いよいよ待ちに待った狩猟解禁日を迎えました。
狩猟解禁の日を初猟(しょりょう)と呼び、多くのハンターが挙って山へ出かける特別な日なのです。
いつものように神社で安全祈願のお参り。

いや、普通に平日なんですけどね。
私の所属させてもらっているグループは熱心なハンターが多いのでしょう。仕事のある方もほとんどが仕事を休んで猟に参加されています(笑)。
そういう私も2か月ほど前から休暇願を出していたのですが…。
今年も頑張るぞっと(笑)。
7か月以上も顔を合わせていない仲間の先輩ハンターの皆さんですが、会った瞬間から昨日会ったばかりのように打ち解けます。
きっと狩猟という活動は、それほどまでに濃密な信頼関係というものが必要とされるものなんでしょう。
それから親方がある程度の目星を付けておいた場所で見切りをして山へ。

朝日が差し込む美しい風景。
ちょっと新鮮な気分で待ち場に付きます。
先日まで狩猟を行っていない狩猟解禁日なので数えきれないほどの獲物が出るのが通例なのですが、しかしあまり獲物は出ずに35kgほどの鹿が1頭のみ。

撃ったのは若き勢子の親父さんである王島さん(仮名)。
「おかしいな」と思いつつも山を下ると、地元のハンターの方と出会い少し情報交換をします。
「ああ、この場所は先週有害鳥獣捕獲で競ったばかりなんだ。すまんすまん」
なぁ~んだ、そういう理由なんだ。
代わりにちょっと口うるさい人がヤギを飼い始めたから巻き狩りを止めた方が良い場所などを教えてもらいます。
こういう情報は巻き込まれなくてもよいトラブルを事前に回避できるので、非常にありがたいですね。
続くラウンド。
私の待ち場はこんな感じ。

右隣の待ち場には親父が待機。
勢子が犬を放つとイノシシが出たとの連絡を受けます。
「獲物出てるよ!気を付けて」
獲物が出ている場合は、とにかく静かに気配を消して待機。
先に獲物に気取られると、待ち場の前まで来てUターンすることもあるのです。
ジッと我慢の時間…。
前方から僅かに聞こえる枯葉の擦れる音。
「ピシッ」小さな枝を踏み折った音。
「来たな…。犬は付いていない。包囲網の隙間を縫って素抜けしようとしているんだ…」
少しの音もたてないように、グローブで握りこむようにして銃の安全装置を解除。
静かに銃を上げ構えます。
「バコッ!」枯れ竹を踏む重量感のある音が続きますが、ノーマークだった左側の竹藪を動く気配。

「どういうことだ? 充分に下見をしたけれどあっちには使っているような通し(獣道)は絶対になかった」
しかしイノシシが見えそうな距離から確かにベキベキと竹を折る音が聞こえてきます。
「こっち側には誰もいないし、少しでも見えたら孟宗竹の間を縫って弾を叩き込んでやる」
緊張感で額から流れる汗…。
照準を合わせたまま気配を殺しますが、遂に姿は見えず音も遠ざかります。
完全に抜けられた。
向こうが一枚上手だったな。
一段落して実況見聞をすると、枯れ竹が倒れこんで使っていないような通し(獣道)を使って行ったようです。
「やられたね。
逃げの通しを使って去ったんだ」
その後30kgのオスイノシシが親父の待ち場に出てきてドカンと発砲。
半矢になったイノシシがこちらに走ってきたので私が刺し止め。

やれやれ、初猟から刺し止めをする事になるなんて…。
結局、初猟にしてはちょっと小ぶりな獲物が2頭。

(親父ハンターズ。笑)
だけどまあ2頭獲れたので上出来ですね♪
山の神様、ありがとうございました。
今日も自然の恵みに感謝です。
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