実はニワトリの孵化を試みて卵を温めている間に、2羽いるホシノさんの1羽がお亡くなりになりました。
いつもピンと足を伸ばしてお尻を上げて歩いているのですが、腰が落ちトボトボと歩くようになり「もう長くないな…」と悟ります。
そしてヒヨコの誕生予定日の1週間程前に柘植の木の下で死んでいました。
「ニワニハイチワシカニワトリガイナイ」
埋葬を終え、一羽だけになったホシノさんを眺めながらそんなことを呟きます。
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孵卵器で卵を温めている間、ネットで孵卵に関する記事を調べ、孵卵器に付属の「孵卵の基礎知識」という小冊子を何度も何度も読み返します。
21日後にはヒヨコが出てくる予定。(ちなみにウズラは17日)
「ピー!!」
と電子音が鳴ると、転卵の合図。
卵を乗せた円盤状のトレーが動き、ゆっくりゴロゴロと卵が回転します。
外出自粛のムードの中、家の中で孵卵器の透明プラスチックドームの中に設置された卵を眺めます。
「本当にこんな装置で孵化してヒヨコが出てくるのだろうか」
孵卵器や有精卵を購入する前に何度も何度も色々な記事を読んで勉強しましたが、素直にそんなことを考えました。
卵黄の中にある「胚」とよばれる部分が発達して、卵黄の養分を吸収して胚がヒヨコになる。
ざっくりと言うとそんな感じですが、この小さな卵の中でそんな壮大な生命誕生のメカニズムが働いているとはとても思えませんでした。
孵化予定の3日前にはプログラム通り孵卵器の転卵が停止。
特に何も変化は見られず孵卵器の中を観察していると、誕生予定に近くなった20日目に明らかな変化が。
きちんと並べて温めていた卵の方向が変わっているのです。
これは孵化しようとしているヒヨコが、卵の中で一生懸命体を動かしているために起こる現象です。
「動いている…」
ちょっぴり感動!
実は卵の中でヒヨコが育っているかどうか光を当てて中を見る「検卵」という検査方法があるのですが、「検卵をすればするほど(素人が弄りまわすほど)孵化率が下がる」という記事を見たので一度も検卵をしませんでした。
かなり不安でしたが、宅配便で運ばれてきた不安定な有精卵の孵化率を少しでも下げたくなかったのです。
そしてもうじき21日目になろうかという時に、卵の一つの表面が小さくひび割れて、中から「ピーピー」というヒヨコの小さな声が聞こえてきます。

「嘴打ち(はしうち)が始まった!いよいよだぞ」
嘴打ちとは雛が卵の中から嘴を使って卵殻を割る行為です。
親鳥が卵を抱いて孵化している場合は、親鳥が殻を割るのを手伝う場合があるそうなのですが、「基本的に雛は自分で出てくる」ということを信じて待つことしばし。
1羽目の誕生!!

この頃になると何個もの卵にヒビが入っているのが分かります。
雛の羽毛が乾いているのを確認して、少しだけ孵卵器を開けて様子を確認。
とっても元気!
(長く開放したままにすると、産まれたばかりの雛鳥の体温が下がるので注意)
こちらは目の前で殻を割って出て来た雛。

産まれてきた雛は、お腹の中に栄養素である卵黄成分を蓄えているので、落ち着くまで孵卵器の中に入れたままにしておきます。
卵殻は頃合いを見て除去しますが、気になることが一つ。
最初に嘴打ちを始めた卵の雛が、24時間経過しても誕生しないのです。
少し卵を持って見ると「ピーピー」と鳴いています。
「まだ元気だし大丈夫だろう」
最初の嘴打ちから30時間が経過し、その間に4羽の雛が元気に誕生。

卵の様子を見ると鳴き声も弱々しくなり、卵の内側の膜も乾燥が進んでいるので、覚悟を決めて親鳥代わりに孵化の介助をすることにします。
細いピンセットで少しずつ殻を剥き、嘴と腹腔の位置を確認。
羽毛が濡れて卵の内膜がスルリと剥離するのを確認しながら、上半身と背中が露出するくらいまで手助けして、孵卵器の中にそっと戻します。
(特にお腹の膜は薄くて、無理をすると破れて死ぬことが多いとのことだったので、触らないようにしました)
「後はこの子の生命力に賭けよう」
1時間ほどして見ると、無事にヒヨコの体から卵殻は外れていました。
しかしグッタリとして横たわったまま。

「他の雛はすぐに元気に動き回り始めたけど、この様子じゃダメかもしれないな…」
そんなことを思っていたけど、半日もすると元気に動き回っていました。
良かった!
結果的に10個の卵を温めて5羽のヒヨコが誕生。

初めてだったので、この結果が良いものか悪いものかは分かりません。
刷り込みが成功したのかどうかは分かりませんが、私の顔を見ると鳴いてエサをねだります。
しかしまあ、ピヨピヨと元気にエサを食べて動き回るヒヨコを見ていると、荒んだ心がとても癒されます。
たくさん食べて大きくなるんだよ。
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