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食べる事と、命をいただく事について考えます。 狩猟、素潜り、釣り、採集、手作り等々

有害鳥獣捕獲隊出動!

本日はいつもお世話になっている実家近くのグループ猟の皆さんにお断りして、地元猟友会の有害鳥獣捕獲活動に参加。
私は住居のある地域の猟友会に所属していて、猟期以外は有害鳥獣捕獲隊隊員として地元で有害鳥獣捕獲を行っています。

地元の鳥獣保護区でイノシシが暴れているようなので、行政からの依頼を受けて有害鳥獣捕獲隊出動です!



小さな島ですが結構な急斜面が多く、山の手入れもされていないのでイノシシがかなり増えているようですね。

ゴロゴロした岩がむき出しの地形。
2012.02.28初出動1

昔は段々畑だったようで、斜面には1.5メートルくらいの高さの石垣が階段状に積み重ねられています。
2012.02.28初出動4

この石垣が厄介なんですよね。
イノシシは短い足にもかかわらず平気な顔で上り下りするけれど、人間は登るのも降りるのも一苦労。


山は雑木と竹林が主な植生。

かなり椎の実を食べていますね。
2012.02.28初出動2




何度も来てだいぶん地形も覚えました。

この島はそんなに大きな島ではなく、山頂から北側は這わないと進めないような急斜面と断崖絶壁。
島の南側の斜面を走る主要な獣道に、下から直線状に待ち(狙撃手)を配置します。

勢子が東側と西側にあるイノシシの寝屋に犬を入れ、移動するイノシシを撃ち取る作戦です。


私はすぐに走り回れるように一番高い場所に付きます。



勢子が犬を放すと何度かの犬の声。

しかしこの島のイノシシもハンターに慣れ、なかなか撃ち取るまでには至りません。



お昼も過ぎた頃に、一つ下の待ちの人が発砲!
「50kgくらいの一頭もの。中ったか外れたかわからんが走って逃げた!」

待ち場を動くことを連絡をして追跡開始。
足跡を辿って行くと、北側の急斜面を使って島の反対側へ逃げています。

血も引いていないし、元気よく逃走しているから外れた感じ。


這うようにして追跡していると、勢子をしている隊長と合流しました。
ちょっと作戦会議をして二手に分かれてイノシシを追います。


隊長が先行して上の獣道を、私が少し遅れて下の獣道を横回しに進みます。


するとすぐに犬の吠え立てる声。
こちらに向かってきます。

暴発防止のために空にしておいた薬室に弾を送り、安全装置を解除して据銃。



来たっ!
50~60kgくらいのイノシシに10kgくらいの子イノシシが5頭付いています。

どうやら犬が追っている獲物が変わったようですね。

当然狙うのは親。
2012.02.28初出動3


約20メートル、撃ち頃の距離。

しかし少し前を先行していた隊長の姿がチラリとも見えない。

イノシシの走っている後ろは石垣で、もしも弾が外れたりイノシシを貫通した場合、跳弾でどちらに飛ぶかわからない…。

周辺の木の影に隊長がいたりする可能性も十分に考えられます。

安全性が確保できなかったので、結局撃てず…。


すぐ後に猟犬が通過。


しばらくして隊長がやってきました。

状況を説明すると
「それでいい。獲物はいつでも獲れるから無理して撃つ必要なんてない。」




その後私は再び待ちに付き、1頭のイノシシを仕留めたとの連絡が入ります。

さぁ、頑張って引き出しに行くか!
(若手はこれがメインのお仕事です。笑)



仕留めたのは枯れ竹が倒れ込んだブッシュの中。
2012.02.28初出動5

見つけるまでが苦労しました。
2012.02.28初出動6

60kg程のオス。


藪漕ぎをし、汗だくになって山の下まで引き出します。


一緒にイノシシを引き出していたメンバーの方が、ゼイゼイと肩で息をしながら
「こんな小さなイノシシじゃ引っ張り出し甲斐がないよ~」
なーんて強がりを言っていたら何発かの銃声。

