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食べる事と、命をいただく事について考えます。 狩猟、素潜り、釣り、採集、手作り等々

職人最後のナイフ2本を購入したのだ!!

大型ナイフを2本購入しました。
2021.10.19職人最後のナイフ3
(左のシースに入った2本。右の2本は私が使用中のもの)


いつもながら親父の作品。
(高齢で、もうナイフ作りはしていません)

「ATS-34」というナイフ専用の鋼材を使用して作った、親父の大型ナイフ作品群の中の最後の2本。
日立金属が開発し、「カスタムナイフの神様」と呼ばれたR.W.ラブレスが愛用した鋼材である「ATS-34」自体がすでに廃版になっています。


親父がナイフを作り始めたのは私が小学生くらいだったと思うので、今から40年くらい前の事になります。

「使いやすいナイフが無いのなら自分で作ってしまおう」
と考えて作り始めたのがきっかけで、もともと手先がとても器用で物作りが大好きだった親父は、それからナイフ作りにのめり込んでいくようになります。


最初は自動車のリーフサスや折れた工業用ノコギリから削り出していた記憶があります。

そしてその頃、カスタムナイフの専門雑誌「ナイフマガジン」が創刊され、毎月熱心に読んでいました。
自己流だったナイフ作りも、専門知識が得られて一気に凄みを増したものになりました。

私も親父も兄貴も、一家で揃って黎明期の「ビーパル」や「ナイフマガジン」を読んでいましたね。
(その当時は商業色が薄く、とても骨太の内容だった)


その後に起こったカスタムナイフブーム。
時代はバブル真っ盛りで、ちょっと名が知られた作家さんのナイフが何十万円もの価格で取引されていた時代です。

「ナイフはあくまでも実用品なんだ。飾りで作るようなものではない。自分で使い倒して、切れ味が落ちたら砥いでナンボのもんなんだけどなぁ…」
そんな事を言って、いつも親父が嘆いていたのを覚えています。


で、このナイフ2本を何故入手することになったのかというと、「狩猟者登録や猟銃の所持許可更新で何かと入り用なんだ。コロナの影響で仕事が激減しているから、誰か買ってくれる人はいないか」との相談があったからです。

正規ルートでは1本12万円で販売していたものですが、「いいよ、(無理してでも)2本ともオレが買う」と即答。
2021.10.19職人最後のナイフ1
(シースから抜いたところ。今回入手したのはシースの隣の真ん中の2本。写りが悪いけれど、きれいな鏡面仕上げ)


当然ながら(包丁なども含めて)市販の刃物も多数使用していますが、狩猟を始めるずっと前から親父の作ったナイフを愛用しているし、そのクオリティは充分過ぎるくらい理解していました。

山を駆け回り、数えきれないくらいの獲物と対峙してきた現役ハンターが、自分の体験を基に試行錯誤して改良を重ねた実用ナイフです。


いつもブログに親父の作ったナイフの記事をアップすると「作って欲しい」という反響が大きかったし、今回の2本も「売りたしっ!!」と告知すると言い値で買い手が付いたと思います。

しかしもう入手できない親父の作った大型ナイフでしたし、そしてなにより誰とも知らない人間に使われるのが嫌だったのです。


私自身が親父が作った大型ナイフを4本(今回の2本を含む)も所有していて、どんなに頑張って砥いで使っても一生に使いきれる本数ではありません。

でも作り手の想いを知っているだけに、かなり頑張って購入しました。
(特別家族割引価格でしたけどね)


「勢いで買っちゃったけど、こんなにあってもナイフコレクションの趣味は無いしどうしよう…」
写真を撮りながら、少し途方に暮れます。


それからシースに皮革油を塗り込み、ナイフ表面を軽く磨きます。

「まあ、なんとかなるか!! まだそんな身分ではないけれど、将来自分に狩猟の弟子が出来る様な時が来たら、未来ある若者にこのナイフを託すのもいいかもな…」


きれいにナイフの手入れを終えて収納し、久しぶりにウイスキーをロックグラスでチビチビと飲みながら、そんなことを思ったのでした。


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ウナギ裂き(江戸裂き)

