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食べる事と、命をいただく事について考えます。 狩猟、素潜り、釣り、採集、手作り等々

有害鳥獣捕獲隊、島へ!

いつも有害鳥獣捕獲に行く島でイノシシが暴れているとのことで、有害鳥獣捕獲隊出動です!!

島にある小学校の周囲にまでイノシシが出没しているとのこと。



島なので漁船をチャーターして行くのですが、しかしこの日はベタ凪の絶好の釣り日和。
2013.10.28島の有害鳥獣捕獲8

ああ、今年はあまり釣りに行っていないから釣りしたいなぁ…(笑)。

まあ、今日は有害鳥獣捕獲だからしょうがないよね。




島に到着して作戦会議。

2013.10.28島の有害鳥獣捕獲9

今回は7名と少なめの人数なので、2人の勢子と動ける人は状況に合わせて動く作戦。



とりあえず今回一番若手の私が山頂まで登り、どの場所でイノシシが出ても駆け下ることができる位置で待機。



この島は過疎化で山の手入れをすることを完全に放棄してしまったので、鬱蒼としたジャングルのような様相を呈しています。
2013.10.28島の有害鳥獣捕獲2


この時期、イノシシの主食となるドングリやマテバシイもたくさん落ちていて、食い散らかした痕跡も多数発見。
2013.10.28島の有害鳥獣捕獲3

イノシシたくさんいそうだね。



そうこうしていると猟犬の一頭がやってきて、周囲をうろついています。

勢子の方と連絡を取ると遥か遠くの場所なので、私がワンコに付いて山を探索します。
2013.10.28島の有害鳥獣捕獲111


「イノシシがいると鳴くから分かるよ」

とのことで一緒にテクテクと歩いて行くと、前方20メートルほどの場所からイノシシが飛び起きて逃走!

50kgくらいの親に20kgくらいの子供が2頭。


風上にいたのでワンコの発見が遅れ、逆にイノシシに先に気付かれてしまった感じ。

それを見て吠え立てるワンコ。


瞬時に銃を構え引き金を弾く! 

が弾が出ません。

「あ、いかん。安全装置解除してなかった…」

すぐに安全装置を解除して3連射!!



平気な顔で逃げ去るイノシシ。




一発くらい中ってないかと周囲を見渡しますが、血の一滴も落ちていません。

追いかけて行ったワンコもすぐに戻ってきたから、完全に外れている感じ。トホホ…。



「いや~、あんな茂みも何もない地面に寝ているとは思わなかった。油断した…」

ここのイノシシは犬に追われたり人間の姿をあまり見たりしないので、通常の常識が通用しないことが多いようです。





その後も何頭かイノシシが出たようですが、島の中を迷走して犬が捲かれてしまいます。

こんな竹藪や、
2013.10.28島の有害鳥獣捕獲4

ダンチクのトンネルを巧みに利用しているようです。
2013.10.28島の有害鳥獣捕獲6



それにしても暑い!

2013.10.28島の有害鳥獣捕獲5

来週から猟期だというのにクワガタも平気な顔で樹液を吸っています。

とても猟期間近の光景とは思えませんね。



この山はかなり急峻な角度で、大きな岩が無数に転がっているので非常に足に負担がかかります。

それに最近はカラス撃ちばかりであまり山を歩いていなかったので、体が山に慣れてなくて足が痙攣を起こしそうです。

「潜りにもあまり行けなかったし体が出来ていないな…。来週から猟期だというのに情けない」




昼近くになり、なんとか50kgくらいのメスイノシシを1頭ゲット。

2013.10.28島の有害鳥獣捕獲222

乳腺が張っているので、この時期に子育てをしていたようですね。



ふう、それにしても疲れて酷い筋肉痛だ。

しかし久しぶりに山の中をたっぷり歩いたので心地よい疲労です。





さあ、いよいよ猟期も始まるな。

5年目の今年の猟期にはどんなドラマが待っているかと思うと、今からドキドキします。



そして今年は帯状疱疹にならないように気を付けよう(笑)。

(今年の猟期にも帯状疱疹になったら打率8割じゃん)





