少し前の事になります。
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「うう、空気が冷たい。冷気が皮膚を刺すようだ…」
冷え込んだある日の朝、獲物の痕跡を探すために見切りをしますが、どこもかしこも霜柱で地面がカチンコチン。

ザクザクと霜柱を踏みしめる感覚。
「ああ、そう言えば小学生の時はこんな風に遊びながら登校したっけ。
だけど今の小学生は舗装道路ばかりでそんなことも体験したことないだろうなぁ…。

氷が張っていたりしたら子供に見つかって全滅だったよなあ(笑)」
「そっちはどんな感じ?」
少し経って状況確認の連絡が来ますが、霜柱でさっぱり分からず…。
「正直言って全然分かりません!!」
そんな役立たず(私の事ね)は放っておいて、諸先輩が見つけてくれた場所を攻めます。
(私は我が家のワンコ達がみんな発情期になってしまったので、人間だけの参加です)
この日は中シガキ(包囲網の中間地点で待ち受け、状況に応じて遊撃手的に動き回る役)として山に入ります。
山の中にあるヌタ場(イノシシのお風呂)。

「上澄みが澄んでいる。一日遅れだな…」
尾根近くまで登る途中に、静かに獲物の痕跡を見て回りながら「あ、こんな日は木に覆われた場所の痕跡を探せばいいんだ!」と気付きます。
中シガキは獲物の寝屋に近い場所を通る可能性も高いので、枯葉を踏んだ僅かな音も立てないように気を遣って配置に付きます。

今日の待ち場はこんな感じ。
山頂近くの尾根道に近い開けた場所。
別々の場所から犬を入れた勢子役の連絡中継地点としても役に立ちそうです。
「犬を放すよ~」
との連絡。
そしてすぐにイノシシを起こしたとのこと。
真っ直ぐに犬の啼き声が近付き、バリバリと枯れ竹を踏みしめる音。
「さあ来い!!」
すぐにでも私の目の前に飛び出して来るくらいまで気配が近付きますが、しかし姿を見せずに藪が茂った場所を通過。
待ちに付いた狙撃手に急いで連絡を飛ばします。
「そっちに向かったよっ!!」
一旦山裾まで下り、それから包囲網を布陣した谷場に猟犬の追い啼きが木霊します。
「完全に包囲網にかかった。こちらの作戦勝ちだ!」
後はいつ銃が鳴るかと待機しますが、いつまで経っても銃声は響かず、やがて猟犬の啼き声は遠ざかって聞こえなくなります。
「やられた。藪深い場所を逃走した」
結局、私を含めて5人の銃を躱し、大きな隣山へと逃げられました。
しかも猟犬の一頭が受傷。
(幸い軽いものでした)
「本当に今日は完敗だったなぁ。完全に見破られていた。悔しいけど敵ながら天晴れ…」
こちらとしては読み通りだったけれど、手練れのイノシシの方が一枚上手でした。
今猟期初めてのボウズで残念!!
まあ、翌日はきっちりとリベンジしましたけどね。

猟に行くと本当に色々な物語があります。
今日も自然の恵みに感謝です。
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