少し前にブログを見ていただいた女性から相談を受けました。

(写真と本文は直接関係はありません)
彼女の名前はA子さん(仮名)。
彼女からの相談内容をご本人の承諾を得て、少し脚色を加えましたが、ほぼ原文のまま以下に掲載しました。
【A子さん】
初めまして、こんにちは。
突然のメール失礼します。
実は婚約者から猟銃免許を取得したいと相談されたのですが、私は無知なので色々と検索しておりましたらこちらのブログにたどり着き、興味深く読ませて頂きました。
そこで、もし宜しければお話をお聞きしたいと思い、失礼ながらメールさせて頂いた次第です。
状況を簡単に説明しますと…
彼は学科の試験には既に合格しているらしく、面接?も数回終えているようです。
期限(実技試験を受けて合格し、銃砲所持許可を得る事)が今年の6月くらいらしく、それまでに手続きを終えて免許(猟銃所持許可)を取得したいとの相談でした。
結婚はこの春にする予定ですが、 私のお腹には新しい生命が宿っています。
先のことは未定ですが、予定としては小さな家をいつか構えたいと考えており、多少の貯金はお互いありますが、それ以上に今後色々とお金がかかりそうです。
結婚後はかなりの田舎住まいになるのですが、彼からの話では、地域の活動で休みの日は色々と忙しいこともある。
さらに猟銃免許を取得して猟友会に入れば害獣駆除で駆り出されることもあるだろう、銃などの購入で中古で譲ってもらえる話がついているが、それでも20万くらいはかかるし会費や維持費もかかるだろう。
地域の活動はその地域で暮らしていく上で必要なことなので私も協力します。
銃に関しては趣味の意味合いが強いのであればお金もかかることだし、家族の時間がなくなるのは寂しいし、子供が大きくなって収入が安定してからでも遅くないのでは?と答えたのですが、取得期限があると知らなかったために、取得に向けてもうあと少しの段階まで来ていることや、学科合格後の免許取得の期限が迫っていることを聞いて、それなら取得を応援してあげたほうがいいのでは?とも考えています。
田舎住まいのため害獣の被害も多く、若い世代が少ない地域ですので駆除に行かなければいけないことももしかしたら多いかもしれません。
実際に取得してからの生活というのはどのような感じなのでしょうか。
地域貢献になる反面、やはりお金のかかる趣味なのでしょうか。
私としては彼のやりたいことを応援してあげたい反面、今後のことを考えると不安もあり、どうしてあげたらいいのかわかりません。
こんなメールをいきなりされてもお困りになられるかと思いますが、もしも宜しければ猟銃免許を取得してからの生活について少しご教授いただけないでしょうか。
本当に突然申し訳ありません。
読んで頂き、ありがとうございました
私は彼女の非常に礼儀正しい文章と、婚約者のことを想う気持ちに心打たれました。
それに対する私の回答です。以下。
【じゃん】
はじめまして! コメントありがとうございます。
「食料捕獲作戦!」のじゃんです。
さて、お問い合わせの件ですが「1000人いたら1000通りの答えがある」と言うのが実情でしょうか。
どういう風に考えればいいのかと私なりに考えましたが、「釣り」や「ゴルフ」と同じように考えればよろしいのではないかと思います。
どんな趣味にも程度はあって、お金を掛けようと思えばいくらでも掛けられるし、節約すれば自分のお小遣いの中からやりくりも出来ると思います。
またどこまではまり込むのかは個人次第ではないでしょうか?
