狩猟用語に「一犬、二足、三鉄砲」という言葉があります。
重要なものを順番に挙げていったものなのですが、獲物を探してくれる犬・野山を駆けることのできる頑丈な足腰・獲物を仕留める鉄砲という順番です。
地方の気候や狩猟方法において現代の狩猟では当てはまらないことも多いと思いますが、やはり基本的に肯定できます。
今回はブログを読んでいただいている方から「どういった衣類を着用していますか?」という質問をいただいたので、私の足回りの装備(大物猟の巻き狩りの場合)について書いてみたいと思います。
まぁ、狭小賃貸マンション暮らしで犬も飼えないし、鉄砲は撃っても中らないんで他の項目は答えようがないと言うのが本音なんですけどね(笑)。
基本的には
初心者の時からあまり変わっていません。
まず、狩猟の準備段階である大物猟の見切り(餌を食べた様子や足跡から獲物のいる場所を探す技術)の時はヌタ場や田んぼの中など濡れた場所を歩くことも多いので普通の長靴を履いています。
それから巻き狩りが始まる時に林業用のスパイク付きの地下足袋に履き替えます。

大体4,000円くらい。
多くの先輩ハンターが使われているのですが、色々と試してみてこれが一番軽くてグリップ力もしっかりして楽でした。
親指が分かれているだけで力の伝達力が格段に違い、斜面を登り降りする時などでは相当に安心です。
私の場合、脹脛が太いので普通のコハゼという金具で留めるものでは合うものがなく、マジックテープ式のものを購入しています。
完全防水のものがあればいいのですが、足の甲の半分くらいまでがゴムでコーティングされて防水仕様になったものです。
それに合わせて足袋が履けるように爪先の別れた靴下。

薄手で膝下まである長い物の上に厚手の短い物を二重に履いています。
薄手のものは汗取りとむくみ予防の膝下の締め付けのため、厚手のものは防寒とクッション効果を狙ってのものです。
ちなみに
鳥撃ちの時などで足袋を履かない時も同じ靴下を履いています。
靴下だけでも足先が分かれていると踏ん張りが効くんですよね。
ここまでは作業服の専門店で購入。
整地されていない道無き山道を歩くと、日常生活では考えられないほどにこの2つの消耗は激しいですね。
なのである程度の消耗品と割り切って考えています。
それと今年から着用し始めたアイテムがこれ。

脚絆(きゃはん)です。
以前も作業服専門店で購入したものを使っていたのですが、一番大きなものでもサイズが合わず、終いには山の中で落として行方不明になってしまいました。
そこで合うサイズのものはないかと探した結果、植木職人さんの用具を取り扱う店で見つけました。
購入するにあたってズボンを履いた上から脹脛の外回りのサイズを測ってみると46センチで、適合サイズは
「特特特特大(4L)!」勢子役ではないけれど若手としてそれなりに山中の藪漕ぎをしたりするとズボンの裾がはみ出ていたりするし、夏場の有害鳥獣捕獲活動では実際に蛇を踏み付ける寸前のことがあったので、マムシ対策としても必要なアイテムです。
藍染の品で3,200円ほど。(特大サイズだったので高かった…)
実際に山で着用した下半身の写真はこんな感じ。

ズボンも作業服専門店で購入した厚手のものなのですが、これがズボンではなく股引だったりしたら時代劇にも登場できそうですね(笑)。
やっぱりこんな恰好をした人間が山から出てきたらかなり怪しい感じでしょうか?
怪しい者ではありませんので、見かけても警察に通報したりしないでくださいね(笑)。
↓4Lはないだろう!と思われた方はクリックプリーズ(笑)
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脚絆なんて、お祭りの時のイメージしか無かったのでびっくりしました。
最近仕事が鬼のように入ってきてくたばってました~(他ブログに出没してましたが...)、足周りは大事ですね、解禁日に調子こいて長靴履かずに猟をして足がビチグソになって泣きを見ました(笑)
やはり動きやすく水が侵入してこない履き物を探さねば、と思ったへっぽこハンターでしたw
いつもブログ楽しく拝見させていただいております。
今日のニュースでも、毎年のことですが、山に行く人が猟銃に撃たれます。
車に乗れば毎年数千人が犠牲になるように、人が山の登れば数人は犠牲になるような気がします。
ブログを拝見して銃を手にする猟師の細やかな気遣いは感じられますが。
抜本的にこのような事件をなくす方法はないのでしょうか。
メジャーな趣味だったらこんなに苦労することは無いのに…、といつも思っています(笑)。
何か良い情報あったら教えてくださいね。
かなり気になるので今度取り寄せてみます♪
農業や林業の方以外にも色々と使用されている職業の方がいます。
登山用のスパッツなどは破れやすいようなので、木綿の脚絆がハンターには最適です。
はい、私も足回りはとても重要だと思います。
完全防水で丈夫で安価な(←ここ重要)足袋があればいいのですが…。
また誤射による悲しい事件が起きてしまいましたね。
私たちハンターが銃を所持している以上は、これからも同様の事故が起こる可能性は0ではありません。
自動車事故を無くす事が極めて難しいのと同じようなものだと思います。
しかし誤射による事故を限りなく0に近付けることは可能だと思います。
事故が起こった状況を調べると「姿を確認せずに撃った」という、通常でしたらありえない状況で発砲した人が多いですね。
これは普通のハンターではありえません。
事故を起こした方は日頃から射撃場での射撃訓練が足りていないのではないでしょうか。
銃刀法の法改正になって射撃場での実射による実技試験が実施されるようになりましたが、在り得ないくらい簡単な試験内容です。
ほんの少しだけ実技試験の難度を上げても問題ないと思います。
そうすれば通常から射撃練習に行って安全な猟銃の取り扱いが可能でしょうし、事故軽減に繋がると思います。
しかしそれには全国の射撃場の数が少な過ぎますね。
山の中を縦横無尽に走り回るには、地面をしっかり足でつかめる
地下足袋が向いているんですね!
登山用靴は『登り』と『下り』の足運びに特化したものなので、
よく足を滑らせて困っていました・・・
勉強になりました~!
・防水性がない
・寒さに弱い
・丈が短いので竹の切り株やマムシから身を守ることが難しい
などです。
また、岩山では金属スパイクがあると逆に滑りやすいので、ゴムスパイクだけのものが良いですね。
やはり各々の問題であり、行政の問題でもあるんですよね。。。
現場の方の頼もしい意見がきけて、もっと狩猟に興味がわきました!
いつもブログアップ楽しみにしてます!
しかしやはり猟銃による事故は所持者個人の責任です。
自動車でも事故を起こしたりしたら本人の責任ですしね。
危険なものとの自覚をしっかりと持ち安全狩猟に努めたいと思います。
ずっと欲しいと思ってた物なのですが商品名を失念してしまいました。
もしよろしければご教示頂けませんでしょうか?
追伸
いつもROMさせて頂いております。
自分のグループの猟果と比べて溜め息をつきつつ…
宜しくお願いします
商品名は確か「朝霞」だったような…。
「マジックテープ 地下足袋」で検索すると、販売店が数社ヒットすると思います。
今後ともよろしくお願いします。