これはウナギ裂き専用の包丁。
2021.08.06ウナギ裂き2

ウナギ裂きには「関西」「名古屋」「京裂き」「九州」など何種類かの形状があるのですが、これは「江戸裂き」と呼ばれるタイプのものです。

ウナギを捌くだけで、日本各地にたくさんの形状の専用包丁があるってすごいと思いませんか?
各地で捌き方や調理方法が異なるという理由もあるのですけどね。


私は刃物を使う職人さん(大工さんや料理人さんなど)や、その刃物を作る職人(鍛冶屋)さんにすごく興味があります。

古くは日本刀という芸術にまで高められた日本独自の最高峰の刃物がありますし、その技術を活かしたたくさんの打ち刃物を作る工程にも興味があります。


で、先日ウナギを獲ってきた時に、実際にこのウナギ裂きを使ってみました。

この手の刃物は。購入時には自分で好みの刃先を付けられるように甘く歯付けがされているので、使用前に仕上げ砥石の上を滑らせて砥ぎ上げます。


まず先端の斜めになった部分で、背骨に沿って身を開きます。
2021.08.06ウナギ裂き3
(こんな角度で身に刃を入れます)

それから取っ手と水平になった部分で背骨を削ぎ落します。
2021.08.06ウナギ裂き4

「なるほど、使い方別に角度が変わる形状は理にかなっている…」
初めて使う刃物なので使いこなせているというレベルからは程遠いですが、使うとそれなりに使いやすく面白い包丁です。
2021.07.31ウナギを食べる1


今は情報社会なので色々な刃物の情報が入手できる時代です。
その中で、とあるプロの砥ぎ師さんが「江戸裂きのウナギ裂きが一番砥ぐことが難しい」と言われていたことを思い出しました。
(その理由を書くととてもとても長くなるので割愛しますが、深く納得できる内容でした)

いや~、刃物は奥が深いなぁ…。


江戸裂き包丁を早く自由自在に使いこなせるように頑張りま~す♪


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砥ぐ

ヒマな時には刃物を砥ぐことが多いです。
2021.06.05砥ぐ1
(砥石の左の2本がイノシシ猟でメインに使っているナイフ)

魚や獣を捌いた後には必須ですし、毎日使う料理包丁もちょっと仕上げ砥石をかけるだけで剃刀の様な切れ味を取り戻します。
刃物の地金と砥石の相性や、仕上げ方によっても変わるので、(機械回転式のものを含めて安物ばかりですが)それなりに多くの砥石を持っているほうかな。


まずはしっかりと水分を浸透させ、砥石用の削り砥石で表面を平らに馴らします。
(この作業は研いだ後も行いますが、乾燥させると微妙に歪むことがあるため)


刃先と砥石の触れ合っている面積がどれくらいなのかは分かりません。
しかし砥いでいる最中は、刃先と砥石の接合面の感覚に相当に集中しています。
2021.06.05研ぐ2

私の場合、狩猟で使っているナイフは親父が作ってくれたものを使っているので、作った人間(親父)が「このナイフはこういう用途で使って欲しい」という事がダイレクトに分かります。

また、私も「こんな感じで使いたいからもう少しこんな感じの造りにして欲しい」といったことを要望できる立場でした。
(現在親父はナイフを造っていません。高齢になってしんどくなったのと、メインで使っていたATS34という鋼材が廃版になってしまったためです)

一昔前は職人さんと道具と使い手とは、そのような関係だったのだと思います。


砥ぎ始めはそんな事を思うのですが、いつも砥ぐことに集中しだすと違うことに想いが移ります。

「人類が誕生して以来、狩猟を行わなくても生きていけるようになったのは0.2%にも満たない短い時間だというけれど、火を使う事と同じくらい、刃物を使うという事は人類史上の一大事件だったのではないだろうか…。

狩猟をして獲物を捌いたりする道具として刃物は生まれ、そして戦うための武器となり、日本刀のような芸術と言えるものにまで昇華した…。
そこにどれだけの職人や使い手たちの想いがあったのだろう…」

砥石の上に刃先を滑らせながらそんな事を想わずにはいられません。


お亡くなりになったC.W.ニコル氏が「その人の持っているナイフのメンテナンス具合を見れば、だいたいどんな人間か分かる」と言っていたのを思い出します。
(いや、私自身止め刺しをして血だらけのナイフの手入れをせず、次の猟の時にナイフを抜くことも出来なかったという経験があるので自分に対する戒めのためです)


「いいか、最後に頼りになるのはナイフだ」
自分で使うためのナイフを自ら作っていた親父の言葉。

猟銃は少し泥を噛んだり部品が欠損したりするだけで撃つことが出来なくなりますし、弾自体不発の可能性も否定できません。

自分が実際に狩猟をするようになって実感できます。


スパスパとコピー用紙が切れるくらいになって砥ぎ上がり。
「はぁ~、完成! 気分すっきり!!」

次に山で使うための準備や「切れ味を取り戻すため」という道具本来の手入れの意味合いも強いのですが、刃物を砥ぐと相当に集中することと、道具に対する安心感が得られるためか「心が整う」気がするのです。


ちょっと早いけど、次の猟期も頑張ろうっと!!



