしてみたいお魚です。
ありがとうございます!
ってセルさんって女性だったの?
てっきり男性とばかり思っていました。
ヒラメ型のバックが流行ったらじゃんさんがファッションリーダーですね(笑) そして某国からカレイ型のバックが出てきたりとか。
さすが海の漢!!
潜りはベラしかとれないのであこがれます。
海でも遊べるようになりたいな~。
今回は苦労しました。
あ、今のうちにヒラメバックを意匠登録しておこうかな(笑)。
こんな大物が獲れた時は「ブログやってて良かった!」と思います(笑)。
いえいえ、ベラが一番の難敵ですよ。
「潜りはベラに始まりベラに終わる」
今、勝手に作った言葉です(爆)!
すみません、単純に遊び呆けていました(笑)。
自然で遊ぶ時は獲物や道具に執着しないようにしています。
すぐに捨てて帰れるくらいの心の余裕が欲しいですね。
と、自分に言い聞かせています(汗)。
遠慮しないで。
(私信)オレはえーちゃんの味方だよ♪