※閲覧注意!かなりリアルな解体の写真をアップしていますので、苦手な方は回避ください。では始めま~す。
今回は解体に関するお話。
解体方法やそれに用いる道具はハンターや地域によって様々で、そのどれもが興味深くおもしろいものでどれが良いとか悪いとかは言えません。
しかし私が所属させてもらっている大物猟のグループが使っている道具は凄いですよ!
メインで使う道具が
「カッターナイフ」ですから(爆)!!
まずはプリプリと肥えたイノシシを用意し、厚手のゴム手袋を着用して70℃くらいのお湯をかけながら毛穴を開かせて毛を抜きます。
残った毛はナイフで剃り、更にガスバーナーできれいに脱毛。

この方法だとコリコリした皮まで食べられます。
煮物にすると美味しいんですよね♪
捌いているのは「カッターナイフの魔術師」の異名をとる若き勢子。
彼は元々持ったセンスが良い上に、若くして物凄い数の獲物を捌いているのでムチャクチャ手早いですね。

まずは喉元から股まで一直線に切れ目を入れていきます。
マスク(花粉症だから)と使い捨てのゴム手袋(感染症予防のため)を着用しているとまるで手術中のようです(笑)。

胸部は肋骨があるので大胆に、腹部は腹膜を破らないように繊細に開腹。
次に骨盤を開くために腿肉の中心を切り広げて骨盤を露出させます。

繋がっている4か所(分かりやすいよう黄色の線を引いてみました)を切り割り、腰骨を取り除きます。

ここで使用している道具は
剪定バサミ(もっと大きなイノシシの時は太枝切りバサミを使用)なのですが(笑)。
次に胸骨の切除。

軟骨で繋がった黄色のラインに沿ってカッターナイフを入れていくと、骨を避けて軟骨部分で簡単に切り離せます。
消化器を包んでいる腹膜と腹肉の間に手を入れ、押し広げて剥がした後、腹膜を傷付けないように横隔膜を切り離します。

ここまで進むと邪魔な骨は取り除かれ、消化器・循環器は喉笛と肛門で繋がっているだけの状態となります。
喉笛をカットし、切った喉笛を後方に引っ張りながら内臓を取り出します。

