「平和だねぇ」

日向に咲くオオイヌノフグリの可憐な花。
この日私は、膝を捻挫して勢子役が出来ず、畦道に咲く山野草を眺めつつ待ち(狙撃手役)につきます。
山に入りする時は静かに注意深く周囲のけもの道の使用状況やカセギ(餌を食べた痕跡)を見ながら、最適な待ち受け場所を探します。

「早生のタケノコが食い散らされてるな…。乾燥具合から見て一日前のものだけど、イノシシがいる気配濃厚」
勢子役の皆さんが猟犬を放ち巻き狩りの開始!!
すぐに起こし啼き!!
しかし猟期終盤になり追われ慣れたイノシシは、通常なら逃げない場所から包囲網の外へ逃走します。
その猟犬の飼い主の勢子役と私は、車に乗り込みイノシシと猟犬が逃げた隣山へと追跡開始。
何度も山の中を行き来して二人で挟み撃ちにしようと試みますが、上がった気温にワンコ達がオーバーヒート。
「お~い、犬を捕まえた。暑さでバテ上がってあきらめて帰って来た」
「そうですか、残念だけど犬にケガなくて良かったですよ」
元の待場に戻ろうと車を走らせていると、かなり慌てた勢子役の無線連絡。
「シシが出てるっ!!いk〇&$”‘@」「ん?何が起こったんだ」
状況が飲み込めないまま、近くで2発の銃声。
そして車の横30メートルほどの距離に大きなイノシシ出現!!
急いで軽トラを停め、銃ケースから銃を取り出し車を降ります。
イノシシはまだまだ草原にいてキョロキョロと周囲を見渡しています。
「こいつが逃げ廻っていたイノシシだ! 犬に追われてノロノロと動きが鈍いぞ。ゼイゼイと肩で息をしている感じだし」
銃を覆った銃カバーを引き剥がしますが、焦って銃の先端の照星(狙いを付ける印)に引っ掛かり更に焦ります。
「くそっ、こんな時に!」なんとか銃カバーを外し薬室に弾を装填しますが、すでにイノシシは山へと消えていました。
すぐに他の勢子役の方の猟犬が発見し、反対側の山向こうまで逃げて行ったところで射手に撃ち獲られました。

60kgほどのオス。
後で無線連絡をした勢子役に聞くと
「池の淵でイノシシが水を飲んでいたんだ。イノシシも追われて喉が渇いて堪らなかったんだろうなぁ。
慌てて車から降りて、遠かったけど撃ったけどカスリもしなかったみたい。
その後、池の土手を下ってお前さんの所に出現したんだろう」
とのこと。
「ふう、苦労したけど連係プレーでなんとか上手くいったなぁ」
他にも複数のイノシシが出たようですが、猟期終盤になって逃げ方も老獪になってきたので、1頭でも仕留めることが出来て良かったです。
今日も自然の恵みに感謝です。
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