今猟期最後の出猟日。
カヤが切られて精神的に山へ行く気にならず、猟期前半戦は棒に振っちゃったけど、後半戦は休みのたびに出猟。
「ふう、出遅れたせいでオレもワンコも猟期が終わる頃になって、ようやく山を登る体が出来てきた感じ…」
この日はカヤとモリが70㎏ほどのイノシシを寝屋から起こしてくれ、上手く待ち(狙撃手)にかかったけど半矢で逃走!

(ヌタ場の様子)
メンバー総動員で、山を越え谷を渡り仕留めたイノシシがこちら。
「あれえぇっ!? 追い出したのはこんな小さなイノシシじゃなかったよ。いつの間にすり替わったの?」
どうやら途中で猟犬たちが子イノシシに付いてしまったようです。
狙撃手が撃った獲物は大きくて丸々太った美味そうなイノシシだったし、一度は倒れて確実に弾があたっているという事で、獲物の匂いを落とした(猟犬が見失った)山を囲んで執念の追跡。
しかし猟犬が鹿に付いてしまい、残念ながら親イノシシには逃げられました。
他には鹿を1頭ゲット。

「まあ、しょうがない。ベストを尽くしても運不運がある」
「ああ、これで今年の猟期も終わりか…」
解体しながら手を休め、暖かくなり花を咲かせた山野草を眺めてそんなことを思います。
休みのたびに夜明け前から起きだして山へ出かけ、脹脛が攣りそうな角度の急斜面を登り、ヒーヒー言って獲物を山から引き出し…。
衣類は汗や泥や血にまみれ、時には肌にダニが這う…。
狩猟をしない人から見ると、まったく理解できない事でしょうね。
そんな時、不朽の名作漫画『あしたのジョー』のセリフが思い出されます。
「ブスブスとくすぶりながら不完全燃焼しているんじゃない。ほんの一瞬にせよ、まぶしいほど真っ赤に燃えあがるんだ。そして後には真っ白な灰だけが残る。燃えかすなんか残りやしない…。真っ白な灰だけだ…」
そんな感じでしょうか。
山の神様祭りをしながら、人生の先輩方から少し昔の「野生鳥獣と人の関係が今より密接だった頃」の色々な話を聞きながら、片方ではタブレットで狩猟用品をまとめてネット注文する若手の姿。
そんなやり取りを見ると、狩猟って昔から世代を超えて引き継がれてきた大切なものだと実感できます。
私の親父と同じような年齢層の後期高齢者といわれる「超元気な大人達」が、元気に山を駆け回っています。
そんな背中を見せつけられると、世間一般では立派なおっさんである私が「キツイ」とか「疲れた」なんて言っていられないな、と本当に思います。
「今年の猟期も楽しかった!コロナに気を付けてくださいね!」
「いや~、来年まで生きているか分からんよ(笑)。本当に」
「猟犬を連れて山を歩いている人間がそんな簡単に死ぬわけないじゃないですか」
「あんたは殺しても死なん!」
「80歳を超えて入れ歯の1本もない人間が言う言葉じゃない」
猟期終了の解散の無線で、そんな会話が飛び交います(笑)。
「終わった終わった…。今年も色々あったなぁ。皆さん、次の猟期も元気な姿でお会いしましょう!!」
まるでお努めを終えた受刑者のような気持ちで、一抹の淋しさを感じながら帰路に就いたのでした。
西の空を見上げると、夕陽がいつもよりとても美しく見えました。
今日も自然の恵みに感謝です。
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