腹膜に包まれたまま内臓を摘出。

胸腔に溜まった血はタオルで拭き取ります。
ちなみに黄色で色を付けた部分は内ロース(ヒレ肉)。
この後骨抜きを行って肉を部位に分けて行くのですが、この工程もカッターナイフで行います。
骨の接合部に薄い刃先を入れていけば関節も簡単に外れますし、骨に沿って刃先を滑らせていくと容易に骨抜きも出来ます。
(脊柱もカッターナイフでバラします)
カッターナイフを使う最大の利点は、使い捨てで切れ味鋭い刃先が使える点でしょう。
道具の使い捨ての是非は置いておいて、猟期に連日何頭もの解体をしなければならない時などは、道具の手入れが最小限で済むという事は疲れた体にはありがたいことです。
カッターナイフで捌くと言うと、道具が道具だけに他のグループで捌く時はかなりビックリされるのですが…(笑)。
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自分としてはお湯で毛抜しているとこを見てみたいっす(*^_^*)
以前、射撃場でイノシシの解体の話になって、お湯で毛抜する地方がある話をしたら、みんなびっくりしてましたよ。
こちらでもカッターナイフは多用していますよ。皮剥ぎに使っている方が多いようです。
私も以前は腰骨を切るのに剪定バサミを使っていましたが先が尖っているので現在は鉄板を切る先が丸いハサミを使っています。デカイ奴は先が尖っていない鋸使っています。
研ぎながら作業より、カッターナイフの方が効率も仕上がりも良さそうですね。
膀胱とかを破損させるリスクも少なそうですし。。^^;
食道と腹膜の間に見えるのは、横隔膜(ハラミ)でしょうか?
今や牛肉では人気商品?と化してますが、20年程前まではゴミヒモとして廃棄されていたりも…
イノシシもこの部位は美味しいのでしょうか?
会社の事務用のとかを持っていって、仮の翌日会社に戻しておいて、「このカッターなんか生臭くない?」とかってことになったりすることはないんだろうか(笑)?。
お湯は70℃~75℃くらいのお湯を少しずつかけていくと、毛穴が開いてズルッと抜けます。
温度が高すぎると煮えて熱収縮を起こしてしまうし、低いと毛穴が開きません。
お湯を出せる設備があったらダニの駆除にもなるし楽ですよ。
今度使ってみます。
今度探してパクらせていただきます(笑)。
皮剥ぎってイノシシの皮剥ぎですか?
こちらでは鹿の皮剥ぎに多用しています。
ただし内臓を破損させてない事や、獲って解体までの時間が短いものに限られます。
内臓が近いから匂いが移るんですよね。
私は刃先が入っていたケースを捨てずに持っていて、使い終わったものはその中に入れて持ち帰っています。
血液なども付きますし、洗ったとしても細菌やウイルスの問題もありますから…。
まあ、逆にオイルの匂いが染みついたカッターで捌いて、肉に匂いが移ってもいけませんしね(笑)。
腹膜って破るとなにか問題があるのですか??
大分のファルコンさんじゃないですよね?
理由はですね、腹膜を破っても臓器を傷付けなければ問題ないのですが、腹圧で膀胱や腸が飛び出してくるし、それらに少しでも刃先があたると内容物が飛散して酷いことになります…。
それを防ぐためにも2重に膜に包まれた状態で解体を終えたいのです。
大分では無いですよ、大阪人になります。
変な質問ですいません、なんでも確かめないと気がすまない性格なものでm(__)m
ご説明を聞き得心いたしました(^_^)
しかし、生き物の体って、うまく出来ているものなんですねぇ(^_^)
いえ、私も改めて質問されると上手く説明できなかったりするので、こうやって言葉にすることは大切だと思いました(笑)。
去年自己流で解体をして性器を切ったら臭い尿があふれ出して困りました。だから今期は是非このサイトを参考に成功したいのです!お願いします。
若き勢子は特別に解体が上手いですね。
オスの場合、ペニスの先を細い針金か丈夫な木綿糸(水糸など)で縛ってから解体します。
腹膜とペニスに間に刃先を入れて肛門方向にぶら下げると、尿道は腸と同じ場所から出ています。
後は骨盤を割ると、内臓と一緒に引っ張り出せます。
うーん、言葉じゃ伝わりにくいですね。
機会があったら写真をアップして記事にします!
是非!写真のアップお願いします!ワナの事や詳細な解体の解説と写真もお願いします。なかなか無いんですよね。腹切って、内臓摘出した後の写真2枚で終わりってのばかりで、私のように新人には歯痒いです。因みに今期は空ハジキばかりです。来週の寒気に期待です!
しかしなんでもかんでもネットの情報に頼ってしまうというのは、狩猟の特性上いかがなものかと思います。
近隣の先輩ハンターから教えを請い、更に自分で経験を積み研鑽を重ねることで技術も上がり、地域住民や先輩ハンターとの円滑な人間関係を築けてトラブルなども少なくなるのではないでしょうか?
すみません。私の様な初心者のヘナチョコが生意気言って申し訳なく思いますが、狩猟においてはとても大切な事だと思うのです。
いやいや、猟友会は狩猟者登録やハンター保険の事務手続きを行ってくれる任意団体ですし、積極的に懇親会や親睦会を開いてくれるような集まりではないです。
厳しい言い方ですが、先輩方に頭を垂れて教えを請うという姿勢は大切ではないでしょうか。
私は先輩のご自宅に訪問する時でも、ちょっとした手土産を持参したりと、これでもかなり気を遣っているんですよ(笑)。
汚れ仕事も力仕事も進んでやりますし、猟が終わると心身ともにヘロヘロです。
恵まれている訳ではありません。
それでも一生懸命に狩猟を続けていれば仲の良い人もたくさんできてくると思いますよ♪
イノシシの背骨もカッターナイフでバラバラにできます♪