猟期は終わったけれど、まだまだ続く猟期ネタ(笑)。
コメントの返信が遅くなっておりますが、後日返信させていただきますのでご了承くださいm(_ _)m。
さてさて、この日は猟期最終日。
猟期の最終日を「終猟」と呼び、去りゆく猟期を惜しんで挙ってハンターが山へ入る日でもあります。
この日を最後に、趣味としての狩猟で山へ入ることはしばらく無くなりますからね。
まあ、ハンターに追われて獲物もスレているし、「獲っても獲れなくてもいいや」的なお祭り的な日でもあるのですが、我が猟隊の欲深さは違います(笑)。
丹念に見切りを行って、獲物が潜んでいるであろう場所を捻り出してきます。
見立てでは鹿が4頭。
私もふーちゃんと共に勢子として山入りします。

3方向から勢子が猟犬を放ち、すぐに獲物を見付けて追い鳴きに入りますが、この時期の獲物は犬を撒く知恵が付き猟犬が何度も獲物を落として(見失って)迷走。
「くそっ!敵もやるもんだな・・・」
何度か猟犬が振り切られた後、再び獲物を発見しての追い鳴き!
しかも私の方向に向かって来ます。
グループ猟での勢子役には
・獲物を追い出す役割
・山の中で獲物を待ち受け撃ち取る射手としての役割
・猟犬が獲物を立てた(鳴き止めたり噛み止めたりすること)場合に接近し、至近距離で獲物を仕留める役割
があり、それらを臨機応変に判断し、的確に包囲網を張っている待ち(狙撃手)に伝え総合的にゲームメイクする必要があります。
追い出す役割から山中での狙撃手にシフト。
静かに薬室に弾を装填し、獲物が通る獣道を予測して待ち受けます。

「さあ来い!」
しかし獲物は姿を現さず、付近の藪の中をバリバリという音を立てて通り過ぎて行きます。
直後に数頭の猟犬がギャンギャンと追い鳴きを上げながら追跡。
すぐに私も後を追います。
キャンッ!猟犬の悲鳴。
「いかん、犬が捲くられている。さっきのバリバリという通過音からしてもイノシシっぽかったし、どこかに潜んでいたイノシシが猟犬に見付かって交戦中なんだ」
倒れた竹を跨いだりくぐったりしながら現場に急ぎます。
そして現場で見たものは、イノシシではなく川の中で噛み止められているメス鹿。
複数の猟犬によって動きは止められていますが、何度も後足で猟犬を蹴り上げています。
「犬がいる。それに岩場だから弾が貫通した時の跳弾の危険性が高いし銃は使えない」
すぐに銃を置き、ナイフを抜いて川に入ります。
脹脛まで伝わる冷たい水の感覚。
「角の無いメス鹿だから前方から接近しても大丈夫だ・・・。しかし犬の動きが激しいから刃先で猟犬を傷付けないようにしないと」
ジャブジャブと水中を進み、鹿の耳を掴もうとした瞬間鹿がクルリと反転。
同時に左腕に走る鈍い痛み。
背を向けた鹿に蹴り上げられたのです。
鹿も必死ならこちらも必死。
犬を引き摺って逃げようとする鹿を再度強引に掴み、鎖骨の内側にナイフを入れます。

勝負あり!
興奮状態から少し醒め、ズキズキと痛む左腕上腕部。
「蹴られた場所が筋肉に覆われた場所で助かった。犬の悲鳴は蹴り上げられたせいだな」
確認のために周囲にいるワンコを見回しますが、どの犬も大きなケガはない感じ。
「良かった・・・」
びしょ濡れの状態で再度山に入りますが、濡れた衣服は重く冷たく相当に疲れました。
最終的に獲った鹿は3頭。
もう1頭の鹿は若き勢子が刺し止め、まともに射手が撃ったのは1頭だけでした。

気温が上がったので用水路で冷却中の図。
(農家の方に使用許可を得ています)
かなり苦労しましたが獲物にも恵まれた終猟となりました。
今日もいただいた命と自然の恵みに感謝です。
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