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闇罠(やみわな)

休日の朝から携帯電話に着信。

相手は市役所の農林土木課となっています。



「もしもし…」

「朝からすみません、今日はお時間ありますか? 実は罠にアナグマかタヌキかアライグマかハクビシンみたいな正体不明の動物がかかっていると連絡がありまして、処理をお願いできないでしょうか…。

その罠なんですが、実は許可を持っていない方が家庭菜園にかけた闇罠なんです…。自分では処分できないから何とかしてくれと市に依頼があったのです」

闇罠と聞いて気が重くなりますが、農林土木課の方には有害鳥獣捕獲などで日頃からお世話になっているし、人助けのつもりで引き受けます。

ただし「闇罠を仕掛けた人には違法行為であることをきちんと伝えてください」とお願いします。



連絡を受けた時は久しぶりの休日でゆっくり寝ていたし、慌てて飛び起き準備。

パソコンで依頼主の住所を確認して出発!



でも気が重いなぁ…。

有害鳥獣捕獲でも自分の仕掛けた罠だと少しは「野生動物との知恵比べ」という駆け引きがあるのですが、人がかけた罠の動物を殺処分するだけだと殺すためだけの行動ですし、一般の方にも「ハンターって動物を殺すことを引き受けてくれる(都合の良い)人間」という誤った認識を植え付けることになるからです。

それに殺処分だけを行った場合、心の底に滓のように重たい何かが溜まっていくのが分かり酷く疲れるのです。



車を走らせながら考えます。
「アナグマやタヌキの猟期は11月15日から始まるから、捕獲許可の出ていないタヌキだったら放獣処置。ハクビシンはこのあたりでは生息していないから可能性は低いな。アナグマかアライグマだったら捕獲許可が出ているからお持ち帰りで解体作業だな。アライグマだと未知の味だから嬉しいんだけど、解体作業でせっかくの休みが無くなってしまうな…」


30分以上車を走らせ現場近くまで来て、詳細な場所が分からずに道に迷って彷徨っていると再び市役所から電話。
「まだ来ないのか?と催促の電話がありまして…」

現場間近まで来ていることを告げ、依頼主のお宅に到着すると挨拶もそこそこに
「何やっとったんじゃ~!? 1時間以上も待っとるんぞ。 ワシも忙しいんやっ!!」
とお叱りのお言葉。


まずはお詫びをし、私の身分証明書と有害鳥獣捕獲従事者証をお見せします。

その上で私の住んでいる場所とこの場所まで来るのにかかる時間を告げ、猟友会の有害鳥獣捕獲隊員といっても仕事を持った一般人であり、市役所から依頼があって伺った今回の件も完全に無償のボランティアであるということをお伝えします。
(一日当たり千円~二千円の捕獲活動費が出るのは週一回の決められた合同捕獲日に出席した場合のみ)





そして依頼者から案内されて現場に到着すると…、

(内緒だけど、実は正体不明の動物と言われてちょっとワクワクしていたんですよね。笑)




なぁ~んだ、どっからどう見ても普通のタヌキじゃん!2013.10.20タヌキ



罠をかけた人がタヌキだと分からなかったのは、何とか逃げ出せないかとタヌキが脱走を試みて怪我を負い、鼻筋が腫れ上がって面相が変わっていたからでしょう。
2013.10.20タヌキ2

痛そうだね…。



「こいつが毎晩畑を荒らしよるんじゃ。殺してくれ!」

タヌキは捕獲許可が出ていない旨を伝えた上で、市役所の担当者に電話をします。

「タヌキでした。依頼者は殺処分を希望していますが、事後許可とか出ますか?」

「タヌキの被害報告はありませんので無理です」

「じゃあ放獣処置ということでいいですね?」

「お任せします。ありがとうございました」



罠ごと車に載せ、かなり離れた山奥まで行って檻を開け放します。

2013.10.20タヌキ3

もう人間の畑を荒らしたりしちゃダメだよ。



林に入る途中でチラリとこちらを見るタヌキくん。

2013.10.20タヌキ4
(残念ながらその瞬間の写真が撮れなかった)