「今度のは引っ張り甲斐あるよ~」
とのこと(笑)。


現場に着くと100kgオーバーの大きなイノシシを倒しています。
2012.02.28初出動8


あの~、隊長。ちょっとは手加減してくれませんか?
今引き出してきたばかりで足がガクガクなんですけれど…(笑)。

2012.02.28初出動9
(猟友会会長と有害鳥獣捕獲隊隊長、それに「もう少し大きなイノシシを倒せ!」と言った人。笑)


この日は島民のギャラリーも多く、港には多くの人が集まって見学に来ていました。
2012.02.28初出動10


夕方までかかったけれどなんとか2頭倒せたし、少しはお役に立てたかな。



それから皆で捌いて帰ってきたのは夜の9時過ぎ。

ちょっとフラフラしています(笑)。






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2011.12.20ハンター
映画『ハンター』公式HP




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食い意地の張った人達(笑)

大物猟に向かう車中で車載無線のスイッチを入れる。

皆さんに挨拶をすると、親方からの無線。
「今日はもうこのまま帰ってもいいぞ。もう2頭も獲物がいるからな~。」

お、どうやら親方の括り罠に獲物が掛かっているな♪




メンバーの皆さんで各地で見切りをして集合。

どれどれ、獲物は…。と見てみたら大きなアナグマ。
2012.02.27拾い物


「あの~、親方。3月15日まで猟期が伸びたのは、増えすぎたイノシシ・鹿に限ってのことで、それら以外の野生鳥獣は有害鳥獣駆除許可でもないと獲れない(獲ると狩猟法違反)のでは…?」


「安心しろ。道路に転がっていたヤツを拾ってきただけだから問題ない!
カラスが目玉つついていたから取り上げてきた。」


って、またロードキルアニマル拾ってきているし(笑)!!





それにしてもでかいアナグマだなぁ。


このアナグマがどれくらいの大きさかと言うとですね…。


子鹿とはいえ鹿と並べてもこれくらいの大きさ!
2012.02.27拾い物2



損傷もほとんどないし、血糊も乾いていない。死後硬直もほとんど無いから鮮度は問題なさそう…。

でも事故じゃなくて変な病気で死んだのだったりしたらイヤだなぁ…。



というわけで私が捌きます(笑)。



「だいたい今頃はアナグマは穴の中で冬眠しているハズ。それにこの子鹿も春に産まれた春仔にしては小さすぎる。秋に産まれた秋仔だな」

「温暖化で野生動物も繁殖のサイクルがおかしくなっている。アナグマも暖かくて冬眠してないんだ…。」

なんていう話をしながら捌いていくと、確かに頭部は内出血が激しく交通事故に間違いなさそう。



しかしお肉自体の損傷はほとんどなく、その日の内に皆さんと一緒に炭火焼で食べてしまいました。

美味しかったですよ♪




大丈夫、今のところ何ともありませんから(爆)!








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2011.12.20ハンター
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呪縛

雪の中の巻き狩りを終えて引き上げている途中に発見したもの。

2012.02.23捕われの身1

ちょっと拡大してみましょう。
2012.02.23捕われの身3


鹿除けのネットにオス鹿が絡まっていますね。

朝同じ場所を通った時には確かにいなかったので、日中に引っ掛かったものです。



泥が剥き出しになった地面。

相当にもがいたのでしょう。



地元の方が言うには
「明日か明後日には猟友会に連絡が来る。その頃には衰弱しきって死ぬ寸前だよ。
それでもまだここは人が通る場所だから気付くけど、山間部の休耕地のネットにはゴロゴロ頭蓋骨がぶら下がっている」


鳥撃ちに行った時に見た光景を思い出します。



苦しめるのも可哀想なので、速やかに〆てお持ち帰り。
2012.02.23捕われの身2

まだ年若いオス鹿ですね。



美味しく食べてやるから成仏するんだよ…。

合掌。






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どういうことっ!?

先日の雪の中での巻き狩りの時のお話です。


隣の待ちにつく親父がイノシシに対して発砲!

ゾロゾロと6頭ものイノシシが並んで出てきたそうです。



招待された山岳地帯では鹿ばかりが多く、イノシシは殆ど生息していないので獲るととても喜ばれるのです。



撃ちかけたイノシシは弓(包囲網)の中に戻り、そのまま逃走!

