天気が良いので今日も大物猟に出発です!
今日の待ちはこんな感じです。

実はこの待ちは勢子が競る方向とは反対側になり、待ちに付くと無線も入らず猟の状態がどうなっているのか全然分からない場所です。
おまけに幹線道路のすぐ側で、犬の鳴き声やイノシシの動くガサゴソ音が全く聞こえず視覚だけが頼りです。
勢子が犬を連れて攻める方向とは逆方向になるので、ある意味獲物が出なくて当たり前の待ちとも言えます。
「人数が余ったから付かされた捨て待ちだし、こんな待ちには出てこないよな~」
と、そう思ってもおかしくない待ちでもあります。
しかし雑談の中で親方が語った言葉が、私の心の中に深くインプットされていました。
「巻き狩りで捨て待ちというような待ちはない!待ちに付いてもらっているのは、過去に実績のあった場所ばかりだ」実際に犬をかわしたイノシシが逃げるために使う獣道がこの場所で、過去にこの獣道を使って逃げられた実績も仕留めた実績も相当な数だそうな。
獣道は一見同じように見えてもエサを食べにくる専用通路だったり、非常時の避難通路専用だったりと使い分けていることも多いそうです。
人間の非常口みたいなもんですね(笑)。
勢子の無線が聞こえていたら獲物が出たのかどうかもわかるし、ある程度実況中継してくれるのでそれに合わせて緊張度合も調整できます。
しかしこの待ちは、誰の無線もほとんど聞こえないし、犬を撒いた老獪なイノシシが単独で逃げてくる場所です。
仮にイノシシが出てきても犬は付いていないから鳴き声も聞こえないし、音もなく巨大なイノシシが目の前まで迫っていたという事がしばしばだそう。
そんな話を聞かされていたので緊張して待ちに付きますが、状況を伝える勢子の無線も銃声も全く聞こえないし、風で木が揺れたりする度にドキッとして、下げていた銃を慌てて挙銃したりすることを繰り返します(笑)。
親方を始め、凄腕のグループの皆さんを信じての孤独な戦いです。
そうこうすることを1時間もしていたら、車載無線から
「終わったよ~。待ちを解いて」
との連絡で脱砲(銃から弾を抜く)します。
緊張感から解放されて
「ほっ」
結局20kg前後のイノシシを3頭ゲット。

親イノシシも出たそうですが、残念ながら逃げられました。
近所の農家の方がわざわざ見に来られて、喜んでいただけました。

聞けば親子イノシシに畑を荒らされて、相当な被害だったそうです。
無線も聞こえず、獲物にも出会えなかったけれど、猟が終わった時にあるお方のお言葉を思い出していました。
その言葉は
「雑草という名前の草はない」
By昭和天皇でした。
雑草という名前の草も無いし、雑用というような仕事もない。
グループ猟に於いては各自の役割があるし、自分に与えられた仕事をまずしっかりとこなさないといけない。
それは社会や仕事に於いても同じだな~。
そんなことを思ったのでした。
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