イノシシ有害鳥獣捕獲に行ってきました。
先週は普通の登山に行ったので、銃を持って山に行くのはずいぶん久しぶりな感じがします。
イノシシによる被害が出ている地域の山を昼ご飯も食べずに3ラウンド攻めますが、まったくイノシシが出ません。
久しぶりの猟なので張り切っていたのですが、なんだか拍子抜け。
被害が出ている地域にイノシシが居ついていたらいいのですが、エサを求めて移動している場合は、巻き狩りをする休日に都合よく被害地域の側の山に寝てくれているとは限りません。
猟友会としては被害が有り、駆除申請が出ている地域をしらみつぶしに回りたいのですが、如何せん被害地域が多すぎます。
それほど現在、有害鳥獣による被害は増加しているのです。
おまけにハンターの高齢化、ハンター人口の減少。
3ラウンド終わった時点で午後2時。
この時点で解散です。
帰途につこうとすると勢子の一人から携帯に電話。
「まだ元気あるかい?あるならもう1ラウンドやらないか」
実はこの方は猟期中はほとんど単独猟でイノシシを仕留めているので、その猟法に興味があったのです。
すぐに合流しますが集まったのは3人。
一人は80歳を越えるご高齢なので、勢子の人と私が走り回ることになりそうです。
山を見て回り、通常の巻き狩りなら待ち伏せする射撃手の本命であるような、イノシシが小さな山から大きな山へ渡る獣道。
真新しい足跡がドカドカ着いています。

こんな場所には
大音量のラジオを設置!通常の巻き狩りはイノシシやシカを追い出して、逃走路に射撃手が待ち構えて仕留めるやり方ですが、単独猟はそれじゃ逃げられてしまうのでダメ。
結局、大山に通じる主要な獣道に合計3つのラジオをセットしました。
大きな山からせり出した、3つの小山の中にイノシシを留めておく作戦のようです。
大体の地形と太陽の方角を確認してスタート。
勢子を待ち受ける人数も2人しかいませんので、一つの谷全部が受け持ちっていう感じです。
開始して小1時間で猟犬がイノシシを出しますが、山2つを越えて逃走!
犬はそのまま追っています。
勢子の持っているGPSで見ると同じ場所で膠着状態が続いているので、犬がイノシシを止めています。
「急いで行かないと犬がイノシシにやられる!」
勢子の人から指示をもらい、私はそのまま直線距離を全力疾走。
勢子の人は一旦車に引き返し、車で現場に向かいます。
山を2つ越え、なんとか犬のマーカーの入る場所を探します。
息は上がり、心臓はバクバク。足も重い…。
それでも五感のすべてを最大限に働かせながら、山を登り崖を下り現場に向かいます。
マーカーが入り犬の鳴き声が聞こえだした場所は、女竹とツタのものすごい藪。
銃に弾を込め、忍び足で犬の鳴き声の方向に急ぎます。
「ドッガ~ンッ!!」すぐ近くの土手向こうから発砲音。
勢子の人も近くまで来ていて、先に勢子の人がイノシシを撃ったようですね。
すぐに無線で「オレもすぐ近くまで来ているから!」と伝えます。
藪深い場所での誤射を防ぐためです。
合流して状況を聞きます。
「小さめのイノシシの腹に当たった。また藪の中に逃げ込んで出てこないのよ。
この藪の深さだから犬もどうにも出来ない」
藪の中でゴソゴソしてるし、犬が鳴き止まず応戦しています。
「オレが反対側から追い出します。出たところを撃ってください」
中はこんな女竹のトンネル。
この上にツタが被さって、中は薄暗い状態。

狭くて銃は使えないので銃を置き、ナイフ1本を頼りに犬の鳴き声に向かって這い進みます。
「このままこちらに突進してきたら、スキを突いてナイフで止めるしかないな」
とかドキドキしていたら、反対から銃声。
どうやら勝負ありです。

約45kgの産まずのメス。

引っ張り出していたら、夏前に肉離れをおこした右のふくらはぎが攣ってしまい、残りのお二方に運んでもらっています。
力仕事は若い者の仕事なのにすみません…。

1時間以上も鳴いたり噛んだりでイノシシを止めてくれたワンコ達。
よしよし、よく頑張ってくれたね。ケガがなくて良かったよ。
この時点で5時半。
はぁ、さすがに疲れました~(笑)。