罠を返却しに戻ると
「今度から罠にかかったらあんたに直接電話すればいいんかのぅ?」
と尋ねられたので、一定規模以上(ちゃんと基準がある)の農家の方が自衛で箱罠を仕掛けることは認められているけれど、一般の方が許可を取らずに仕掛ける闇罠は違法であることを説明します。

その上で野生鳥獣による被害があったら市役所に捕獲を依頼し、許可が下りたら猟友会の有害鳥獣捕獲隊員が来ることをお伝えします。



ふぅ、なんとか任務終了。

必要以上の説明や人的対応で結構大変だったけれど、今回は必要以上の野生鳥獣を殺さずに済んだのでそれだけで良かった。




捕まえたり殺したり放したり、人間って本当に身勝手な生き物だよなぁ。





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秋の有害鳥獣捕獲活動

色々と用事があって忙しく、久しぶりに有害鳥獣捕獲活動に参加。


空が高くなり、すっかり秋の空ですね。
2013.10.14秋222


有害鳥獣捕獲隊の皆さんも罠と巻き狩りの二重作戦で頑張っているようですが、獲っても獲っても湧き出てくる状態のイノシシ軍が優勢のようです。


巻き狩りのために周囲を見て回りますが、どこもかしこもイノシシが餌を漁った痕跡だらけ。
2013.10.14秋3

台風の後なので椎の実がたくさん落ちていますね。
2013.10.14秋

この椎の実やドングリをたくさん食べたイノシシは脂が乗って美味くなるんですよ♪



ここも掘り返されてひどい有様ですね。
2013.10.14秋5

すぐ横には巨大なヌタ場(イノシシのお風呂)もあるし…。
2013.10.14秋4

足跡を辿るとこの竹林に向かっていますね。
2013.10.14秋6

かなり荒れた状態だし、倒れた竹の上にはツタも被さって天然のテントのようです。


「こりゃあ、犬を入れたらすぐに出るぞ。しかも1頭や2頭じゃない…」


だけど今日は人数が少なくて待ち受ける狙撃手が4人しかいないんだよね。

巧く待ち場にかかればいいんだけど、突破されたらごめんなさいだな。



先輩ハンターの過去の経験からアドバイスをいただき、銃を持って就いた待ち場はこんな感じ。
2013.10.14秋2

巧くいけば上方からイノシシが駆け下ってくる手筈です。

しかもここを突破されれば大山に抜けられる場所でもあるので、この待ちにイノシシが出てきたら何としてでも止めなければいけない場所でもあります。




勢子が犬を放して猟の開始!

予想通りすぐに犬の吠え立てる声。




が、あっという間にその声は遠ざかり、待ち場とは逆方向に突破されてしまいました。

いや~、そっちの方向には全然狙撃手を配置してないからなあ…。どうしようもないや…。



今日は残念賞です。





イノシシはボウズでしたが、罠にアナグマが一頭かかっていました。

2013.10.14秋8

サムアップしていかにも「私が獲りました!」みたいなポーズを取っていますが、実はこれ、他の有害鳥獣捕獲隊隊員の罠にかかっていたアナグマを前に記念写真を撮らせてもらっただけです(笑)。





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鳥獣被害対策実践マニュアル

少し前のことなのですが、有害鳥獣捕獲会議に行ってきました。

2013.09.10捕獲会



有害鳥獣捕獲隊員の8~9割ほどが休日に開催される会議に出席。

2013.09.10捕獲会2

有害鳥獣捕獲活動は行政から猟友会が委託を受けて行う業務という形にはなっていますが、実態はと言うと全くのボランティアですね。

合同捕獲日に出席すると1日当たり1,000円~2,000円(犬の治療費がかさんだりすると減る)の日当が出ますが、ガソリン代などを考えると完全に赤字です。

イノシシや鹿の捕獲実績に対して報奨金が出るようにはなりましたが、毎日の見回りや餌代や罠代などを考えると、これもまた苦労に見合う物ではないと思います。

とにかく、自分のプライベートな時間を潰して暑い季節に山の中に入って有害鳥獣捕獲活動を行うことは大変な重労働であり、税金から僅かばかりであっても活動費用が出ている以上は成果を上げる必要性もあるしで、肉体的にも精神的にも負担が大きいのです。

