猟期が終わって
「やった~っ! さあ、釣ったり潜ったりして魚獲りまくるぞ!!」と思っていると、あっと言う間に有害鳥獣捕獲活動が始まってしまいました。

(これはハシブトガラス。頭が良く人間との知恵比べとなって捕獲実績もなかなか上がりません)
この日はイノシシの駆除依頼が出ていたので、ふじ1頭を連れて山入り。
(モリとカヤは発情中で出せず)

皆さんの車や軽トラの荷台をチェック中♪

「まあ、猟期が終わってちょっとポッチャリ体型になってきたし、ふじのダイエットにちょうどいいか!」
30℃近くまで気温が上がり、ボトボトと全身から汗を流しながら山を登ります。
「猟期は全ての休みに出猟するくらい狩猟が好きだけど、こんなに暑くなると山入りするのが本当にツラい。
(有害鳥獣駆除活動と狩猟は別物ですが、改めてその事については記したいと思いますので、ここでは詳細を割愛します)
ダニや毛虫やスズメバチやマムシもいるし、草も茂って誤射の可能性もある。
それに犬も人間もオーバーヒートして熱中症の危険性はかなり高い。
イノシシは脂を落として動きも素早いけど、暑いから犬に防刃ベストを着せることも出来ないし…。
しかし罠ではどうやっても獲れない老獪なイノシシは多いし、猟犬を使ったイノシシ対策が必要なのも理解できる。
建前だけのキレイごとばかりは言いたくないけれど、実際に有害鳥獣被害に苦しんでいる農家さんが多いのも事実だしな。
それにやっぱり何より、猟犬を使ったイノシシの捕獲方法を次の世代の若者たちに伝えていかないといけないしなぁ」
社会生活を送る上では立派な「おっさん」世代ですが、超高齢化が進む猟友会の中ではまだまだ若手の勢子役として体と心にムチを入れます。
思えば狩猟を始めて夢中になっていたら、あっと言う間に10年以上が経過していました。
山の中を駆け回ってたくさんの事を先輩ハンターの方々から教わり、良い猟犬の血統を受け継ぐことも出来ていますが、いつまで経っても自分が一番下っ端に近い立場であることに愕然とします。
そんな現状を鑑みて、最近では狩猟の技術や経験を繋ぐことをよく考えるようになっています。
そうは言っても「ヤル気も謙虚な気持ちも無い人間に教えるなんてまっぴら御免!」という傲慢な自分に変わりはないのですが…。
(そこら辺が私のダメダメな所でしょう)
何度かイノシシを起こしたり(寝屋から追い出す)立てたり(啼き止めること)しながら、この日は70kgのオスイノシシをゲット。

そして暑くて獲物の行動パターンも変わり、山の中でイノシシも猟犬も冬とは異なる動きをするのを見ることが出来ました。
待ちを張って猟犬を山へ放ち、尾根を歩いていると、目の色を変えて斜面を駆け下りて行くふじ。
「匂いを嗅ぎ当てたな」
私も急いでふじの後を追います。
すぐに獲物を発見して啼き出すと思っていたのですが、斜面途中に座るふじの姿。
警戒して両耳はピンと立ち背中の毛が逆立っていますが、座り込んで一歩も動きません。
前方の斜面は雑木が生え、斜面にたくさんの枯葉が敷き詰められています。
「ふじ、一体どうしたんだ?」
油断したつもりはなかったのですが、その時突然大きな物体が地面から飛び出て、斜面を転がり落ちるように走り去ります。
距離3~4メートル。
私は銃に弾を装填することも出来ず、走り去るイノシシとギャンギャンと啼き声を上げながら追いかけ去るふじを呆然と見送る事しか出来ず。
暑くて風通しが良い拓けた山の斜面の小さな窪みに寝ていたイノシシ。
そして草木の生い茂った藪中の寝屋にイノシシがいると思い込んでしまった猟犬とハンター。
拓けた斜面でイノシシにぶち当たり、「どうしよう!?」とふじが座り込んでしまったという訳です。
私はふじが見ている方向の10メートルほど向こうの藪中に集中して視線を移していたし、手の届きそうな近距離から大きなイノシシが
ガバッ!!っと立ち上がり、本当に腰を抜かしそうになりました。
急いで無線連絡を入れ、首尾よく待ちを張っていた射手にかかり撃ち獲られました。
その他にも小さなイノシシが複数頭出た感じで、皆さんの話を総合すると子連れのメスイノシシと追って来たオスイノシシがいたようです。
「ふう、なんとか仕留めることが出来た…」

(山を競った後、清流で体を冷やすふじ)
「暑い中、ふじもよく頑張ってくれたね。牙の長いイノシシだったけどケガも無く良かったよ」
皆さん、暑い中お疲れ様でした。
今日も自然の恵みに感謝です。
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