ホームセンターの高級ドッグフード売場の前で私は悩んでいました。
「ふじの体調が悪くてほとんど食べないし、食べても吐く。いったい何を食べさせよう…」
原因不明の体調不良により一番困ったことは、ふじがエサを食べないことでした。
あんなに大好物だった鹿の生肉も食べないし、茹でたイノシシ肉も食べない。
試しに買ってきた鶏のささ身を与えてみましたが、ほんの少し食べては吐いてしまいます。
それで
「今までに買ったことが無いような高級ドッグフードだったら食べるかも。ウエットフードだったら消化も良いだろうし」
と思ったのです。
小さなパック入りの高級ドッグフードを何個か購入して帰宅。
おそらくトリミングのためにドッグサロンに通う様な小型犬のために作られたであろう小さなドッグフードパックを少し温めて与えてみますが、やはりまったく食べようとしません。
ふじは一頭飼いで育って、他の犬にエサを取られる心配もないのでエサに執着しない犬です。
そしてちょっと理由があって、他の人から与えられたものや落ちているものを拾って食べないように躾ました。
その理由というのは、近隣に有害鳥獣対策として「毒エサを撒いている人」がいて、実際にハンターの猟犬が死亡するというトラブルがあったからです。
山野に毒エサなんぞを撒かれると正直対策ができませんし、猟犬の異常が分かった時にはほとんど手遅れという状況なのです。
そんな環境で育ったので、たまに実家に連れて行って今は亡きミックやジャンと遊ばせて、おやつのビスケットなんかを親父やお袋が与えても、
「食べた事のない甘い味がする。それに他の人からエサをもらっちゃいけないって言われてるし…」
と、少しだけ舐めて食べずにジッと眺めていました。
それを見てなんかなんだか可哀そうになったのと、地域で問題になっている毒餌を何に混入して撒いているのかを知っていたので、甘い物をたべることも人間社会での生活の一部だと思い、少しだけ食べさせることにしました。
「こんなに美味しいものがあるんだ!」初めてロールケーキの切れ端を食べさせると
パアアァ!と嬉しそうにふじの顔が輝いたのを思い出します(笑)。
そして今回体調が悪くなり、初めてふじがエサを食べないような状況が起こりました。
受診した獣医さんで注射をする時に、性格が『天空の城ラピュタ』の女海賊ドーラのような看板娘さん(還暦越え)から言われた言葉を思い出します。
「唐揚げでもソーセージでもいいから、こんな時は好きな食べ物はなんでもやってあげて。まず食べて栄養を付けないとダメよ!」
「そうだな、このままでは体力を消耗していくだけだ」
と思い、プリンを大量に買い込みます。

「このプリンはふじが大好きなプリンだ。消化も良いので胃腸への負担も少ないはず」
そう思い、半分ほど皿に取って寝ているふじの鼻元に持っていきます。
しかし少しだけ匂いを嗅ぎ、ペロッと舐めるだけ。
「ダメか」
そう思った瞬間、ハッと目が覚めたように起き上がり、ハグハグと皿のプリンを完食!
「よかった!! しかしこの後吐かないかが問題だ…」
しばらく様子を観察しますが吐く様子は無く、
「もっとちょうだい!」と真剣な表情で訴えかけられます。

残り半分のプリンを与え、その日は就寝。
夜中に吐く様子もなく、翌朝にふじの様子を観察。
「プリンくださいっ!」
起きて一番に食べるものをねだられ、尻尾をフリフリして上機嫌♪
久しぶりにふじのそんな表情を見て、なんだか泣きそうになりながらプリンを与えると2個完食。
たまたま薬の効果が出てゆっくり寝て回復したのと同じ時期だったのでしょうが、私にとってはプリンがふじの命を救ってくれたように思えたのでした。
はっきりとした理由は結局不明のままでしたが、その後も容態は安定して他のエサもガツガツと食べるようになり、無事に治ったようです。
ホッとして、今度は私の方がドッと疲れが出て熱を出してしまいました(笑)。
それにしても良かった。
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