「お金のかかる趣味か?」と聞かれれば「そうとも言える」し、「そうでもない」とも言えます。
初期投資はそれなりに掛かりますが、それ以降はゴルフ程はお金を使わないと思います。
ちなみに私はちょっとだけ趣味でデジタル一眼の世界にも足を踏み入れていますが、そちらのカタログの方が目ん玉飛び出そうなくらいにお金がかかるような金額が羅列されています(笑)。
しかし将来の旦那様もそこまで来られるとは、かなり本気で頑張ったのではないかと思います。
そこで一旦は「OK」を出してあげてはどうでしょう。
それから経済的にも時間的にもダメな時には「ダメ」とはっきり言う!という方向にされてはいかがでしょうか。
(実際にお子様の教育費用が掛かるので、一時狩猟を休んでいた先輩ハンターがいますが、それでも好きな人は戻ってきます)
現在、山間部地域の有害鳥獣駆除隊などではどこも若い人が不足していますし、もし駆除隊の人員に欠員などがあって加入することが出来ると、僅かばかりではありますが補助金が出ます。
昨年度から捕獲報奨金の金額が大幅にアップして、イノシシ1頭8,000円くらいになります。
(それにお肉を買うこともほとんどなくなったので、それも少しは家計の助けになっているかも。笑)
だから経済的にはそれほど心配されなくてもいいのではないのでしょうか。
時間的なものですが、それは旦那様がどれだけ熱中するかによると思います。
しかし、有害駆除隊に入ったからと言って毎週必ず出席しなければいけないとかではないし、(私の地域では)用事のある時は皆自由にお休みをいただいています。
お子様のいる方はよくお休みしていますが、「よかよか、家庭の方が大事!」と先輩方も理解してくれますよ。
それよりもA子さん、 何よりも狩猟において一番大切なことは「ご家族の理解」だと思います。
私は「生き物を殺す」狩猟という行為が、生理的にダメだという方が多いことも理解しているつもりです。
しかし自分の口にしている食べ物のルーツを知らない(隠して知らせない)ような環境が、お子様にとって幸せな環境でしょうか?
今の日本において、食べ物のルーツを知ることが出来る環境で育ったお子様はとても恵まれていると思うのです。
仮に旦那様が狩猟を初めて、どうしてもダメだったりすることが出てくると思います。
(例えば風呂場でイノシシを捌いたり、血だらけの衣類で家に上がったり…)
そんな時はきちんと旦那様に「ダメ」と伝えてあげてください。
「一般人とハンターの感覚はかなりズレています」から(笑)。
それにどうしても我慢できないことがあったりしたら(ないでしょうけどDVとか)、年一回ある警察の立入りや3年に一回の更新時の立ち入り検査で、担当者に
「この人から猟銃を取り上げてください」
と言えば一発で許可取り消しになります(実話)。
だから奥さんとしては、旦那様をコントロールするアイテムにもなるんですよ。
私の妻はかなり狩猟に理解があるほうだと思いますが、それでも猟期以外は涙ぐましい奥さん孝行をしています(笑)。
A子さんの旦那様を理解しようとする気持ちはとても素晴らしいと思います。
これからもお互いがそんな気持ちを持ち続けていたら、ずっと狩猟を続けつつ素敵な家庭を築けると思います。
お幸せに♪

というのが私の回答でした。
A子さんから相談を受け、返信をしてから
私も妻とそのことについて色々と話をしました。
そこで私も気付かされることが多々ありました。
それは「待っている人間にとっての覚悟」です。
「いつも猟期は山に行ってばかりで、好き勝手してごめんね~! ハッハッハ♪」
な~んて冗談交じりに妻に言うと、真剣な顔で答えられました。
「無事に帰ってくることだけを祈って待っている」
妻からその言葉を聞き、ハッとしました。
「いつも心配させてしまってすまない…」
そうだよなぁ、持っているものが猟銃だし、世間でニュースになるのは誤射でハンター死亡とか、流れ弾が一般人に中ってしまったとかの悪い出来事ばかり。
それに狩猟って世間一般の人からは何をしているか分かりませんものね。
「一般家庭に猟銃がある」ことによる保安上の問題。
「生き物を殺す狩猟という行為」が世間一般に受け入れられるのか。
「事故に遭う確率が高いイメージ」ということに対する不安。
