スキナーとは毛皮を剥ぐ専用のナイフのことです。
狩猟を始めて諸先輩方に恵まれたおかげで、私はルーキーとしてはかなりの数の獲物を捌かせてもらったと思います。
おかげで骨格の仕組みも理解できたし、狩猟における急所なども自然と体感することができました。
しかし、その中でも苦手なのが皮剥ぎ。
(猟期にお世話になっているグループは毛抜き、地元猟友会は皮剥ぎで解体方法が違います)
特に皮剥ぎに於いては、脂肪が美味しいイノシシは皮に脂身が少しも付いていないことを要求されます。
地元猟友会の中にはイノシシの皮剥ぎがとても上手い方がいて、その方の使っているナイフが専用の変わった形なので、形状を伝えて大雑把なスケッチを渡しナイフ工房を開いている専属職人(親父です)にプロトタイプを作って貰いました。
(プロトタイプの鋼材は相変わらず、工業用鋸の刃)

ブレードはこんな感じ。

「鋼材の薄さとドロップポイント(先っぽのカーブの形)は良いけど、一気に皮を剥ぎたいからあと5センチ長くして欲しい」
ということでダメ出し…。
「まあ、とりあえず使ってみろ。ダメだったら新しいの作ってやるから」
春の有害鳥獣捕獲も始まっているし、すぐに使う機会は訪れるでしょう。
作ってもらってこんなことを言うのは親不孝とも思われるでしょうが、やっぱり道具は使い手が使いやすくてナンボ。
妥協を許さずユーザー第一に考えないとそれは只の自己満足に終わってしまいます。
ナイフに関しては一番の理解者と思ってくれているのか、親父が新作のナイフを作った時に最初に見せるのが私です。
「どうだ?」なんて聞かれて、「まったくダメだ。こんなの出したら名前を墜とす」なんて言われたら徹夜で改良していますし、「いいんじゃない」と言われたらとても嬉しそうですから(笑)。
今回のナイフもダメ出しをしてしまったけれど、でもやっぱり
「親父、ありがとう♪」
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