※記事に猟犬の繁殖や猟芸に関しての記述がありますが、あくまで個人的な意見であり、また血統などについても不勉強な点があって間違っている箇所があるかもしれないことをご了承ください。
猟期を目前にしてふじに発情期が来ました。
しばらくは猟に使えなくなるので「なんてこったい!」と思いながらも、ずっと考えていたことがありました。
「ふじの子犬が欲しい!!」それには一つの理由がありました。
私は次の猟期で8回目の猟期を迎えることになりますが、私が狩猟を始めたころにバリバリと現役で使役していた猟犬のほとんどが引退していたり、「若犬」と呼ばれていた猟犬が10歳を超える「老犬」になっている現実があるからです。
(10歳を超えてもバリバリと働いている猟犬はたくさんいますが、全盛期ほどの働きは難しいのです)
私の行ってる猟犬を使っての巻き狩りは、猟犬がいないと猟自体が成り立ちませんし、「一犬、二足、三鉄砲」という狩猟の諺があるくらいに優れた猟犬は何にも代えがたい猟師にとっての財産です。
優れた猟犬の血統は絶えてしまうと復活させることはできませんし、新たに作り出すことは至難の業です。
そして全国的にハンターの高齢化が進み、自分で猟犬を飼い育てて勢子役をしようという若いハンターが減っていることも、優れた猟犬の血筋を維持するのが困難な状況に拍車を掛けていると言ってもいいでしょう。
そんな状況で(そんなに無茶苦茶たくさんの猟犬を見てきたわけではありませんが)、ふじほどフレンドリーで狩猟も優秀なシシ犬(イノシシ猟に使う猟犬)を知らなかったからです。(←超親バカ)
それにグループ内の猟犬の血も濃くなっていましたからね。
イノシシと闘う大物猟用の猟犬を使役するにあたって、私が一番怖いのは人間に対する攻撃性です。
(次は飼い犬やペットなどに対する攻撃性)
実際に深刻な事故も発生しています。
だからふじの交配相手に求める条件は「人間に対する攻撃性がないこと」が絶対でした。
まあ、(私の行っている猟場に限ってですが)猟芸は
・獲物を発見して追い立てる時の「追い鳴き」が出て
・頭が良くて
・鼻が良くて
・足が速くて
・レンジ(探索範囲)はそんなに広くなく、無茶な長追いはしなくていい
・イノシシと絡んでも接近しすぎることなく適度な距離を保ってイノシシを立ててくれ(鳴き止めること)
・スタミナがある
なんてことが満たされていたら言うことありませんが、こればかりは持って生まれたものに左右される事が大きいようです。
欲深すぎますね(笑)。
自分なりに猟犬や繁殖の勉強をし、猟犬を飼って猪猟をやっているたくさんの方から話を聞いたりしました。
ふじは新親方(若き勢子)の家で産まれ、九州南方地犬の新田犬を父親に、屋久島の地犬である屋久犬を母親に持ちます。
その父親、母親を作出した前親方から聞いた話。
「和犬には色々な系統があって先人たちからの脈々と受け継がれた努力で各地で優れた猟犬が生み出された。
宮崎や鹿児島などの南九州も昔からイノシシ猟の盛んな地域だったんだ。だから優れたイノシシ猟犬も多かった。それが新田犬とか薩摩犬とか日向犬とか言われる系統だ。狩猟を好んだ西郷隆盛の銅像に一緒にいるのもそういった猟犬だ。
それが明治以後、洋犬が外国から入って来て交雑種が増えてしまった。ところが屋久島という閉ざされた特殊な環境でその血統の猟犬が純血種に近い形で守られたわけだ。
ふじの交配相手には系統の近い屋久犬を探すといい(実際に認められた屋久犬という純血種がいるわけではありません)。
良い猟犬を持つことは猟師の誰しもが抱く夢でもあるからな、頑張れよ!」
そうして見つけたお相手候補。

屋久犬の猟犬「りん君」。
猟芸も間違いなしとのこと。
「おお、尖った耳に胸元と手足の先の白い模様。スリムで精悍な体系と顔立ち。ほぼ純血に近い屋久犬だ!素晴らしい!!
それになんかのご縁か我が家のニャンコと同じ名前だし(←関係ない)」
近寄って触っても初対面の人間でも受け入れてくれ、とてもフレンドリー♪
ふじを出して相性を見ます。(左がりん君)

「チュ♪」
すぐに打ち解けて遊び始めます。

うおっ!(発情期ということもあるのでしょうが)初対面でふじがこんなに気を許すのも珍しい!
合格っ!!まぁ、ふじの子供が出来たら今年の猟期は勢子役はできないし、猟に行ける回数も多少は減るだろうけれどこれもまた勉強だ。
いや~、(交配まだだけど)子犬楽しみだなぁ♪
ふじの子犬だったら可愛いに決まっているし(笑)。

(これはふーちゃんの赤ちゃん時代の写真)
楽しみ♪楽しみ♪
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