車酔いが酷いイトを山に連れて行くときは1時間近く早起きして、酔い止めの薬を飲ませます。
これがそのワンコ専用の酔い止め薬。

イトの体重だと1錠が1,500円!!ほどにもなりメチャクチャ高価。
しかしまあ
「すぐに猟欲が身に付いて車にも慣れるだろう」
と楽観的に考えていました。
いつもの散歩の時、車に乗せる時の様子はどうなのかというと、他の犬は「ヒャッホーイ!!」と喜んでゲージに入り込みます。
しかしイトちんは「みんなと一緒に遊びには行きたいけれど、酔うから車には乗りたくない…」という感じで、車の周囲をウロウロ。
その頃には条件反射で口からヨダレが垂れ始めます。
「うう、遊びには行きたいけれど車に乗ったら気分が悪くなるからどうしたらいいか分からないの…」
と、最後にはその場にしゃがみ込んで私が抱えて車に乗せることが続いていました。
「このままじゃ本当に車嫌いになりそうだ…」
実際に猟へ連れて行くときには、移動時間もかなりあるし、皆で見切りをして作戦会議を行って、ワンコ達を山へ放つまで結構時間がかかります。
車酔いが酷くなるとケージの中で嘔吐したり、ウンチを漏らしたりします。
イトは何も悪くないし、こればかりは持って生まれた体質なのでしょうがないですね。
なので本当に泣きそうな値段だけど、猟欲が付く前に車嫌いになってもいけませんから高価な薬を飲ませて予防することにしました。
やっぱり可愛がって育てたイトが少しでも楽だと良いな、と思ったからです。
「車に乗ると山へ行って獲物を追いかけて楽しいんだよ!」
と思ってくれれば少しは緩和されると思うのですが、しかし今はまだその段階ではありません。
まずは砕いた薬を「ちゅーる」に練り込んで与えます。
ガツガツと完食し、その他諸々の準備が終了してからイトをゲージに乗せます。
現場に到着すると、ヨダレはアブク状になって酷いけど吐いたりはしていません。

「よしよし、薬が効いたかな」
何度か山を走らせ、獲物にも遭遇して少しは野山を駆け回る楽しさを覚えた感じ。

(倒した鹿を噛んでいる図。一番右がイト。真ん中はカヤさん、左モリさん)
それと同時にイトちんに変化が。
いつもと同じように早起きして「ちゅーる」に練り込んだ薬を与えようとすると、プイっと横を向き全く口にせず。
「イト、これ飲まないと車酔いが酷くなってキツイよ」
「絶対にイヤよっ!!それ飲むと気持ち悪くなるもん…」
どうやら
「酔い止めの薬を飲む=車に乗ると酔う」と誤った認識がイトの中で定着したようです。
「いやいやいや、これ飲んでいるからその程度で済んでいるんだよ」
なだめすかして飲ませようと試みますが、しかし頑として飲まず。
目先を変え鹿の生肉に埋め込んで飲ませますが、今度はきれいに薬だけ吐き出します。
「お願い!高い薬なんだから頼むよ~」
「だってその薬を飲まないモリ姉ちゃんとカヤ姉ちゃんは平気じゃん! 私が気分悪くなるのはそれを飲むせいに違いないわ!!」

(左よりイト、カヤ、モリ)
とでも言いたげに、頑なに拒否!!
もう諦めてそのまま出発!
その日は大きなイノシシと鹿が2頭獲れ、鹿の1頭にイトもガブリ付くことが出来ました。

「まあ、まだまだ自分の役割も分かってないことに変わりはないけれど、これで少しは猟欲も付くだろう」
前回に続けて獲物を噛ませることができ、少し安心しました。
後は誤った認識が緩和して車酔いが少しでも良くなることを祈るばかりです。
うう、色々あるけれど今日も自然の恵みに感謝です。
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