猟期が終わって1月しか経っていませんが、早くも新年度の有害鳥獣捕獲活動が始まりました。
出動のために前日の夜に準備をしますが、
「ない!大物猟にいつも持って行く大型ナイフがどこにもないっ!!」猟期が終わったので実家に持って帰り、製作者である親父に砥いでもらったのでそのまま忘れてきたんだ…。
無い物はしょうがない。
そうそう刺し止めするようなことはないけど、万が一のためにとりあえずキャンプナイフでも持って行きますか。

鋼材こそ贅沢にATS34を使用していますが、調理用のナイフなので獲物を刺した時に指が前方に滑らないようにするヒルト(指止め)も無い。
だけど手持ちの物で刺し止めするのに長さが足りるのはこれしかないもんな~。
(あとは刺身包丁くらい。笑)
まあ、なんとかなるでしょ(笑)。
またイノシシが暴れているようなので、今回もいつもの島へ出動!

水が澄んでいる上にベタ凪ぎなので絶好の潜り日和だよなぁ。ああ、潜りたくて涙出そう…(笑)。
今年初めて見るツバメ♪

今日の勢子は若手(と言っても私と同い年の先輩ハンター)の腹口くん(仮名)はじめ3名。

メンバー全員で7名と少ない上に勢子が3名なので待ちを固定せず、走れる人はいつでも走るような変則的なフォーメーションになります。
おお、新緑がきれいだ!

しかし一歩山に入ると鬱蒼とした雑木林。

ツタの繁茂もすごい!

「う~ん、なかなか他所では見ることが出来ない光景だよなぁ…。」
日本の山は相当の深山でも杉や檜などの針葉樹が植林されているので、これだけ広葉樹ばかりの山はかなり珍しいのです。
腹口くん(仮名)と共に山頂近くまで登ると、すぐに犬の起こし鳴き(イノシシを発見しての吠え立て)!
腹口くん(仮名)が犬の方向に急ぎます。
「山頂近くで犬の鳴き声がしたから、逃走する時はこっちの方向に横走りする可能性が高いな…」
だいぶん山の地形や逃走経路も分かってきたので、私は少し下の横回しの獣道に急ぎます。
一発の銃声。
「中ったかどうかわかりません」
腹口くん(仮名)からの連絡。
犬の鳴き声が近付くけれど、私のいる場所からは少し下側に離れているようです。
急いで山を駆け下る途中に、山の下方を走るイノシシの影。
60~70kg。結構大きい!
チラチラと木の隙間から見える様子だと、僅かに足を引き摺ってる感じ…。
「中っている。半矢だな、急いで止めないと犬が追い付いたら切られる!」
イノシシの走っていく方向に先回りできるように、大きく山を斜めに駆け下ります。
犬がイノシシを止める立て鳴きに変わったと同時くらいに、20メートル程前方に、下の待ち場にいた今町さん(仮名)を発見。
同じく急いで犬の鳴き声に寄ってくれていたようです。
今町さん(仮名)が一発発砲!
私もイノシシの見える場所まで来ると、倒れてはいるけれど足をブンブン振り回して今にもイノシシが起き上がりそう。
3匹の犬が後方から噛み付いています。
犬が離れた瞬間を狙って銃を構える今町さん(仮名)。
「ダメっ!!犬に中ったらいけないから撃っちゃダメです!」「まさかこんなナイフで刺し止めをすることになるなんて…。しかし迷っているヒマは無い!」
すぐにナイフを抜いて近寄り肺を一突き。
更に喉元から鎖骨の内側にナイフを入れます。
噴水のように溢れる血。


大きかったのでてっきりオスだとばかり思っていたのですが、よく肥えたメスでした。
結論から言うと今町さん(仮名)の撃った弾は、見事に頭蓋を破壊し即死の致命傷。

それでも私も今町さん(仮名)も「起き上がってくる」と錯覚したくらい。
今町さん(仮名)に
「いや~とても馬乗りになって刺すようなあんな真似はできんよ」
とお褒めの言葉?を戴いたけれど、手にしていたのはクッキングナイフ…。
私もできることなら二度とこんなことはしたくないです。
やっぱりあるべきナイフが無いと相当に心細い思いをしましたね(笑)。
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