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 (カッターナイフはとてもよく出来た刃物だと思います。真面目に…)

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トラウト&バードナイフ

自分が使うためのナイフをナイフ工房南風(親父の作業場のことですが)に作ってもらいました。


釣りや鳥撃ちに使うためのトラウト&バードモデルナイフです。
2013.08.03トラウトアンドバード
ブレードの鋼材はATS34。
シース(鞘)は5mm厚のサドルレザー用の牛革を使用。

全長約21cm。ブレードの長さが約10cm。


ちょっとした山歩きやキャンプなどでも重宝するタイプですね。

だからと言って決して華奢な作りというわけではありません。
何十年にも渡ってフィールドで遊び、時には危険な目にも遭った親父の作った物なので、ハードな使用にも充分耐え得る造りです。


今回の物は自分の好みや最近の使用方法を考えて、通常のトラウト&バードモデルよりも若干細めのブレード。

グリップの鹿角は自分で好みのものをチョイス。


実際に握ったらこんな感じです。
2013.08.03ナイフ222

私は手が大きいので(手を広げた時の親指と小指間の長さが約22cm)、ナイフがちょっと小さく見えるかもしれませんね。

しかし魚釣りや鳥撃ちには最適なサイズです。




うん、良い出来だ♪


砥ぎ減ってブレードが半分くらいになり、グリップの鹿角の白い部分が飴色になるまで使い込もう。



親父、ありがとう!



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影打(かげうち)

大物猟に使う新しいナイフを卸しました。

いつものように親父が開いているナイフ工房「南風」の作品。(写真下)
2012.09.28影打ち

上が今まで使っていた大物猟用のペアナイフ。
私がハンターになった時に記念にもらった、親父の使っていたもののお下がりです(笑)。


今回のものはブレードの長さが4センチほど長い罠師モデル。(写真上)
2012.09.28影打ち3

今まで使っていたものはブレード20センチ、全長34センチ。
罠師モデルはブレード24センチ、全長38センチ。(写真下)
2012.09.28影打ち2


今まで使っていたものでも充分な長さでしたが、去年の猟期に100kgオーバーのイノシシを刺し止めた時に苦戦し、「もう少し長くてもいいかな」と思ったのも事実です。

そこで作ってもらうように頼んでいたのですが、親子割引をしてもらっても貧乏サラリーマンの私にはなかなか手が出る値段ではありません。


しょうがないのでジッとある機会を待っていました。
そしてついにその機会が訪れました!


それがこちら。

グリップの方から眺めると…
2012.09.28影打ち4

血で滑ったりしないように指を掛けるヒルトの部分に僅かなヒビ。
2012.09.28影打ち5

黄色の部分。分かりますか?
2012.09.28影打ち6


もともと金属に潜在していた僅かな歪みが、研磨工程で顕在化したもの。
滅多にこういうことはありませんが、作ってからしか分からないものです。

ブレードは問題なくA級品ですし、使うにあたって何ら問題はありませんが、ナイフとして見た場合B級品ですね。


このような不測の事態に備える為に、南風では注文を受けた場合、必ず必要数以上のものを作製します。
日本刀で言う影打(かげうち)ですね。



「オレはもう年だから自分用のナイフも軽いものに作り変えているが、お前の体格と体力ならその大きさで山を駆けても問題ないだろう」
と親父。



早速先日使ってみましたが、バランスもよく大きさも重量も全く気になりませんでした。

うん、良いナイフだ♪



さあ、これで今年の猟期は100kg級の大物イノシシが半矢で逃走しても一撃で差し止めちゃうもんね~!!





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プロフィール

じゃん

Author:じゃん
幼少時より食い意地の張った子供で、今でも野生の動植物を見る時には
「美味いか不味いか?」
が大きな判断基準を占める。

素潜り、釣り、手づかみなど様々な方法にて「タダの食料」を捕獲することに情熱を燃やしています。
2009年より狩猟界にデビュー。タンパク質自給率100%達成なるか!?

E‐mail
capturefood@yahoo.co.jp
お気軽にメールくださいね♪

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