体調が少し回復したので山へ行ってきました。
山を駆け回る勢子役はまだ無理なので、狙撃手の一人として待ちに付きます。

今日の待ち場はこんな感じ。
他の狙撃手からはかなり前方に位置し、撃つだけでなく後方のメンバーに状況を中継するポジションでもあります。
ヌタ場や餌を食べた様子と足跡から、50kgくらいと60kgくらいの2頭のイノシシと数頭の鹿が入っている見立て。
この山は小さ目の山で、しかも獲物の逃走経路が限られているので、獲物が入っていれば比較的獲りやすくグループが得意としている山です。
狩猟を行う山にも色々あって、
「滅多に獲物は入らないけれど獲りやすい山」
「たくさん獲物はいるけど獲りにくい山」
「沢山獲物もいて獲りやすいのだけど、養豚舎があったり狩猟に理解の無い住民の方がいて競れない山」
などの中で、この山は「獲物も良く入るし獲りやすい」という特A級のポイントです。
勢子副長と若き勢子がそれぞれ3頭ずつの猟犬を放して巻狩りの開始!
すぐに獲物を発見し、追い立てる鳴き声。
「獲物出てるよ!気を付けてよ!!」
「よ~っし、久しぶりに山に来たんだ。オレの前に出てこいよ!」
1発の銃声。
50kgくらいのイノシシが待ち場の間を抜けて行ったそうですが、残念ながらこれはハズレ。
逃げられてしまいました。
そして再度犬の追い鳴き!
今度は鹿を出したそうですが、フェンスが一部低くなった場所から逃走…。
「うう、獲りやすい山だけど今日はダメかぁ」
比較的小さな山なので勢子役がほとんど競り終わった頃に私の待ち場で異変…。
「パシ…、パシ…」
僅かに枝を踏み折る音。
「ん!?イタチやテンなんかの小動物か?でもなんか変だ」
自分の中で鳴り響く妙な警鐘。
「見切りではイノシシは2頭入っていた。しかし小さな山を2人の勢子と6頭の猟犬がかき混ぜた後だぞ…」
半信半疑ながらも、先輩方の見切りと自分の野生の勘を信じます。
静かに安全装置を解除して据銃(銃を構えること)。

「来た…」
60kgサイズのイノシシが孟宗竹の間からチラチラと姿を見せます。
勢子と猟犬を振り切り、更に狙撃手の位置も完全に把握してコソコソと逃走を図っている模様。
「まだ遠いし竹が邪魔で撃てない。だけどオレの存在には気付いていないな…。あと10メートル近付けば狙撃ポイントもあるし、後方に他のメンバーもいるから迷わず撃つ!」
銃を構えたまま気配を殺し、イノシシの動きに合わせて銃身をスライドさせます。
しかしここでタイミングの悪い連絡。
「もう車の近くまで戻って来た。そろそろ待ちを解いてもらおうか?」
「ええ、こっちも大丈夫ですよ」
競り終わってこのラウンドが終了間近であることを告げる、副長と若き勢子の声。
「う、どうする?あと10秒もあればイノシシが狙撃地点まで来るけれど、待ちを解けの号令が下されてからの射撃は安全面からルール違反だ。
それに半矢になって後方にイノシシが走った場合、肝心の狙撃手は脱砲していてどうにもできない…」
そんな事を思っている間に親方からの連絡。
「よーし、皆待ちをと…」
ドカンッ!号令が終わらない内に、僅かに見える隙間を狙って発射!
弾が中った気配はなく、弾け飛ぶようにして弓の中(包囲網の中)に戻っていくイノシシ。
「イノシシが戻ったよ!!気を付けて!」
状況を説明するとすぐに勢子役が競り返してくれます。
猟犬の追い鳴き。
待ちに付いているメンバーに緊張が走りますが、結局このイノシシには逃げられてしまいました。
「くそ、完全に猟犬の撒き方を知っているイノシシだった!6頭もの猟犬を撒いて逃げるとは何て賢いイノシシだ…」
しかもこの時、副長のワンコがイノシシの牙で切られてしまいました。

(ふーちゃんと同腹の姉妹犬『サクラ』)
幸い切られたのは薄皮一枚で軽傷。
良かった。
「しかしあれだけ賢いイノシシが犬を切ること覚えてしまった。今後の事を考えると出来れば今日叩いておきたい相手だったな…。」
今日は完敗です。
犬が切られてしまったし、雨も降って来たのでこの日は早上がり。
解散後ちょっと鴨撃ちをしてカルガモをゲット!

(この猟欲の強さが自分でも本当にイヤ。笑)
野生動物の賢さに只々脱帽です。
狩猟の魅力まるわかりフォーラムHP鳥獣対策総合案内コーナー(鳥獣対策、狩猟へのご案内など)↓それでも手ぶらじゃ帰らないなんて食い意地の張ったヤツだな!!と思った方はクリックプリーズ(笑)
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