本日は友好関係にある山岳グループの皆さんの猟場に案内していただき、共同のグループ猟です。
大物猟のグループが共同で狩猟を行うことは、実はかなり珍しいこと。
なぜならば獲物の獲れる猟場はハンターにとっての貴重な財産であり、特にグループの皆で開拓した猟場を他人に知られることは避けねばならないことだからです。
それらを勝手に他人に教えたりすることは、ハンターとしての仁義に外れる行為ですしね。
一昔前の猟師としての仕来りがしっかりと受け継がれている地域では、グループをまとめるリーダーや親方衆が若い衆を教育し、トラブルが発生したりしても丸く治めていたりしたそうですが、今は無秩序な所も多いようですね。
それに私有地じゃなくても、なんとなく地元ハンターの縄張りっていうのもありますし。
しかしそうは言っても高齢化が進み、ハンター人口が激減してグループ猟が成り立たなくなっている現状ではそんなことも言ってられませんけど…。
この日は総勢20名ほどの大部隊になりました。

親方同士やメンバーの方々の長年にわたり培ってきた信頼関係もあり、遠征に行くとかなり歓迎されます。
それぞれが案内され、待ちに着きます。
(社会生活ではかなりのおっさんの部類に入るけれど、狩猟界において)若手の私は一番山頂近くの待ち場を担当。
かなり鹿が多い地域で、待ち場まで登っていく途中で杉や檜の樹皮が食べられているのを幾度となく目にします。

いつもの1時間前後で競り終わる小さな山とは違い相当に大きな山なので、待ちにつくのにもディパックにお弁当と水筒を詰め込み、急峻な山をフゥフゥ言って待ち場まで到着。

檜と孟宗竹が混じる林の稜線から延びてくる獣道があり、手筈道理行けば尾根を鹿が駆け下ってくるハズ。
勢子が犬を放し巻き狩りのスタート!
すぐにあちらこちらから猟犬の鳴き声が聞えますが、よく知っている猟犬と猟芸が違うので、獲物が近付いているのかどうかの判断が難しい…。
下側の遥か遠くの竹林の中を走り去っていく鹿を見ることが三度。

チラチラとしか見えないので撃てませんでした。
そうしていると、待ち場の近くの稜線の向こう側から犬の声。
「今度こそ間違いなく来る…。」
「来たっ!」

稜線に大きな角を持った立派な雄鹿が現れます。
距離40メートル。
だけど鹿の後は空。
撃って外れた時に弾止めとなるバックストップがないので、まだ発砲はできません。
「降りて来い…。そして出来れば10メートルくらいまで近付いてちょ。(でないと中らないから。笑)」
微塵も動かずに視線で鹿の動きを見つめますが、しばらく周囲を見渡した後、元来た道をUターン。
残念!
待ち時間が長いので、時折周囲を観察してみますが、鹿だけでなくイノシシも多いようですね。

餌をあさった跡や、

大きな糞も。
そうこうしている内に、またもや稜線の向こう側から近付く犬の声。
「今度こそ…。」
先程と同じくらいの立派な雄鹿が出現!
「今度は躊躇しない…。バックストップが確保できた瞬間に引き金を弾く!!」
などと思っていたら、今度は稜線伝いにトコトコと登って行ってしまいました。

んん~~~、残念!!
猟が終わり、結局仕留めた鹿は4頭。

(写真には2頭しか写っていません)
撃ちかける事は出来なかったけれど、待っている間にフクロウやヤマドリを見ることが出来たし、たくさんの野生鳥獣と出会えて満足です。
招待してくださった山岳グループの皆さん、ありがとうございました♪
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