秋晴れの穏やかな日に、今年初めてのハゼ釣りに行って来ました。
ポイントは近所で一番大きな河川の河口近く。

満潮の時間に合わせ、仕掛けを投入!!
1投目から大きなハゼが上がってきます。

「お、良い感じ! たくさん釣って今晩は天ぷらだ!!」
空は青いし風は穏やか。
本当にハゼ釣りって日本の優しい風景を代表する様な長閑な釣りだよなぁ♪
のんびりと釣り糸を垂れていると、遥か遠くの対岸から何やら楽器の音。
ここは場所も広いし、周囲に民家が密接したりしていないので、ブラスバンドの奏者さんやバンドマンが楽器の練習に来ていることを知っていました。
「コロナ禍で演奏する場所も練習する場所も限られているのだろうな…」
ちょっと気の毒になりながら、ギターの音合わせや発声練習を聞きつつ、ハゼを釣り続けます。

ボロンボロン♪と少し哀しい感じのギターの音色。
何の曲を練習しているのかは分からないけれど、今や懐メロと言ってもいい昭和のフォークソングに近い感じ…。
最後はハーモニカ(ブルースハープと言うのでしょうか?)の音まで聞こえてきました。
そして100メートル以上離れた対岸から、ジャカジャカと聞き覚えのあるメロディー。

(その間にも魚は釣れ続けます。これはスズキの赤ちゃん、セイゴ)
「好きです好きです心から~、愛していますよと~♪」
「およ!?長渕剛の『巡恋歌』だ」
遥か遠くにいたので歌っている方の風貌は分からなかったのですが、小学生くらいのお子様を2人連れているので30代半ばと言う感じ。
「そんな年齢には思えないけどなぁ…」と思いますが、知っている歌なのでついつい口笛で伴奏してしまいました。
キョロキョロと周囲を見回すお父さん。
「あ、いけね。邪魔しちゃったかな?」
と思いつつ、「ピィ~ッ!」と口笛を吹いて合図をすると演奏を続けてくれました。
かなり自分でアレンジを加えているとは言え、オリジナルの良さを殺さないようにしていて、対岸のお父さんは歌い演奏を続けます。
私はと言えば、控え目に口笛を吹きながら更にハゼを釣り続けます。

これはチヌの子供。

対岸のお父さんの演奏は更に大きくなり、「こんなに好きにさせといて、『勝手に好きになった』はないでしょう~♪」という部分で、歌声は絶叫に近いものになり涙声にすら聞こえます。

そんなことに関係なくハゼを釣り続ける私…。
「どうした、お父さん? 何か哀しいことがあったのか!? 大人は皆なにかしら哀しいことを抱えて生きているんだ。それに子供の前でそんな昭和の失恋ソングを泣きながら歌っちゃダメだ…」
ジャカジャカジャカ~ンっ!!とお父さんの演奏が終わり、
「ピィ~ピィ~ッ!!(良かったよ!!)」と口笛で合図を送ります。
単なる長渕ファンなのか、曲が好きだったのか、それとも巡恋歌のように哀しい出来事があったかは分かりません。
しかし思いもよらずお父さんの哀愁溢れるライブが楽しめて、かなり得した気分でした(笑)。
でも今晩のハゼの天ぷらはきっと涙の味がするんだろうなぁ…。
今日も自然の恵みに感謝です。
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