かと言って「報奨金をもっと上げろ!」とか「日当をもっと出せ!!」と言ってる訳ではありません。

そりゃあ人間だからお金は欲しいし、有害鳥獣捕獲で小遣い稼ぎができたらいいのでしょうが、そんな事を本気で思っているのは極々一部のハンターだと思います。

(中には金欲に塗れ、特定の人物だけがその権利を独占しているというすごい猟友会もあるとは聞きますが、そういう猟友会は近い将来自然に淘汰されるんじゃないかな…)



有害鳥獣捕獲活動に携わるほとんどのハンターは「少しでも野生鳥獣の被害に困っている農家の助けになれれば…」との想いから有害鳥獣捕獲活動をされています。

少なくとも私の所属する猟友会ではそうです。

だから狩猟経験が浅くても熱心な若者は積極的に隊員に勧誘するし、親切に指導していただけます。
(私は1年目の猟期が終わってすぐに捕獲隊員になりました)



お金に関して言えば、(これは私的な意見ですが)有害鳥獣捕獲活動は「プラスマイナスゼロくらいでちょうどいい」と考えます。

そして本当に頑張って実績を上げている方は「少しプラスになるくらい」。


お金が絡むと醜い争いが起こりがちですし、私はそんないざこざに巻き込まれたくないのが本音です。



そうそう、そして今回こんな冊子をいただきました。

「鳥獣被害対策実践マニュアル」
農家の方に向けて県の農林水産部畜産課が作製して配布している物です。

2013.09.10捕獲会3


内容を見ると対象鳥獣別に具体的な野生鳥獣の防除の仕方をまとめたものです。

2013.09.10捕獲会4

なかなか良いですね!


特にいいな!と思ったのがこの部分。

2013.09.10有害鳥獣捕獲222

「捕獲と大規模柵は最後の手段!」

そうですね、ハンターも必要以上に野生鳥獣を殺したくはないし、農家の方もお金のかかる大規模な柵を設置したいわけではありません。



「里山には農作物がたわわに実り、猟師は猟期に自分が食べるくらいの獲物を山から分けていただく」

それが理想なのでしょうが、有害鳥獣が増えすぎて山からはじき出され、人家の近くまで押し寄せてきている現状ではそんなことは言っていられません…。

どこかで線引きをしないと難しいですね。



まあ、簡単に答えが出るような簡単な問題ではないのですが、ヘナチョコなりに気合入れて秋の捕獲活動頑張りま~す!





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秘密の出来事(笑)

前回「お肉のストックが残り少なくなって心細かったんだよね」などと書いていたら、

「そうか、あいつはそんなに貧乏しているのか…」

と哀れに思った地元猟友会のお友達ハンター、男気溢れる今町さん(仮名)からまたまた獲物をいただきました!
(いや、本当に貧乏なんですけど)





で、今回いただいた獲物。

ドーンとイノシシ丸々一頭!!2013.09.04イノシシもらった

35kgくらいのオスイノシシ。
2013.09.04イノシシもらった2



相変わらず自分で獲らずにもらってばかりのヘナチョコハンターです(笑)。




そして今日も賃貸マンションの一室に運び込まれるクーラーボックスを載せた怪しいキャリーカート…。
2013.09.04イノシシもらった6

ふっふっふ、これから風呂場で起こる出来事は絶対内緒です(爆)!



男気溢れる今町さん(仮名)、ごっちゃんです♪ ありがとうございます。





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プロフィール

じゃん

Author:じゃん
幼少時より食い意地の張った子供で、今でも野生の動植物を見る時には
「美味いか不味いか?」
が大きな判断基準を占める。

素潜り、釣り、手づかみなど様々な方法にて「タダの食料」を捕獲することに情熱を燃やしています。
2009年より狩猟界にデビュー。タンパク質自給率100%達成なるか!?

E‐mail
capturefood@yahoo.co.jp
お気軽にメールくださいね♪

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