私が狩猟を始める時にも、始めた今でも家族にとってそれらの不安は拭えないことでしょう。
自分は好きでやっている事だから良いのだけれど、待ってくれている人がいる場合はそれらを理解してもらっていることに感謝しなければいけませんね。
今回相談をいただいてから、待ってくれている人がいるという事はありがたく幸せなことだと再認識できました。
これから狩猟を始める方の参考になればと思い、たまには狩猟に関する真面目な話でした。
【参考】ちなみに私が狩猟を始めるのに掛った費用と時間はこんな感じです↓
狩猟にかかる費用とタイムスケジュール鳥獣対策総合案内コーナー(鳥獣対策、狩猟へのご案内など)↓そうは言っても男には「自分の世界」があるんだよ!とちょっと思った方はクリックプリーズ(笑)
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これからもよろしくお願いします♪
そんなこと考えたこともなかった~
でもよく考えてみたらそうかもしれませんね
爺さん、親父も鉄砲撃ちだったから自然の流れで私も二十歳から鉄砲撃ちになったというのが実情でしたから、色々なことを考えさせられました。
私も嫁さんと話してみよっと☆
ウチも狩猟中に連絡が取れなくて山で遭難しかけたときはこの人から銃を取り上げようと真剣に思いましたもん。
スマホが繋がらない場所ばかり行きますからね。
なので無線を取ってもらうことにしました。
本人が好きなことを諦めさせたら可哀想ですしね・・・。
私もじゃんさんの奥様を見習います。(キリッ)
だったら100回押してた
その辺で死んじゃってても良いそうです。
なので、出かけて、死んじゃってたらこの辺だからと、場所方面だけは言って出かけています。
血も涙もない夫婦もいる訳ですが、お肉を持ってくると、オイラが料理するので喜んで食べますね。
テッポウなんてタダで手に入るしね~~
お金かけりゃきりがないのは、どの世界でも同じだしね~
そして、この世界の技と言うのは、もはや貴重なもので、後世にはしっかり残してあげたいものですね。
後輩がいなきゃ、教える事も出来ませんからね~~
この特殊な資格は今後絶対的に希少な資格となります。
持っていて損は無いと思いますよ!
当地ではどんなに嫌な顔する人でも、超やばいものが出てくれば我々のような人種を神様、仏様のような目で見てきます。
夫は私にこの記事を見せたかったようです。
自分のこと、当事者…といえばいいのかな。
てっぽううちの夫と暮らして30年。
いろんなことがありました。いいことも、嫌なことも…
でもね、面白かったですよ。ほんと。
そして今は病気で撃てなくなっている夫が、早く回復して
またてっぽううちとして人生を楽しんでくれればいと心から思ってます。
じゃんさんが言われるように、ダメはダメ、いやはいや。
どんなご夫婦でもそこは基本ですよね。
ご相談された方に、老婆心ながらお伝えしたい。
現代社会のなかで、少し変わった人生をぜひ楽しんでください。
けっして損はありませんよ~~!(^^)!
そして、じゃんさん。素晴らしい回答に拍手!!
大切にしないといけませんね。
「愛だろ!愛!!」っていうCMが昔ありましたね(笑)♪
保安上の問題もあって、過去ログにも数回しか登場させていません(笑)。
はい、今後ともよろしくお願いします。
はい、私も今回色々と考えることがありました。
ゆっくり話すのも良いものだなと思いましたよ(笑)。
そうですよね~、音信不通の場所に獣を追っかけて行くから心配ですよね。
私も今回の事で反省することが多々ありました。
以後気を付けます。
過去ログに何回かは登場しています。
本当は私の妄想だったりして。。。
照れ隠しに「待ってない」なんて言うのですよ。
カワイイ奥様じゃありませんか!
そ、そう信じましょうよ。
あれ、なんだか涙が…。
そちらは超ヤバそうなヤツが沢山いますからね…。
知床桜さんもお気をつけてください。
ふふふ、カワイイ旦那様じゃないですか(笑)!
一日も早い回復をお祈りしています。
そうですね、鉄砲撃ちの世界を間近で体験できるのは、やはり貴重な事であり面白いものも多いと思います。
嫌なこともありますけどね…。
ありがとうございます♪