少し前のことなのですが、有害鳥獣捕獲会議に行ってきました。

有害鳥獣捕獲隊員の8~9割ほどが休日に開催される会議に出席。

有害鳥獣捕獲活動は行政から猟友会が委託を受けて行う業務という形にはなっていますが、実態はと言うと全くのボランティアですね。
合同捕獲日に出席すると1日当たり1,000円~2,000円(犬の治療費がかさんだりすると減る)の日当が出ますが、ガソリン代などを考えると完全に赤字です。
イノシシや鹿の捕獲実績に対して報奨金が出るようにはなりましたが、毎日の見回りや餌代や罠代などを考えると、これもまた苦労に見合う物ではないと思います。
とにかく、自分のプライベートな時間を潰して暑い季節に山の中に入って有害鳥獣捕獲活動を行うことは大変な重労働であり、税金から僅かばかりであっても活動費用が出ている以上は成果を上げる必要性もあるしで、肉体的にも精神的にも負担が大きいのです。
かと言って
「報奨金をもっと上げろ!」とか
「日当をもっと出せ!!」と言ってる訳ではありません。
そりゃあ人間だからお金は欲しいし、有害鳥獣捕獲で小遣い稼ぎができたらいいのでしょうが、そんな事を本気で思っているのは極々一部のハンターだと思います。
(中には金欲に塗れ、特定の人物だけがその権利を独占しているというすごい猟友会もあるとは聞きますが、そういう猟友会は近い将来自然に淘汰されるんじゃないかな…)
有害鳥獣捕獲活動に携わるほとんどのハンターは「少しでも野生鳥獣の被害に困っている農家の助けになれれば…」との想いから有害鳥獣捕獲活動をされています。
少なくとも私の所属する猟友会ではそうです。
だから狩猟経験が浅くても熱心な若者は積極的に隊員に勧誘するし、親切に指導していただけます。
(私は1年目の猟期が終わってすぐに捕獲隊員になりました)
お金に関して言えば、(これは私的な意見ですが)有害鳥獣捕獲活動は「プラスマイナスゼロくらいでちょうどいい」と考えます。
そして本当に頑張って実績を上げている方は「少しプラスになるくらい」。
お金が絡むと醜い争いが起こりがちですし、私はそんないざこざに巻き込まれたくないのが本音です。
そうそう、そして今回こんな冊子をいただきました。
「鳥獣被害対策実践マニュアル」農家の方に向けて県の農林水産部畜産課が作製して配布している物です。

内容を見ると対象鳥獣別に具体的な野生鳥獣の防除の仕方をまとめたものです。

なかなか良いですね!
特にいいな!と思ったのがこの部分。
「捕獲と大規模柵は最後の手段!」そうですね、ハンターも必要以上に野生鳥獣を殺したくはないし、農家の方もお金のかかる大規模な柵を設置したいわけではありません。
「里山には農作物がたわわに実り、猟師は猟期に自分が食べるくらいの獲物を山から分けていただく」
それが理想なのでしょうが、有害鳥獣が増えすぎて山からはじき出され、人家の近くまで押し寄せてきている現状ではそんなことは言っていられません…。
どこかで線引きをしないと難しいですね。
まあ、簡単に答えが出るような簡単な問題ではないのですが、ヘナチョコなりに気合入れて秋の捕獲活動頑張りま~す!
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自然と向き合い脅威に対処できる技術を持った仕事はもっと評価されてもいいような気がしますがなかなか難しいですね・・・
どうやったらなれるのか調べないと(笑)
私達はサラリーマン、時間に制約があります。
猿の被害は年中なので「猟期中」も「駆除」が出来ないものか?と担当者に相談。
「前例が無いので・・無理。聞いた事がない。・・・検討はしてみますが、、、」
遊び半分でやってないのョ、爺さん・婆ちゃんが泣く姿を見たくないのョ。
判ってもらえんのかな〜? 一歩、前に進んでもらえんのかな〜???
とりあえず「町長」にメールじゃ!!!!
そういえば、去年の猟友会総会はお金の問題で大荒れで胃が痛かったです(笑) 正常化したので良かったですが。
駆除しようにも、いろんな縛りがあるし、肉の有効利用も処理場とかにコストかかるし。
人も動物も住みにくい世の中なんですよねー。
しかし狩猟は現代社会で特殊技術ですし、絶やしてはいけないと思うのです。
どうなるのでしょうねえ。
実施される地域では地域の猟友会が受持っている場合がほとんどなので、所属する猟友会に聞いてみるのが一番だと思います。
駆除と狩猟はやっていることが同じでも、意味合いが違いますからね~。
私は猟期は純粋に狩猟を楽しみたいのですが、それも難しくなってきました…。
そんな不正をしているような一部の人間は、狩猟免許や銃所持許可の剥奪をしても良いように感じますが…。
そうなんですよね、「出来れば駆除なんてやりたくない」というハンターも多いと思います。
命をいただく行為ですしね。
頑張りま~す!
狩猟と野生動物管理を分けて考えるために、
専門捕獲技術者の養成と事業化が、各自治体で検討されているそうですね~
確かに『レンジャー』のような職業が日本にもあれば、
適切な野生動物の管理に加え、現ハンターさんたちの負担を減らすこともでき、
地方の雇用を増やすことができるなど、なかなか理想的だと思います。
ただ、捕獲したゲームミートをどのように商品化するかといった問題や、
地方行政と猟友界の癒着問題など、問題は山積みのようですね・・・
単純な構図は分かりやすいですが、人間の営みが自然環境を大きく改造して野生動物の生存率に多大な影響が出ているという研究結果を多くの人が知らないように思います。
猟師を増やす以前にやらなければいけないことが、本当はあるとおもうのですが…。
と、たまには熱く語ってみました。
奪った以上無駄にしたくはない・・・・
無駄にする事が当たり前になると、また別の精神的な問題も発生しますね
いのちの大切さや貴重な事、動物の生態などを教育しながら、駆除に向かうシステムがなければ、単にゲーム化する恐れもあるし、意味も分からず数だけ殺す・・・
では、駆除としての効果と動物の増加減少を見極め、適切な管理が出来ないですね
狩猟者減少→動物増加 じゃなくて、動物を良く知り理解できる人が減っている事や、狩猟未経験の動物学者に頼りすぎる事も、根本的な問題の解決には程遠い結果を作っていると思います
まあ、問題が大きいですから、全国の例を集めたりすることも重要ですが、地区行政ですから、どこかの誰かが音頭とらなけりゃ始まりませんね
ちなみに、山形・高畠では猿は年間駆除対象になってます
「生き物を殺す」というイメージだけが先行し、「命をいただく」ということを説明せず蓋をしてしまったことです。
有害鳥獣捕獲も行うレンジャーのような仕事が出来ればいいけど、有効な捕獲効果や感染症などで有害鳥獣が激減してしまった時には雇用自体がなくなるかも…。
過去にミートハンターや毛皮獣を対象とした専業猟師がいたそうですけど、現代では成り立ちませんもんね…。
ハンターを増やすことが悪いとは言いませんが、野生鳥獣の生息数を含めもっと大きな視野で物事を見ることが大切だと思います。
そうなんですよ、なんだか今までは狩猟のことを知らない人達が数だけ見て、机上で色々なことが決められていたように感じます。
殺すことが好きな人ばかりじゃありませんから、駆除は精神的にもキツイですよね。
まあ、きれいごとばかりでもダメだし何もしないことが一番ダメなので、この週末も休み返上で有害鳥獣捕獲活動に参加してきます!