逃げた跡を見ると、僅かではありますが血を引いています。
2012.02.22追跡1



急峻な山で、間伐材がゴロゴロと転がっている上に積雪。

還暦をとうに過ぎた親父に代わって私が獲物の血痕を辿って追跡します。



このくらいの血痕じゃあ致命傷にはなっていないな…。



それでも少しずつ落とす血の量が多くなっています。
2012.02.22追跡2

筋肉で覆われた部分だと、撃たれた直後は筋肉が硬直して血が落ちず、しばらく経ってからボタボタと出血するのです。



「ひょっとしたらいけるかも…」
淡い期待を抱きながら追跡を続けますが、逃げたイノシシの数が6頭。

血痕が他のイノシシに踏み消され、さらに降り続ける雪によって逃げた痕跡も覆い隠されます。



「追跡してだいぶん山を下って来たけどダメか…」



諦めかけた頃に運良く鹿を1頭ゲット!



撃ち取った鹿をビーグルくんに奪われた後(笑)、元の待ち場に戻ろうと山を登り始めると大きな血痕!
2012.02.22捕われの身

「見つけた!さっきのイノシシの血痕に間違いない。 
しかもこれだけ血を流していたらどこかで倒れているかも!!」




追跡し始めて時間も経っているので、犬を呼んだほうが早いと判断します。

運良く一緒のグループの若き勢子が追跡の得意な猟犬を連れて来ているので、連絡して急行してもらいます。



若き勢子と合流し追跡。

やはり犬の鼻はたいしたもので、雪に覆われて消えかけていた血痕も足跡も物ともせずに進んで行きます。

「ふぅ~、これで獲れたも同然かな」





血痕や動いた痕跡も大きくなり、いよいよ獲物に近くなってきた感じ。


お!前方で犬が何かに噛み付いている。

「倒れているな、よしよし。苦労したけれど頑張って追跡した甲斐があった」



さぁ~って、どのくらいのイノシシかなぁ…、と近付いてみます。









って、イノシシじゃなくて鹿じゃん!!
2012.02.22追跡4



一体どういうこと!?と思いますが、連絡をすると地元の勢子の方が撃って途中まで引き降ろしたけれど、重たくなって後で引き出そうと置いていたもの。




なぁ~んだ!




ちょっとガッカリ(笑)。









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番犬

雪の中、半矢の獲物を探している最中に仕留めた2頭目の鹿
2012.02.19雪中行軍8


しばらくすると獲物に付いていたビーグルくんがやって来ます。
2012.02.21番犬

ひとしきり獲物を噛んだりした後、ご主人様の勢子の人を探しているような素振り。
2012.02.21番犬3


「ここに犬が来てますよ~」
と勢子の方に伝えます。


倒した場所は、元の待ち場からかなり下ってきた位置だったので、引き上げるよりも山の下に降ろしたほうが早い感じ。
獲物も出尽くした感じだったので、鹿を引き出すためにロープを掛けようと手を伸ばします。

その瞬間、
「ガウッ!グルルゥ…」
と今までフレンドリーだったビーグルくんから威嚇され、危うく手を噛まれそうになります。

どうやら自分の獲物を取られると思っての行動のようです。
時々こんな猟犬がいるとは聞いていましたが、キミみたいな可愛いビーグルくんもかぁ。


終いには鹿の横に座り込み、震えながらこちらを睨んでいます(笑)。
2012.02.21番犬4


「こりゃダメだ。勢子の人が来るまでどうにも出来ないな」

一旦元の待ち場に帰って、犬を回収した後に鹿を引き出しに来よう。

その場を離れ、山を登り始めると先ほどのビーグルくんもすぐに鹿から離れていくのが見えます。

「なあ~んだ、獲物に執着していたわけじゃなく、オレに横取りされるのが嫌だったんだね」




立派な番犬でした(笑)!






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プロフィール

じゃん

Author:じゃん
幼少時より食い意地の張った子供で、今でも野生の動植物を見る時には
「美味いか不味いか?」
が大きな判断基準を占める。

素潜り、釣り、手づかみなど様々な方法にて「タダの食料」を捕獲することに情熱を燃やしています。
2009年より狩猟界にデビュー。タンパク質自給率100%達成なるか!?

E‐mail
capturefood@yahoo.co.jp
お気軽にメールくださいね♪

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