猟期中の記事になります。
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「ふう、疲れていても眠くても、これだけは今日中にやらなければ…」

山へ出猟して犬と共に歩いてきた後に、猟銃を分解清掃しながら自分に言い聞かせます。
勢子役をしていると山の中で足を滑らせるなんてことは日常茶飯事ですし、銃に泥や小枝が入ってしまうのです。
私の使っている狩猟用の銃は自動銃と呼ばれるもので、薬室に1発・弾倉に2発の弾が込められ、連続で3発の弾が撃てます。

(ベレッタテクニス。写真はスラッグ弾を撃つ専用の銃身で、もう一つ鳥撃ち用の絞りが変えられるリブ銃身が付いています)
待ち役にも付きますし、鳥撃ちもする私にはこれが一番使いやすい実用猟銃かなと思います。
しかしこのタイプの猟銃は、一本の銃身で「撃針」と呼ばれる弾の雷管(発射するために叩く場所)も一つ。
それに発射・次弾装填などの一連の動作が、弾を撃った時のガス圧により自動で行われるので、たくさんの部品が干渉してスライド部分がスムーズに動くことが前提です。
銃身や撃針、次弾装填するための機構のどこかにトラブルがあれば弾を撃つことは不可能な状態になります。
泥を噛んで回転不良になったり、時には暴発の危険性もあるので、泥を噛んだ場合などはこまめなメンテナンスが必要となるのです。
「やっぱり銃身も撃針も2つあって、もしもどちらかにトラブルがあっても1発は撃つことのできる、シンプルな上下二連にするべきかなぁ…」
実際に親方(若き勢子)は、そのような理由で勢子銃(せこづつ)に上下二連銃を使っています。

(これは私の所持している上下二連銃。ほぼ射撃専用に使用中)
二本の銃身が付いているので、確かに一本銃身の自動銃よりは重くなります。
装備は1gでも軽くしたいのが本音なので、これは大きな問題です。
しかし上下二連銃(水平二連銃でもそうですが)だと中間部分で折れる構造なので、転んでも銃身内部に泥が詰まっていないか確実に目視確認できるというメリットもあります。
私が銃砲店に弾を購入しに行って、少しお店の方と話をしていた時の事です。
新たにお客さんが入って来られて
「撃針が折れた。急いで取り寄せて欲しい」
という注文をされました。
「山で犬がイノシシを立てて(啼き止めて)いて、引き金を引いたけど弾が出なかったんだ。
不発弾かと思って急いで新しい弾を込めて発射した。
だけど弾が出ない。
それで何か銃にトラブルが起こったんだと分かった。撃針が折れていたよ…。
猟犬は父ちゃんが来てくれたから『早く撃って!!』と頑張ってイノシシを止めてくれたんだ。
だけどこっちの銃の状態なんか分からないから、結局イノシシに捲られて切られてしまった。
どうしようもなかった…」
悔しそうな表情を浮かべるハンターさんの心情を慮ると、察するに余りあるものがあります。
さあ、どうしようかなぁ。
「やっぱり最悪の事を想定して、それに耐えうる装備があるなら準備するべきなんだろう。
ワンコ達の命もかかっているし、最悪自分の命が危うい場面が発生するかもしれないもんな~」
しかし定期的に撃針を新品に交換して、猟銃のメンテナンスをきちんと行えば避けられる問題でもあるかな、とも思います。
少しだけ考えてしまいますね。
よろしかったら
「こんなことがあったよ!」
「勢子筒にはこれだよ!!」
という勢子役の皆さま(及び経験者さま)からのご意見をどしどしお待ちしています。
↓さっさと警察署に行って新しい上下二連銃の所持許可申請してこいよっ!!と思った方はクリックプリーズ♪
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