さてさてフィールドセミナー2日目は地元猟友会の協力による巻狩り見学と、模擬猟場・模擬銃を用いた「タツマ体験」が控えています。
「よっしゃ!今日も頑張りましょう!!」
と思いますが、起床時から体調が悪い…。
「前日呑み過ぎての二日酔いか!?」とも思いますが、明らかに違う感じ。
実は昨年末からずっと原因不明の尿潜血と微熱が続いていて、それが原因で体調が悪化した模様。
朝食を済ませ宿の外に出ると放射冷却で-6℃まで気温が下がっていますが、ジワリと脂汗が出ます。
「うう、慣れないことをして疲れが出たんだろうなぁ…。今日一日大丈夫だろうか・・・? しかしここは気合入れろ、オレ!!」
昨日の研修会場に入り、まずは地元猟友会長による巻狩りの手筈の説明。

この斜面で休んでいる鹿を追い落とす作戦です。

参加者とスタッフは少し離れた場所から見学。

猟犬を放つと
「ウォン、ウォンッ!!」と鹿を発見しての追い鳴き!
山の斜面は落葉樹が多くて透け、鹿が逃げていく様子や3頭の猟犬が追いかけていく様が遠くからでも見て取れます。
「こりゃ面白いや!」
こうやって客観的に他のハンターが行っている猟の様子を見る機会なんて滅多にありませんから、説明も忘れて見入ります。
「あ、いかん。今日はハンターじゃなく講師だった・・・」
と、体調不良とも相まって慌てて取って付けたような説明をする私(笑)。
猟犬が匂いを落とし(鹿を見失い)一段落したところで、「タツマ体験」に移行。
まず普段大物猟に使用している私の装備の説明をします。

(写真提供:環境省)
ええ、ハンターベストとキャップを新調したのはこのためです(笑)。
古いものはかなり色褪せていて、視覚安全面からのオレンジ色の効果が薄れていたからです。
実際の猟場での注意点を説明するための、スタッフの扮する模擬鹿くんも登場。

それから模擬猟場へと場所を移動し、模擬銃を用いてのタツマ体験の説明です。

(写真提供:環境省)
模擬的な物とは言え狩猟の実技を教えるなんて殆ど初めてに近い体験ですから、実際に自分がタツマに付く時の注意点を一つ一つ思い出しながら説明します。
「弾を装填していなくても絶対に銃口を人のいる方向に向けない」
「体勢を変えた時に枯枝を踏んで物音が出ないように足場を均し、気配を殺してジッと待つ」
「この様な竹林の中では跳弾(弾の弾道が変わったり弾き返されたりすること)の危険性も十分に考える・・・」
「弾が外れた場合のバックストップ(安土)を絶対に確保して・・・」
「獲物の姿を完全に確認し、周囲に勢子や猟犬がいないかをしっかり確認して撃つ」
「そして獲物は逃がしても良いから何より安全第一!」というような事を説明。
(模擬鹿くんと模擬銃を用いて)一通り模範演技を行った後、参加者の皆さんにも模擬銃を手にしてもらってのタツマ体験が行われます。

(写真提供:環境省)
実際の猟場ではこんなに猟銃を持ったハンターが並ぶことはありませんから、こうやって見るとなかなか壮観ですね!
何度も模擬鹿くんに走ってもらい、参加者の皆さんにしっかりとタツマ体験してもらいました。
(鹿くん、ありがとう♪)
それから座学会場へと場所を移し、再度の質疑応答と情報共有。
模擬的なものとは言え、2日間に渡る実技研修を終えた参加者の皆さんはまた新たな疑問が湧いてきたようで、ここでもたくさんの質問が出て活発な議論が交わされました。
そうして終了の時を迎え、フィールドセミナーは幕を閉じたのでした。
このフィールドセミナーは第一回目ということもあり、主催者も講師陣も手探りだったというのが本音ですが、参加者の皆さんも実際の狩猟の現状と魅力を充分に体験していただけたのではないでしょうか。
そして何より今回はこの様な実技研修を行政が主催したことに大きな意義があると思います。
「農業被害を減少させるためにハンターを増やそう!」とPRしても、やはり狩猟は分かりにくく、狩猟に縁が無い人にとってはかなり敷居が高いと感じるのも事実ですから。
かと言って法令面などからいい加減な事を教えられても困りますしね。
このフィールドセミナーが継続的に開催されれば、これから狩猟を始めたい人にとってかなり貴重な機会になると思います。
まあ、教える側(私の事ね)が明確によく分かっていないことも多く、かなり勉強になったのでした。
これからも一ハンターとして精進します。
最後になりましたが環境省・熊本県をはじめ関係者の皆様、この様な機会を与えてくださったことに感謝いたします。
そして2日間に渡りヘタクソな説明にお付合いくださった参加者の皆様に深くお礼申し上げます。
いつかどこかの猟場でお会い出来るといいですね!
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